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ビジネスエンジニアリング専攻「シミュレーションで新たなテクノロジーを創造」
複合材料工学、信頼性工学を探究しつつ 工学と経営学、2つの修士号が 取得可能 ビジネスエンジニアリング専攻 倉敷 哲生 准教授

「経営のわかる技術者」「技術のわかる経営者」を育成

自ら開発した新技術、新製品で起業する。新製品開発のプロジェクトリーダーとして、コンセプトメイクから技術のとりまとめまで行う。──いずれも技術者ならではのやりがいのある仕事だが、ビジネスの世界は甘くない。技術者として優秀なだけで成功するとは限らない。では何が必要なのか。1つの鍵は「経営」の知識とセンスだ。マーケティングから予算の獲得や利益予測、生産計画、さらに広報宣伝まで、モノづくり分野のリーダーや経営者であっても、自由経済社会で勝ち残るには、経営的な判断が求められる。

そこで、倉敷研究室に注目だ。ビジネスエンジニアリングという聞き慣れない専攻だが、要は「経営のわかる技術者」「技術のわかる経営者」を育てようという専攻。実際、工学と経営学(MBA)の2つの修士号を最短3年で取得できるプログラムが用意されており、専攻として既に7年間で75名(2013年3月時点)を輩出。日本の産業を支える主要ポストで活躍している。倉敷准教授は言う。「あくまでも軸足は工学で、経営学はそれを支えるプラスアルファ。めざすのはイノベーションを創りだせる人材の育成です」。

「教育があってこその研究。主役はあくまでも大学生」という阪大応援団出身の倉敷准教授。学生の自立した研究活動をサポートしている。「やれ」といってやるのではなく、「やります」といってやりきる人間を育成すべく、学生の自主性を尊重した研究室運営を行っている。研究室のユニフォームを作るなど明るいチームワーク。日頃からコミュニケーションがいいから、ディスカッションも活発だ。

水素燃料自動車の水素タンクの強度をシミュレーション

イノベーションとは社会に変革をもたらす新たな価値の創造。既定路線の延長ではなく、様々な分野が混在する多様性が必要だ。倉敷研究室のキーワードは、まさしく連携と融合であり、異分野連携により新たなテクノロジーを生みだそうとしている。全体を貫く研究テーマは「複合材料工学と信頼性工学に基づくシミュレーション・評価技術の創成」だ。

一例を挙げよう。温室効果ガス抑制の切り札として期待されている水素燃料自動車。CO2を排出しないため、その普及が国家戦略として進められている。実用化を阻む課題の1つが水素を貯蔵するタンクにある。

水素燃料自動車用の水素タンク(試作品)を実用化するため、繊維メーカーと共同開発を進めている。リスクベース工学、数値シミュレーション、マルチスケール解析技術など用いることで、荷重・強度のバラツキから製品の寿命や性能評価を行っている。

水素タンクは、CFRP製(炭素繊維強化プラスチック)で、軽さと強度、剛性を兼ね備える新素材。航続距離を伸ばすにはより多くの水素を充填しなければならず、高次の耐圧性と安全性が求められるが、どのサイズの炭素繊維をどの方向に何層巻くのか、また繊維と樹脂の割合によっても特性が大きく変わる。しかし、その組み合わせは無限にあり、試作と実験を繰り返すのは非現実的だ。そこでシミュレーションが大いに役立つわけだが、実は倉敷研究室では、繊維メーカーや他大学と連携して、その解析を担っている。解析のためのプログラミングから手掛け、シミュレーション結果は、ダイレクトに企業の開発の現場にフィードバックされる。

異分野連携をキーワードに産学連携による共同研究を推進

倉敷研究室では、水素タンク以外にも多くの研究テーマが同時進行しており、医工学、エネルギー・環境、エレクトロニクス、防災・リスクなど多岐に渡る分野のモノづくりに深く関わっている。それらの全てが企業や公的機関との産学連携、あるいは他専攻や他研究科との学学連携による共同研究だ。というのも、工学と経営学を一体のものとして活用するには、実践や経験を通した実学が不可欠であり、新たなテクノロジーの創造には、学んだ知識を“知恵”や“アイデア”としてアウトプットする能力が何より求められるからだ。

工学の本来持つ使命に従い、社会的な意義の大きいテーマが多く選ばれているのも特徴だろう。医工学の分野では、人工股関節の開発に取り組んでいる。高齢化に伴って骨粗鬆症患者が増加する中、患者の骨症状に応じて骨格形状にジャストフィットするオーダーメイド人工関節を目指しており、画像処理による骨部の数値解析用モデルの作成や人工関節の形状設計および強度・剛性評価を行っている。防災・リスクの分野では、我が国の工業を支える化学プラントでの災害を想定し、周辺に与える熱影響の範囲をシミュレーションするモデルを作成。環境分野では、リサイクルの進まない衣料品を複合材料の原料と捉え、木質代替材の開発を進めている。工学と経済学の合体、異分野連携、産学共同開発など、次代を担う技術者を育成するにふさわしい環境を整える倉敷研究室。社会との距離感が非常に近く、学んだことを社会に還元したいという志を持つ人に最適の学びの場だ。

倉敷研究室では、土曜日に集まって研究会を実施。研究テーマの異なるメンバーたちが自主的にディスカッションすることで知見が深まる。  a. 衣料品・寝具等のリサイクルを推進するため、繊維と樹脂を複合した用いた木質代替材を開発。
b. CFRPなど複合材料を用いることで、患者一人一人に合わせたオーダーメイドの人工関節を開発。
c. 風力発電用ブレードの設計にも倉敷研究室の高度なシミュレーション技術が活かされている。

倉敷 哲生 准教授 ビジネスエンジニアリング専攻

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