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PART
8
電子情報エネルギー工学科 / エネルギー量子工学科目 「量子線化学ラボ」
応用理工学科 / 知能・機能創成工学専攻 「ロボカップ」
地球総合工学科 / 地球総合工学専攻 「屈曲型側ヒレ推進機構に関する研究」

 
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人工筋肉も夢じゃない! 量子線や磁場のポテンシャルに挑戦。
 現在、私たちの目の前に大きく立ちはだかっているのが「福祉、環境、エネルギー」に関する問題だ。西嶋研究室では、放射線や量子線(電子線、ガンマ線、紫外線、レーザー等)の技術を利用することで、これらの問題を解決し、より快適で暮らしやすい生活を求めていこう、と日々研究を続けている。

福祉問題に対しては、量子線を使った新しい素材(ソフトマテリアル)を開発することからアプローチしている。例えば、どろりとしたゲル素材に量子線を当てると体積が大きく変化することを利用し、肌になじむ、柔軟性のある新素材を開発中である。そうしたソフトマテリアルの研究が進めば、人工筋肉の開発なども可能だ。人の筋肉と同様にしなやかに動く、まったく新しいソフトマテリアルが登場する日も遠くない。
<写真>西嶋茂宏教授
<写真>ソフトマテリアル開発のための肌の力学的特性評価風景
また、自制粒子のような小さなものを磁場で制御することで、ダイレクトに生体に作用する新しい治療法についても構想中だ。例えば、体内を自走する薬の運搬装置として、また血管内に送り込まれた自制粒子がガン細胞の前で血管を閉塞し、ガン細胞を壊死させる、そんなことも可能になるだろう。

環境問題については、磁場を利用した資源の再利用化という視点で研究が進んでいる。なぜなら、大きな磁力は様々な物を分離することができるからだ。この性質を利用した研究成果は、すでに古紙製紙工場で工場排水の浄化システムとして実用化されている。

製紙工場では大量の水が使われ、また棄てられる。しかしこの水には染料が溶け込んでいるため、そのまま棄てることはできない。そこで磁気分離技術によって染料を分解し、安全な水だけを排出する新システムを西嶋研究室が開発した。生物を使って分解する従来のシステムに比べ、小さな空間でコストを下げて浄化でき、また化学物質を使わない処理であるために地球環境にも優しいと、高い評価を受けている。
西嶋茂宏教授はこう語る。「将来は、生活用水が不足している発展途上国やスラム街などに対して、磁場に汚水を通すことで飲み水に変えられる、そんなレベルにまで高めたいと思っています」。

“研究のための研究”にとどまることなく、社会の動きにぴったりと沿った研究が着実に進んでいる。
<写真>量子線照射装置
 

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ワールドカップ覇者に勝てる、ヒューマノイドロボットを開発しよう!
「2050年を目標に、サッカーのワールドカップ優勝チームに勝てる、完全自律型のヒューマノイド(人間型)ロボットのチームをつくる!」こんな大胆な目標を掲げて、1997年から始まったのが『ロボカップ』。ロボットたちによるワールドカップだ(ロボカップ国際委員会会長は大阪大学浅田教授で提唱者の一人)。大阪大学・工学研究科チームも第1回大会から参加し、毎年好成績をおさめている。

チームを率いるのは、浅田研究室の高橋泰岳助手。「ロボカップ最大の目的は、ロボット工学と人工知能を融合して、ロボット研究を高めていくこと。なので、サッカーの試合だけでなく、大規模災害でのロボット利用をめざしたロボカップ・レスキューや、次世代の技術者を育てるロボカップ・ジュニアなどの活動も行われています」と言う。

『ロボカップ』は『ロボコン(ロボット・コンテスト)』と混同されることが多いが、両者には大きな違いがある。人間が直接操作するロボットを1対1、あるいは2対2でバトルさせるロボコンとは違い、ロボカップでは、人間が介在しない人工知能を持った自律型ロボットを、4対4、あるいは5対5で戦わせる。そして予選から決勝トーナメントまで、30を超える国と地域から集まったチームで熱戦が繰り広げられる。
<写真>高橋泰岳助手
ロボカップ・サッカーでは、4つの実ロボットリーグが用意されている。卓球台よりやや大きいサイズのフィールドで行われる「小型リーグ」、直径45cmの大きさのロボットが迫力あるプレイを見せる「中型リーグ」、さらにソニーのペットロボット・アイボを使った4足リーグ、そして最終目標に向けて人間型ロボットで競う「ヒューマノイドリーグ」。大阪大学・工学研究科チームも4つのリーグに出場し、特に中型リーグでは好成績をあげている。

もちろん、自ら判断し自ら動く完全自律型ロボットの開発は、たやすいものではない。中型ではカメラを搭載して自分を中心に全方位を見て、自分の位置確認をできるようにしたり、赤外線を使って障害物を回避したり、など様々な機能を付加。足周りには台車を付けて、全方位の移動ができる仕組みに。ヒューマノイドも広角カメラを搭載し、ボールの発見、アプローチ、キックなどの行動が可能だ.これらの機能を効果的に活用してプレイできるよう、スタッフ、院生が研究に励んでいる。

「その場の状況に応じた素早い判断、またパス、シュートといったチームプレイを実現するための要素技術や手法を開発していくことがこれからの課題です」と高橋助手は言う。

毎大会ごとにルールが変わり、ロボットたち、いやロボット開発者たちにとってのハードルがどんどん高くなっている。このままバージョンアップすれば、目標の2050年には、人間に勝てるヒューマノイドロボットが本当に誕生するかもしれない。


<写真>自律型ロボットによるサッカー風景


<写真>ヒューマノイドロボット
 
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イカの動きからヒントを得た、次世代の魚ロボット。
<写真>戸田保幸助教授
 マグロなどの魚やイルカの動きに注目し、それらを工学的に研究して開発された“魚ロボット”は、比較的数多く存在する。そんな中で、戸田保幸助教授は「イカ」の動きにヒントを得た、珍しい「イカロボット」を開発し、研究を重ねている。

なぜ、イカに着目したのか。戸田助教授はこう語る。

「イカは身体の側面にあるヒレを動かして波をつくり、後ろに進めることで自由自在に動いています。こうした、マグロのように尾ヒレで高速に動く魚とは異なった動きを解明して、新しい魚ロボットの研究を進めているのです」。

 戸田助教授は、非常に細かい動きができるヒレを両側面に付けたイカロボットを作製し、大阪大学が誇る巨大水槽に浮かべて様々なデータをとりながら、その推進力を研究している。水の外では無機質な物体にしか見えないイカロボットが、いったん水に浮かぶと微妙にヒレを動かしながら、まさしくイカのようにイキイキと動く姿はユニークだ。
イカの動きは、カレイの動きとも似ている。カレイもヒレの1本1本の骨を自由に動かしながら、尾ヒレや胸ヒレを使って、水中での姿勢を制御している。これらイカやカレイの動きにヒントを得た新しい魚ロボットなら、尾ヒレを使ってダイナミックに動くこれまでの魚ロボットにはできない新しい研究が可能だ。

例えば、イカロボットなら水中でもしっかりと姿勢を制御できるので、そのボディにコンピュータを搭載することができる。安定しているので、カメラを据え付けることも可能だ。そのために、これまでの魚ロボットでは不可能だった、観察をメインとした海洋に関する調査もできる。また、イカロボットで海の生物たちを見る新しいマリンレジャーも可能になるだろう。イカロボットだからできる、新しい海との関わり方が生まれてきそうだ。


<写真>イカロボット


<写真>イカロボット
 
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