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PART
12
吹田キャンパス 「CALL&CAE教室」
応用理工学科 / 機械物理工学専攻 「複雑流体の流れと流体内部構造」
電子情報エネルギー工学科 / 電子工学専攻 「光集積回路作製用電子ビーム描画装置」

 
コンピュータを駆使し、語学力と図的表現力をアップ!
大阪大学・工学部では、授業に積極的にコンピュータを取り入れているが、なかでも、充実のIT環境を備えた「吹田キャンパスCALL&CAE教室」では、インターネットと最新ソフトをフル活用し、語学力アップと図的表現力の向上をめざした授業を行っている。2003年春にオープンしたばかりの教室内には、学生用パソコン50台、先生のためのパソコン2台があり、いずれも高度処理が可能なハイスペックマシン。専用サーバも3台設置している。

現在この教室で行われているのは、工学英語と図学(図形科学)や設計製図などの授業。いずれの授業においても、先生から学生へネット上で資料や課題を配付したり、先生の操作画面を学生が隣に設置された液晶ディスプレイで確認したり、また他の学生の優れた論文や作品も共有して見ることもできる。さらに、教室内にはビデオカメラが設置してあり、プレゼンテーションをする様子を録画して、後で自分自身の良い点、悪い点を確認することも可能だ。実社会ではプレゼンテーションが非常に重要であることから、実践力を身につける機会にもなっている。
<写真>芦沢真五講師
<写真>中野元博助教授
まずは、工学英語での授業を紹介しよう。
工学英語で大切なのは、技術英語を身につけ、英語でのコミュニケーション能力を高めること。そこで教室内だけでなく、自宅でも同じ教材が継続して学べるようオンライン教材をうまく活用するほか、論文を書くために役立つ技術英語のデータベースも自分自身で作成していく。もちろん、英語でのプレゼンテーションにも積極的だ。

担当の芦沢先生はこう語る。「この授業は野口ジュディー先生、国吉ニルソン先生とのチームですすめられていますが、野口先生はよく“工学英語にはネイティブスピーカーはいない”と言われます。専門分野ごとに表現や語彙がユニークであるためです。だからこそ、体系立てて学びコミュニケーション能力を磨けば、学会でもしっかりと発表できるような英語を身につけられます。」2004年夏には、単位として認められるカリフォルニア大学での4週間集中講義が開講予定。カリフォルニア大学が大阪大学・工学部のために特別にプログラムしてくれたメニューで、工学英語を学ぶことができる。

一方、図学の授業では、最新ソフトを使っての3次元CAD(Computer Aided Design)を実際に自分で動かすことができる。2次元CADでは困難であった複雑な機械設計や数値制御加工などに、3次元CADは大いに力を発揮している。力を加えた時にどう変化するか、あるいは発熱したときの温度の分布など、データを解析しながら最適設計できるのが、3次元CADの大きな特長だ。
担当の中野先生は言う。頭に思い浮かべた立体的な構造を図で表現する操作を繰り返し、すばらしいアイデアに練り上げる。この作業を3次元CADを操って進めると、そのサイクルを速くできます。現在、CADの世界は2次元から3次元への移行が確実に進んでおり、実社会で通用するCAE(Computer Assisted Engineering)を体験するいい機会になると思います」。
<写真> 「工学英語」におけるプレゼンテーションの様子 <写真> CALL&CAE教室全景
 
 
 
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より強い、より精度の高い成形品の創製をめざして。
<写真>山本剛宏助教授
流体の中には、原子や分子よりも大きなスケールの内部構造を持った「複雑流体」が存在する。複雑流体は、プラスチック製品の原料になる高分子流体や洗剤などの界面活性剤溶液、また身近な例ではマヨネーズやペンキなど、私たちの日常に数多くある。

そして複雑流体は、流動中にからみあったり、ネットワークをつくったりしながら構造物をつくるが、この構造物こそが、製品の強度や精度の高さを大きく左右する。そこで、複雑流体の流れと流体内部のメカニズムを探るべく研究を進めているのが、森研究室の山本剛宏助教授である。

