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HOME > 研究 > 研究紹介 > マテリアル生産科学専攻|藤原康文教授
マテリアル生産科学専攻「マテリアルデザイン的思考で自然界に存在しない新しい量子機能材料を創生」
「キド(希土類)・ワールド」は前人未到の桃源郷 原子レベルでの制御技術が新機能を開拓する マテリアル生産科学専攻 藤原 康文 教授

レア・アースでなければできないことがある

レア・アース(希土類元素)のニュースを聞いたことがあるだろう。その名の通り、希少性が高く、産地が偏在することから、近年、国策として「省レア・アース」「脱レア・アース」が叫ばれている。しかし、ものごとは多面的に見なければ本質は見えてこない。まず、レア・アースの必要性。絶縁体に添加されたレア・アースの発光特性はよく知られており、蛍光灯やプラズマ・ディスプレイの蛍光体として広く用いられている。金属に添加すると強力な永久磁石を生み、この磁石を使ったモータは電気自動車のコア技術となっている。光励起下でのレーザ発振も実用化されている。レア・アースがもたらす機能は素晴らしく、レア・アースでなければできないことがたくさんあるのだ。代用技術ができたとしても、コスト面で不利になるだろう。

もうひとつの側面は、今の技術は果たしてレア・アースを有効に使っているのかという点だ。実は、レア・アースは非常に不思議な元素で、物理的に解明されていないことも多い。最先端技術に欠かせないものでありながら、これまで経験と勘に基づく試行錯誤の中で使われてきた。当然、無駄も多いと考えられるのだ。省〜、脱〜の取り組みは大切だが、もっとレア・アースを追究すれば、ごく微量でもっと高い機能が引き出せるはず。まだまだやるべきことはたくさんあるのだ。

「工学は使われてナンボ。応用を意識した研究でなければ意味がない」(藤原教授)。だから、新しい材料の作製にも、産業界で広く使われている有機金属気層エピタキシャル法を使う。世界でも有数の環境だ。

GaN系半導体を使った赤色LEDを発明

そんなレア・アースを研究対象に、新機能・高機能を持ったマテリアルやデバイスを生みだしているのが藤原研究室。「レア・アース添加に関する精密制御やエネルギー伝達機構の理解によるマテリアルデザイン的思考によってアプローチすることにより、レア・アースの特性を十分に活用した新たな“キド(希土類)・ワールド”を創生したいと考えています」と藤原教授。武器はあくまでもサイエンスだ。

そして今、最新の研究成果のひとつとして、世界的に注目されているデバイスがある。“赤色LED”だ。既にあるじゃないか?。その通り。しかし、従来の赤色LEDはGaAs系の半導体を使ったもの。それを、レア・アースのEu(ユーロピウム)をGaN系半導体に添加することで実現したのだ。もちろん世界初。これのどこがすごいのか。青色と緑色のLEDがGaN系半導体を使っているため、同一の基板上に光の3原色を集積した小型高精細LEDディスプレイ(液晶のバックライトに使うだけではない、本物のLEDディスプレイが可能に)や次世代照明が可能になる。しかも、明るさと必要とする電圧が画期的なのだ。明るさは2011年7月現在、93μWに達している。また、発光波長621nmの非常にシャープな光で、理想的な赤と言えるだろう。必要な電圧はなんと3Vという小ささで、乾電池2本で光ることも、多くの関係者を驚かせた。

誰もやっていない世界でトップになる

藤原研究室では、赤色LEDの延長上で、希土類イオンに乾電池をつないでレーザ発振させることにも挑戦している。乾電池で発振する希土類レーザなど世界で誰も見た人がなく、これまでの半導体レーザとはまったく概念の違うレーザができると藤原教授は確信している。

なぜ世界が驚く、オリジナリティの高い研究ができるだろうか。「日本の研究者は人と同じことをやっていると安心するんです。だから研究者の多い分野はもうカラカラの雑巾状態。しかし、誰もやってない分野にいけば、リスクもあるけれど、トップクラスになれる。希土類添加半導体を中心とする“キド・ワールド”は、前人未到の桃源郷。水をたっぷり含んだ雑巾みたいなものだから、アイデア次第でいくらでも発明ができますよ(笑)」。次に挑むべき技術領域も構想されている。発光機能、磁気機能という、独立した単一の機能で実用化されているレア・アースがもたらす機能を融合し、例えば“光る磁石”をつくろうというもの。コンピュータや通信に革命をもたらすかもしれない研究だ。実現に向けたグランドデザインは、もう藤原教授の頭の中にある。

Er(ユーロピウム)を添加した GaN(窒化ガリウム)を発光層に用いた世界初の「赤色LED」。この発明により、同一材料による光の3原色発光が揃うことになり、半導体微細加工技術を生かした高精細LEDディスプレイやLED照明などへの応用が期待される。

藤原 康文 教授 マテリアル生産科学専攻

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