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研究紹介

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PART
7
電子情報エネルギー工学科 / 通信工学基礎論領域 「海外における野外観測」
地球総合工学科 / 船舶海洋工学専攻 「海洋ロボット」
応用自然科学科 / 応用生物工学専攻 「超微細細胞加工レーザー照射装置」

 
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雷の物理を徹底研究! 地球温暖化のナゾにも迫る。
地震と同じくらい、恐れられている雷。自然が引き起こす不思議な現象のひとつだが、その不思議は意外に解明されていない。そこで雷に魅せられた河崎善一郎教授らが「雷の物理」を研究し、その不思議に真っ向から取り組んでいる。日本では数少ない“雷研究室”だ。

まず、雷が発生するメカニズムを紹介しよう。太陽の熱で地面が温められて上昇気流が発生。その雲の中で大きなアラレと小さな氷の粒がぶつかって、マイナスとプラスの電気が生じる。マイナスの電気を帯びた大粒のアラレは下の方へ落下し、雲の下に集められたマイナスの電気と大地との間で放電が起きる。これが「落雷」だ。一方、雲の中で分かれたプラスとマイナスの電気が起こす放電は「雲放電」と呼ばれている。

これら一連の雷発生のメカニズムは分かっているものの、具体的に雲の中でどんな風に電気がたまり、どう消費されるのか、といったことはまだまだ謎のまま。そこで河崎教授たちは、ナゾを解明すべく、電波のセンサーを使ったオリジナルの測定マシーンを作製した。この機械は、雷放電によって放射されるパルス状の電波を、複数の広域帯アンテナで受信し、その電波放射源位置を確認する測定機。測定したデータは、パソコンに記録されビジュアル化される。このシステム一式を携えて、日本のみならず世界で野外観測を続けている。
<写真>河崎 善一朗教授
夏場は、オーストラリアの北部の町・ダーウィンで、1ヶ月にわたりフィールドワークを続ける。この地域は赤道に近く「世界の煙突」と呼ばれるエリアのひとつで、雷雲である積乱雲がよく発生する。この積乱雲こそが「世界の煙突」と呼ばれるゆえんで、地球温暖化に深く関わっている。すなわち、雷の研究によって、地球温暖化の原因やそのメカニズムの解明も可能になる。

一方、雷の発生が少ない冬場は、冬の雷で知られる日本の北陸エリアでフィールドワークを続ける。「見たいことを見るために、自分たちで機械を作って、その場に足を運び研究する。まさに工学ならではの醍醐味です」と河崎教授は言う。

河崎研究室では、こうした地上での観測だけでなく、NASA(アメリカ航空宇宙局)との共同研究によって、雷観測のための光のセンサーを搭載した衛星を打ち上げ、宇宙からの雷研究も続けている。


<写真>観測風景(ダーウィン)


<写真>観測データ
 

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人間にはできない、海の不思議を解き明かすロボット!
神秘とナゾに包まれた海。しかし、そのヒミツをさぐるには、あまりに多くの危険が伴うため、人間の力だけでは限界がある。そこで活躍してくれるのが海洋ロボット。加藤直三教授は、これら水中で様々な力を発揮するロボットの研究開発を進めている。

加藤教授が初めて海洋ロボットを手がけたのは、水深1000mにある海底ケーブルの調査用ロボット。私たちが今、クリックひとつで世界と簡単につながるのは、何千、何万キロにわたって国と国とをつなぐ海底ケーブルのおかげ。世界の情報通信のインフラだからこそ、海底ケーブルのメンテナンスはとても重要だ。

加藤教授が企業と共同で開発したロボットは、海底から2メートル上で確実にケーブルをトレースできる自律型ロボットで、磁気センサーによって海底ケーブルに異常を発見した場合、超音波を通して情報を発信し、海上の船にその異常を伝える。何よりも大きな特長は、母船との間にケーブルがない点。それまでの作業用ロボットにはケーブルが不可欠だったため、調査は困難を極めた。もうひとつの特長は、250kgと軽量なロボットなので、調査費用のコストが大幅に削減できること。それまでは数トンクラスの作業用ロボットが使われていたため、作業が大がかりでコストも莫大だった。加藤教授による海洋ロボットの登場は、海底ケーブルの管理を大きく変えた。
<写真>加藤直三教授
現在加藤教授が手がけているのが、水深の浅い沿岸辺りで活躍する「生物模倣型水中ロボット」。例えば、地球環境保護に大きく関わってくるサンゴ礁の観察など、狭くて入り組んだ部分にも入り込んで調査ができるロボットである。

「重要なのは、潮流や波の中で自分の位置をキープしながら観察・調査ができるか、という点です。そこで魚のヒレの運動からヒントを得て、胸ヒレ運動装置を動かしながら位置保持ができるロボットを開発しました」と加藤教授。生物から学んで開発されたロボット、だから「生物模倣型」と呼ばれる。

現在開発が進むロボットは、重量15kg、長さ1.35mの小型ロボットで、シリンダーのボディに4つのヒレをつけている。ヒレの動きによって位置保持はもちろん、高速に動くことも可能で、実用化も目前。この海洋ロボットの活躍で、海のナゾがひとつずつ解明される日も近い。


<写真>生物模倣型水中ロボット


<写真>生物模倣型水中ロボット
 
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夢のような植物を作り出す、それを実現する技術。
<写真>梶山慎一郎助手
 砂漠さえも一面緑にできる植物、あるいはクリーンなエネルギーを生む植物、そんな地球環境の保護に絶大な力を発揮する植物を作ることはできないだろうか。梶山慎一郎助手らは、そうした研究に、遺伝子組み換えという側面から取り組んでいる。

「元々地球上にある植物を利用して、新しい植物を作り、現在の様々な問題をその植物で解決していくことが私たちの目標です」と梶山助手は言う。

現在世界中で使われている遺伝子組み換え技術は、3つある。いずれも欧米で開発された特許技術であるため、その技術を使おうとすると莫大な費用がかかってしまう。さらに、現在の技術では、遺伝物質を細胞一つひとつに入れるピンポイント導入ができないこと、またメガベース(百万塩基)規模の巨大なDNAや細胞小器官への導入ができないことが、障害となっている。そこで梶山助手らが取り組んでいるのが、日本独自で開発した汎用性の高い技術、超微細細胞加工レーザー照射装置を使った新しい遺伝子組み換え技術の開発である。
個々の細胞に遺伝物質を入れる際、大きな障害となるのが固い細胞壁。これにレーザーで小さな穴を開けて、そこから遺伝物質を入れようとする技術だ。特殊な光ファイバーに紫外線を通して、極細の針を使い、1ミクロン以下のスポットで細胞膜に穴を開ける。いわば紫外線レーザーの注射器。波長の短い紫外線を使うため、熱の発生がなく、ねらった細胞を生かしたままで、周囲の細胞にも影響を与えることなく加工できる。これらすべての機械は梶山助手らの手作りだ。

また、この機械があれば、細胞に遺伝物質を入れるだけでなく、逆に細胞の中にある物質を取りだし、細胞一つひとつの遺伝子情報を調べることもできる。個々の細胞単位での遺伝子研究は世界でも珍しく、梶山助手らの腕に大きな期待が寄せられている。


<写真>レーザー照射風景
<写真>タマネギ表皮細胞のレーザー照射部に色素を導入している様子


導入前


導入後
 
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