山本助教授は言う。「これまでの研究では、流れ模様や速度といった複雑流体のマクロな挙動を調べる、と言うアプローチが一般的でしたが、最近では技術が進んで、流体の内部構造と流動現象がどう関係するかを見ていくアプローチが可能になりました」。現在山本助教授らは、数値シミュレーションと実験という2つの手法で、流体の内部構造と流動現象研究を進めている。
複雑流体の中にはいろいろな挙動をするものがあるが、その違いは流動中の内部構造の違いが関係していると考えられる。そのため「流動中にこういう構造をつくれば、こんな挙動をする」といったメカニズムさえわかれば、プラスチックの成形に都合のいい構造をとる原料をつくることも可能だ。また、細長い棒状の分子で構成されている液晶の場合、その向きが成形品の強度に大きく影響するので、流動中の内部構造メカニズムの解明が、より高品質な液晶成形品の加工につながる。

こうした複雑流体の研究は、物性について化学的にアプローチしている大学がいくつかあるものの、データをとるだけでなく、そのデータを使って工業プロセスの流れの中で利用しよう、というアプローチは大阪大学・工学部ならではだ。しかも「数値シミュレーションと実験の両方ができるのは、大阪大学・工学部の優秀な人材があるからこそ」と山本助教授は言う。「数値シミュレーションの開発をして、それを実験で確かめて解析する、あるいは実験できないものはシミュレーションで補うなど、より研究を深めていくことが可能です」。
流体の基本的な物性を測定する「レオメータ」と呼ばれる装置や、回転円盤で流れを作り、構造の変化を見ていく「加熱冷却せん断装置」を使って、日々研究が進められている。
<写真>加熱冷却せん断装置
初期状態 流動中 流動停止後

<写真>せん断流れ中の液晶高分子のテクスチャー
 
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最先端の光電子デバイス作製に活躍する高性能装置。
私たちが今、クリックひとつで簡単に世界とつながるのは、海底に張り巡らされた光ファイバケーブルのおかげだ。また、音楽や映像を快適に楽しめるのも、DVDなどの光ディスクがあるからこそ。これら光ファイバや光ディスクに欠かせない、光集積回路(光IC)の研究に20年以上携わってきたのが栖原敏明教授。教授たち研究の成果が、今の私たちのデジタル・ライフを支えている。

光集積回路とは、半導体レーザの光を微小な構造に閉じ込めて制御し、様々な情報処理を行わせるマイクロ光電子デバイスのこと。縦横の直線的パターンからなる普通の半導体ICと違って、複雑な曲線群などからなるアナログパターンの微細構造を必要とする。だからこそ、その作成には精度の高い装置が欠かせない。

栖原教授は約25年前、世界初の「光集積回路作製用電子ビーム描画装置」を開発した。電子顕微鏡に手作りの制御用電子回路と、コンピュータ代わりのプログラム電卓を組み合わせたオリジナル装置だ。
<写真>栖原敏明教授
以来、機能拡大・性能改善を続けながら研究に活用してきた。その後メーカとの共同開発も行い、現在では同じ思想で設計された描画装置が、多くの研究機関で使われている。

栖原研究室ではその3・4号機が稼動中で、多くの研究員・院生・学生が活用している。ナノメータの描画分解能とピコメータ領域の周期制御精度を持つだけでなく、斜線・曲線描画やグラデーション描画、広面積一括描画ができ、自動運転も可能だ。
「デバイス研究では、特色ある作製装置と技術の駆使が大きな戦力になります。今後は光子のひとつ一つを操作する、量子光学的な機能をもつ量子フォトニック集積回路の研究を進めてゆきたいと考えています」と栖原教授。将来の技術革新のカギとなるような新デバイスが生み出されるかも知れない。
<写真>光集積回路作製用電子ビーム描画装置
<写真>作製した光集積回路の部分電子顕微鏡写真
 
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