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ビジネスエンジニアリング専攻「情報ツールを活用した住民主体型の都市・地域再生デザイン」
ワークショップからデザイン提案まで 本当のまちおこし、地域活性化をサポート ビジネスエンジニアリング専攻 加賀 有津子 教授

つくる都市計画から今ある財産を活かす都市計画へ

「まずはこれを見てください」。加賀教授に研究テーマを訊ねると、パソコンの画面に、美しいラベンダー園のVR(Virtual Reality:コンピュータグラフィックスなどを利用して、人工的に現実感を作り出す技術)が映し出された。最新のコンピュータゲームのようにリアルで、ラベンダー畑の中を散策しているように視点の移動も可能だ。

「これは兵庫県多可町に2008年にオープンした本州最大規模のラベンダー園の計画策定に携わった際に作成した3次元空間モデルです」。

続いてオープン後の実際の写真が映し出される。VRと写真が瓜二つで、VRのイメージがかなり忠実に実現されたことがわかる。このシミュレーションソフトは研究室で開発したものだ。しかし、VRでデザインをすることは、「エリアデザイン・マネジメント」という加賀教授の研究テーマの一部でしかない。あくまでもツールという位置付けだ。

兵庫県多可町ラベンダー園のシミュレーションモデル。このCGソフトは、盛土量・切土量、およびトータル土量バランスを算出して色別表示をすることも可能で、広い面積の計画に特に役立っている。

住民が主体となるためのエリアデザイン・マネジメント

エリアデザイン・マネジメントとは、都市・地域再生のための新しいアプローチである。従来の都市・地域再生は、行政主体でハード面(土木建設工事)が中心だったのに対し、近年は地域づくりの担い手である住民の意見が、地域の将来計画づくりから、その実行に至るまで反映されるようになってきた。地域の物産や歴史的財産、観光資源などを活性化に活かすためのソフト面まで含まれる。

主体が行政から住民へと移ることは時代の流れだが、様々な立場の住民の意見や要望を、誰がどのように集め、それをいかに調整しながら具体化していくのかという、難しい問題も同時に見えてきた。エリアデザイン・マネジメントは、まさにそのためにある。

「住民みんなが納得できる計画がまとまるように、専門家の立場からサポートやアドバイス、提案を行っていきます。都市や地域が元気になるためにはどうすればいいのかを常に意識して研究に取り組んでいます」。

住民が参加して意見を出し合うワークショップは何度も実施。ここでの意見を集約し、具体的な計画やデザインを提案していく。

住民参加のワークショップで意見を収集

研究室としてどのような活動を行うのか。高知市で携わった事例を紹介してくれた。

高知土佐国道の沿道整備計画で、地震が起きた際に津波で浸水する恐れのある地域で、災害時には避難や救護に使えるようにすることが条件となっていた。この事業に、研究室はデザインコーディネーターとして参加し、その時点での計画案を提示した。2005〜06年度にかけて何度も住民参加のワークショップや自治会単位ごとの説明会を実施し、意見を集約しながら計画案を提案していった。ここで役立つのが冒頭で紹介したVRを使ったシミュレーションツールというわけだ。

「企画段階でイメージが具体的に見られるから、関わっているみなさんが共通の認識で話ができるし、どんどん修正も加えていける。なくてはならないツールです」。

当初は交差点の上に空中庭園をつくろうというアイデアも出たが、最終的にスロープ状のオープンスペースが完成した。

高知土佐国道の沿道整備計画

WIKIを使った情報共有の仕組みも構築

研究室のメンバーは、住民と一緒にディスカッションし、住民と一緒に現地の調査や活性化計画づくりなども行う。

大阪府池田市細河地区で進むまちづくり活動では、近郊に住む人々が何度も訪れたくなるような地域とするために、実現化のためのプログラムを検討。観光まちづくりのツールとして散策マップを計画し、マップに掲載する情報を足を使って収集し、編集・デザインまで行った。

また、地域住民の情報共有の新たな仕組みとして、WIKI(ネット上で複数の人間が共同で構築できるウェブサイト)を使ったウェブサイトもつくり、テスト運用を行っている。

大阪府池田市細河内区のまちおこしでは、地域住民の情報共有の新たな仕組みとして、WIKIを使ったウェブサイトも作成。

やがて必要となるマネジメント能力を養成

こうしたフィールドワークとリンクした研究活動を通じて加賀教授が学生に学んでほしいのは「プロジェクトをマネジメントしていく能力」だ。

ゼネコンやデベロッパー、設計事務所、コンサルティング会社といった企業、あるいは行政機関に就職した場合、やがてリーダーとなり、プロジェクトを任されるようになる。そのとき問われるのは、ヒト、カネ、モノのマネジメント能力だ。学生のうちにそれを身につけるのは無理だとしても、どんな要素が必要かを学び、チャンスが来たときに慌てないように備えることはできる。

「この研究室で学んだ人が日本や世界の各地でまちづくりに携わるようになれば、それを起爆剤に社会を変えていくこともできると思うんです」。まちづくりと人づくりが加賀教授のライフワークになっている。

 

加賀 有津子 教授 ビジネスエンジニアリング専攻

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