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PART
9
電子情報エネルギー工学科 / 情報システム工学科目 「3次元空間型ヒューマンインターフェース」
応用自然科学科 / 物質・生命工学専攻 「次世代超電子顕微鏡」
応用理工学科 / 電子制御機械工学専攻 「超大型宇宙構造物の姿勢制御」
地球総合工学科 / 環境工学専攻 「流域圏自然環境の多元的機能の劣化診断手法と健全性回復施策の効果評価のための統合モデルの開発」

 
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仮想装置で、もっと使いやすいコンピューターへ。
 日々進化を続けるコンピューターの世界。ハード、ソフトともにどんどん高度化し、人間がそのスピードに追いつけないことも増えてきた。そこで北村喜文助教授たちは、柔軟性や個性といった人間の特性を出発点とした、人とコンピューターをつなぐインターフェースの研究開発を行っている。インターフェースとは、いわば、人間とコンピューターとの接点。この接点をうまく設定することで、コンピューターはもっと使いやすくなるはずだ。

「私たちが日頃コンピューターだと意識していないモノも含めての機械と、人との境目を、なるべく人間側に持ってきたインターフェイスの研究です」と北村助教授は言う。しかもそれは“空間的ユーザーインターフェース”からのアプローチだ。
<写真>北村喜文助教授
<写真>ActiveCube
例えば「バーチャル・チョップスティック」。言葉通り、仮想の箸である。モノの方向や位置を変えようとする時、道具があればとても簡単にできる。その道具が、つまむ、切るなど、さまざまな動きができる箸ならば、とても便利だ。そこで、箸のような日常的な道具をバーチャルな道具として使い、機械を自由自在に操ろう、というのがこのインターフェースの出発点。北村助教授らは、バーチャルチョップスティックをグラフィック化して実際に仮想装置を作るだけでなく、それを使った時に人がどう感じているのかを、脳の動きを通して調べるなど、さらに使いやすいインターフェースの研究に余念がない。
次は「多人数共有型立体ディスプレイ」。複数人による効率的な共同作業を目的としたインターフェースで、人が自由に動き回りながら、各々の視点でゆがみのない立体映像を見られるディスプレイ装置だ。数人がひとつのテーブルに集まって作業をする際、一人ひとりが自分のパソコン画面に首っ引きになるのではなく、映像を共有しコミュニケーションをとりながら仕事ができる。より効果的で人間的な作業が可能だ。

さらに興味深い研究も進んでいる。「ActiveCube」は、誰でも簡単に扱えるブロックを利用したユーザーインターフェースで、人がブロックを組み合わせると、その形がコンピューター上に3次元で表現され、ブロックを介在とした人と機械とのコミュニケーションができる。実世界と仮想世界とをつなぐ、3次元空間性を持った新しいインターフェースとして注目されている研究だ。人と機械とのより密接な関係が、新しいインターフェースによって生まれてくる。
<写真>Cyberspace Gardening
 

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原子一つひとつの動きが見られる、最新型電子顕微鏡。
日本の電子顕微鏡技術は世界を先導する技術である。大阪大学はその開発技術の高さを伝統として誇ってきた。そんな大阪大学で、また新たな次世代の超電子顕微鏡が開発された。従来ではできなかった原子の最表面が見られる顕微鏡で、まるで生き物のように結晶表面を運動する原子一つひとつを、はっきりととらえることができる。原子の動きを歪みのない映像として見られるのは、現在のところこの顕微鏡だけである。

高井義造教授らが次世代超電子顕微鏡の開発に取り組んだのが1996年。5年という年月を費やして、新しい世代の顕微鏡を誕生させた。

従来の電子顕微鏡にはなかった特長としては、浮遊型高圧電源を使って、10マイクロ秒ごとという高速で加速電圧を変調し、次々に変化する加速電圧のもとで像を重ね合わせていく点。すなわちピントを超高速で変化させながら、たくさんの画像を撮っていく。そして、たくさん撮った画像に特殊な関数をかけることによって、画像を本来のものに戻す。すると、これまでの顕微鏡では見られなかった、個々の原子の動きがつぶさに観察できる仕組みだ。1枚ではなく複数枚の画像を撮り、能動的に処理することで、従来の電子顕微鏡の枠を超えた、新世代の電子顕微鏡が生まれた。
<写真>高井義造教授
右下の写真は超電子顕微鏡で捉えられた金の単原子鎖の写真である。実映像として3つの原子が揺れ動いている様子をこれまでにない鮮明さでみごとに捉えている。
高井教授はこれを“ダンシングアトムズ”と名付けた。

 そして今、高井教授は次の電子顕微鏡の研究開発に着手している。それはバイオに使える電子顕微鏡だ。

「生体組織の分子レベルでの構造確認ができる、世界初の超コヒーレント・バイオ位相差電子顕微鏡です。バイオ観察のために新しい電子源と新しい撮像素子、そして新しい記録処理体系を開発して何としても完成させたいんです」と高井教授

