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PART
10
応用理工学科 / 機械物理工学専攻 「レーザー散乱蛍光画像計測システム」
電子情報エネルギー工学科 / 電気工学専攻 「都市エネルギーシステムの最適化」
応用自然科学科 / 応用生物工学専攻 「遺伝子・タンパク質・代謝の情報を統合解析するシステム」

 
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燃焼のメカニズムを解明する、新システム。
21世紀の重要課題のひとつといわれるエネルギー問題。これに関わる熱や燃焼についての解析や研究を行う「熱工学」という学問領域が注目を集めている。

とは言え、モノが燃えるメカニズムはかなり複雑であり、火炎の特性もまだまだ未知の部分が多い。

そこで小宮山正治講師たちは、レーザーを使って火炎の中の成分濃度などを調べる実験システムを開発した。従来は火炎の中にプローブを挿入して計測するのが一般的だったが、それでは火炎の流れを乱してしまうなど、問題があった。そこで小宮山講師たちは、レーザーとCCDカメラを使うことで火炎の流れを乱さずに、瞬時に火炎の特性を調べることができる新システムを開発した。
<写真>小宮山正治講師
炎の温度を測る方法の一つは気体の密度を測ることである。温度が高いと分子の数が減って気体の密度は下がり、逆に温度が低い時は分子の数が増えて気体の密度は高くなる。そうした特性を利用して、火炎の中の気体の散乱強度を測ることができる、強力なレーザーを採用した。これはパルスレーザーと呼ばれるもので、蛍光灯の約100万倍、百メガワット程度の出力になる。火炎に照射するので、短時間で高出力のレーザーが必要なのだ。

このレーザーを2つ組み合わせたものをバーナーの炎に当て、散乱する光をCCDカメラで受光し、火炎の2次元的な温度分布や濃度分布を同時に計測する。CCDカメラを使うことで、これら複数のデータを瞬時に捉えることが可能になった。また2つのレーザーを時間差で当てることにより、火炎の速度も検出することができ、温度、濃度、速度を同時に検出できる新しい計測システムとして注目されている。

 小宮山講師はこう言う。「私たちの研究の大きな目標は、燃焼のメカニズムを解明することで、燃焼時に発生する汚染物質を低減し、クリーンな燃焼を実現したり、燃焼効率を上げることで消費される燃料を低減するなど、地球環境に考慮した燃焼技術を開発していくことです」。新しい計測システムの開発によって、目標へまた一歩近づいた。


<写真>レーザー散乱蛍光画像計測システム


<写真>瞬時同時二次元温度濃度分布
 

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各家庭のエネルギー利用を調査し、次世代のシステムを研究。
<写真>佐伯修助手
私たちは毎日、どんなエネルギーを、どれくらい消費しているのだろう。そうした一般家庭レベルでのエネルギー消費の実態をつかんだデータは、これまで把握されていなかった。ガスや電気といった個々のエネルギーについては、それぞれのエネルギー会社が情報をつかんでいたり、また産業需要についてもデータはある。しかし、1家庭において、暖房用にどのエネルギーがどの時間帯に使われているか、テレビの電気需要はどれくらいかなど、細かなエネルギー消費については、情報収集が難しく、実現していなかった。

そこで辻研究室では、一般家庭でのエネルギー消費の実態をつかんで、そのデータをもとに、もっとも適したエネルギーシステムを探る「都市エネルギーシステムの最適化」という研究を進めている。

まず、データを把握するため、サンプルとなる各家庭にエネルギー消費を自動計測する機器を設置。各器具の1分から30分ごとの電気消費量とガス全体の消費量および温度をPHS通信ユニットで大阪大学のデータ収集センタへ送信する。そして辻研究室でそのデータを総合的に処理し、またデータを各家庭にフィードバックする、というシステムだ。
「データをフィードバックすると、各家庭ではその情報を元に、消費の多い部分を減らそうと努力されるなど、すぐに反応があります。なので、どういう情報を戻せば、省エネに効果があるかについても研究を進めています」と佐伯修助手は言う。

 細かなエネルギー消費の動向をつかむことで、こういうケースには、こんなエネルギーシステムがふさわしいのではないか、といった提案が可能になる。また地域の特性によって、最適なエネルギーシステムを提供する事も可能だ。エネルギー問題がますます深刻化していくこれからの時代、辻研究室の研究開発に期待が寄せられている。


<写真>エネルギー消費情報提供システム


<写真>エネルギー消費情報表示画面
 
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ITを駆使して、遺伝子一つひとつの動きをとらえる。
ゲノムとは、生物が生きていくために必要な遺伝子情報。このゲノムを解析することで、細胞の中の設計図とも言える様々な情報を読むことができると、盛んに研究が進んでいる。しかし、実はその後が重要なのである。設計図を読むだけでなく、細胞の中にあるすべての情報がどう結びついて、どう制御され、代謝が実現されるかを知ることこそ、生物のヒミツを探る最も大きなカギなのだ。

すなわち、生物の生命活動を静的にとらえる「遺伝子配列」からさらに進んで、遺伝子情報がどう表現されるかといった、生命活動を動的にとらえる「代謝レベル」での研究が必要になる。そこで清水浩教授たちは、遺伝子、タンパク質、代謝の各レベルでの活動の状態を捉えようとしている。ここにはIT技術が大きく関与している。
<写真>清水浩教授
<写真>DNAマイクロアレイ細胞内の全遺伝子の働きを可視化した画像
例えばパンの発酵やお酒の醸造に使われる酵母は、約6000個の遺伝子を持つ。それがタンパク質レベル、最終的に代謝レベルにまできた時には、数万のオーダーの情報が積み重なっている。これら数万の情報を解析するには、手作業だけでは不可能で、コンピューターサイエンスが必須だ。そこで清水教授らは情報技術を駆使し、酵母が持つすべての遺伝子の動きを色分けし、コンピューター上でそれらが働く様をビジュアル化して見ている。例えば、与える栄養分を調節しながら、生き残りをかけて遺伝子がどんな働きをするかをつぶさに調べていく。その結果は、細胞の状態がいい時に働く遺伝子は緑色、悪い時は赤色、両方で働く場合は黄色で、コンピューター上で表現される。こうした実験を通して、遺伝子の違いや、さらにはもっと強い細胞を作るヒミツも解明できる。

「2000時間にも及ぶ連続培養のように一定の条件下で長期間にわたって実験が続けられるのは、大阪大学ならではです。ノウハウの積み重ねがたくさんあることや、技術の高さ、学生の優秀さが、この実験を可能にしています」と清水教授は言う。

代謝レベルでの研究がさらに進むことによって、例えば地球環境保護に有効なバイオプラスチックの実用化も近づく。すでにエネルギー貯蔵物質としてプラスチックを作るバクテリアの存在が知られており、これらを高効率・大量に生成する方法を開発すれば、製品化も可能だ。自然にかえる、地球にやさしいプラスチックが私たちの周りに製品として登場する日も遠くない。
<写真>
細胞連続培養装置
 
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