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応用自然科学科【精密科学・応用物理学専攻】「光の極限技術“ナノフォトニクス”の開発」
エレクトロニクスからフォトニクスへ「光」の科学で革命を起こす 応用自然科学科/精密科学・応用物理学専攻 河田 聡 教授

ケーブルから開放された世界へ

「これからはEV(電気自動車)の時代だ」とマスコミが取り上げている。それを見て「気に入らないね」と異議を唱えるのが河田聡教授だ。理由は単純明快。

「自動車は線路から開放されて自由を手に入れた。電気にするとまた鎖につながれてしまう」。EVは電池の残量を気にして、しょっちゅうコンセントにつながなければならない。「そろそろケーブルのない世界に変わろうよ」が河田教授の口癖。

電柱、電線のある風景に顔を背け、「電子オフィス」としてiPadを世界中に持ち歩き、クラウドコンピューティングで膨大な資料や論文、文献にアクセスする。ケーブルのない世界を実現するのは河田教授が専門とする「光=フォトン(光子)」だ。

携帯電話も無線LANも光。テレビのリモコンもトイレで水が自動で流れるのも光。X線からマイクロ波、近赤外光まで、全て光なのだ。

「Nature」「Nature Photonics」「Nature Materials」など、世界的な科学技術誌に、河田教授の記事や特集が何度も掲載されている。

フォトン(光子)は人と環境にやさしいエネルギー

フォトン(光子)はエレクトロン(電子)と対をなすもので、1個のエレクトロンが動けば1個のフォトンが生まれる。アンテナに電気を流せばフォトン(電波)が生まれ、アンテナにフォトンが当たれば電気が流れる。

ポイントは、エレクトロンは質量を持った荷電粒子だが、フォトンは質量のないエネルギーの塊だということ。大気中はもちろん、水中や生体内を自由に伝播する。

人と環境にやさしく、医療分野をはじめ、エネルギー、通信、IT、バイオなど、21世紀の科学と産業と社会を担うキーテクノロジーとして脚光を浴びている。すでにバイオセンサーやバイオチップの基盤技術となっており、痛みのない新しい治療法もフォトンが実現するだろう。

 

ナノ+フォトンで科学の常識が覆った

エレクトロニクスからフォトニクスへ、時代は確実に転換しようとしている。では、なぜ、それが今なのか。

それは、ナノテクノロジーと融合した「ナノフォトニクス」が誕生したからだ。フォトニクスとは、具体的にはフォトンと物質の相互作用のことを指す。その物質がナノ(100万分の1ミリメートル)スケールになると、これまで「あり得ない」と思われていた現象があらわれるのだ。事実、河田教授は科学の常識を次々に覆してきた。

例えば、ナノの世界を光で覗けるのか。いくら顕微鏡で光を絞っても光の波長(500ナノメートル)より小さくすることはできない。誰もが不可能と思っていた。しかし河田教授は最先端のレーザー技術を駆使してまったく新しいフォトニクス技術を生みだし、光の波長の限界を超えた分解能でナノ構造物の観察をやって見せた。見るだけでなく、分子や原子を制御してナノ構造物をつくりだすことにも挑戦しており、その研究成果に世界中が注目する。

河田教授が最新のフォトニクス技術で造形した世界最小の「ミクロの牛」は、ギネスブックのサイエンス&テクノロジーの章に掲載。米国の中学校の教科書にも登場している。

新しいサイエンスを生み出したい

光=フォトンでナノを操ることが可能になると、これほど役立つ科学はない。DNAを化学処理することなくカラーでその像を見ることができるし、細胞などあらゆるものが分子レベルで見られる。難病の治療が可能になるかもしれないし、カーボンナノチューブのような新しい材料もつくりだせる。宇宙につながる軌道エレベーターも夢ではない。あらゆる分野に革命をもたらす技術がフォトニクスなのだ。

このフォトニクス技術を飛躍させようと、昔から光科学のメッカである大阪大学では、フォトニクス先端総合研究センターを設置。河田教授がセンター長に就任し、これまでの学問体系にとらわれない未来の学問を生みだそうとしている。

「光は永遠に不思議なもの。その力を我々はまだまだ使い切れていない」。フォトニクス研究は企業とも連携し、これから本格期に突入する。

フォトニクス先端総合研究センターでは、専用の新たな研究棟を建設。科学技術誌にはJapan's Optical Gem(日本の光の宝石)として紹介された

河田 聡 教授 応用自然科学科 精密科学・応用物理学専攻

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