「顕微鏡学というのは、医学と生物学をまたにかける、とても重要な学問領域です。それを実証してきた大阪大学・工学部には“世の中にない顕微鏡を作ろう!”という気概にあふれています。これは研究者にとって、大変ありがたい環境ですね」。技術の積み重ね、優れた環境、そして情熱。これらを味方につけて、高井教授の研究開発は着々と進んでいる。


<写真>次世代超電子顕微鏡


<写真>金の単原子鎖の無収差像
 
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宇宙空間で映画を撮影! そのためにはまず制御理論!
<写真>浅井徹講師
車や航空機やエレベーター、すべての機械を動かすには、それらをコントロールする「制御」という機能が欠かせない。制御理論とは、モノを動かす様々な方法を考える学問領域で、なかでも池田研究室では、組立式宇宙機の姿勢制御について研究を進めている。

「宇宙ステーションの建設に代表されるように、宇宙空間の産業化や商業化が注目されています。そんな中、私たちは宇宙空間での映画撮影の構想を立て、それを実現するための様々な機械の姿勢制御の研究と開発を前任の渡邊講師(現 早稲田大学助教授)から受け継いで行っています。」と浅井講師は言う。

地上で利用する機械の制御とは違い、あらゆるモノがフワフワと浮かんでしまう宇宙で、機械の位置保持をしたり、目的の姿勢に動かすよう制御するのは非常に難しい。摩擦がないために、動き出したら止まらない。それをうまく止める方法を機械に伝えていく算法(アルゴリズム)を、理論的な検討はもちろんのこと実験の繰り返しも行いながら開発していく。
もちろん、一研究室内に宇宙空間をつくるのは不可能だ。そこで、模型を使った地上での基礎実験を続けている。実験に使う宇宙機模型は、プラスチック板をブロック状にした基本ユニットで構成。そして摩擦の少ないホワイトボードの上をホバークラフトの状態で移動する。宇宙空間で実際に使用されている推力発生装置としてのガスジェット式スラスタからヒントを得て、動特性が似ているモータプロペラで構成されたスラスタを採用している。このスラスタをラジコンを使って操作。もちろん、コンピュータとも無線でつながっている。模型にはCCDカメラを搭載しているので、位置確認をしながら、姿勢情報を得て制御していく。

実験によって、組立式宇宙機の実現が可能であることはすでに検証された。今後の実験の成果が待たれるところだ。

詳細解説ページ


<写真>組み立て式宇宙機模型


<写真>位置・姿勢の検出原理
 
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自然と共生できる都市、その方法論を研究中。
<写真>加賀昭和教授
 地球環境保護に向けて、国レベルでの動きが活発化している今、大阪大学・工学部でも国のプロジェクトに参加した研究開発が進んでいる。そのひとつが「自然共生型流域圏・都市再生技術研究」で、加賀昭和教授を中心としたチームが、地域特性を活かした、自然と共生できる都市を再生するための、新しい技術的方法論を研究している。

タイトルは『流域圏自然環境の多元的機能の劣化診断手法と健全性回復施策の効果評価のための統合モデルの開発』。川の流域を自然の基盤としてつくられてきたわれわれの生活空間で、できるだけ周囲の自然に負荷をかけないようにしながら、より豊かで快適に暮らすための方法を探っていこう、とするもの。そのために大阪大学・工学部からそう遠くない淀川流域を対象に、データの収集や診断、それを元にしたモデルの開発から施策例の立案を行っていく。
平成14年4月に立ち上がったばかりの新しいプロジェクトだが、地球総合学科ならではの幅広い専門分野から集まった先生方によって、刻々と研究成果が情報として集められている。環境心理学、都市環境デザイン学、交通システム学など、それぞれの専門家から寄せられた情報は、GIS(地理情報システム:地理的な情報や空間データを合わせて分析・表示するシステム)に集積されていく。例えば、木々の中にタワーを建てて、光合成の速度をはじめとする植生データをとるなど、各先生独自のモニタリングで情報収集が行われている。

「特定の分野に偏ることなく、各分野の先生が色々な切り口でデータをとったものを、GISというひとつの軸にのせることで、広く弾力的に都市機能や自然環境機能を指標化できます。そしてこのデータベースは市民参加型で公開する予定です。こうした点でも特色ある研究と言えるでしょう」と加賀教授。

 ゆくゆくは、流域圏・都市再生のための施策が、都市機能・自然環境機能に与える効果・影響を総合的に評価できるモデルをつくり、それを他の地域でも適用できるよう公開することもめざしている。
<写真>植物の環境ストレス計測実験室


<写真>プロジェクトイメージ図
 
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〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 / TEL.06-6877-5111(代)

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