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環境・エネルギー工学専攻「生物の力を利用して環境・資源・エネルギー問題を解決」
微生物や植物など生物・生態系の力を借りて 低炭素社会、循環型社会の実現をめざす 環境・エネルギー工学専攻 惣田  訓 准教授

水処理にも低炭素社会にふさわしい方法が求められている

美しく、清潔な国、ニッポン。それを支えているのは充実した下水道インフラだ。戦後、高度経済成長と共に普及が進み、下水処理施設も拡充された。しかし、ここにきて課題も見えてきた。従来の下水処理は、水をきれいにすることに主眼が置かれ、エネルギー消費の程度にはあまり目が向けられなかった。電気でオゾンをつくって有機物を強制的に分解したり、大量の空気を水の中に引き込み、微生物で強制的に分解するなどして下水処理を行ってきた。当然、電気を大量に使うことで温室効果ガスは増え、下水処理工程においても二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスを出すことになる。我々がめざす「低炭素社会」にふさわしいインフラというには、いささか古い概念の施設になってきたわけだ。

日本はもとより、東南アジア全体の環境・資源・エネルギー問題にまで視野を広げ、その解決のための研究に取り組む。社会的な意義が大きく研究室メンバーのモチベーションは高い。

日本はアジアの環境保全に責任がある

池研究室の惣田准教授がメインとする研究テーマは「低炭素社会に向けた静脈系都市インフラ(下水道分野)の評価指標とそのイノベーション技術」。惣田准教授を中心に「バイオ・エナジー・プロジェクト」が編成され、水処理の分野でも省エネ、創エネを達成すべく、いくつかの研究が進められている。特筆すべきは、これは国内に限定した問題ではなく、地球規模の視野を持った研究だということだ。惣田准教授が説明してくれる。「日本は自国だけでなく、新興国の環境にも責任を持つ立場にあります。1つの取り組みとして、東南アジアの廃棄物処分場の浸出水の処理状況を調べています。ベトナムやインドネシアを学部生や院生と一緒に訪れましたが、紙ゴミも生ゴミもプラスチックゴミも、全てが混ざって直接埋め立てられる処分場に立った学生たちは、その現状に強いショックを受けると同時に、研究への意欲を新たにしていました」。雨季には大量の有害物質を含んだ浸出水が発生し、処分場周辺に水質汚濁を生じることもあるという。「東南アジアの新興国は、日本とは状況が異なり、もっとシンプルで持続可能な処理技術が必要です」。

成育することで水質を改善する植物は複数あるが、その選定には、環境との適合性やコストも大きな要因となる。また、植物の根に共生する微生物の働きにも着目して研究が進められている。

水質浄化と温暖化ガス排出抑制とエネルギー回収が同時に可能

日本のように高度な水処理は難しい反面、メリットもあるという。「幸いなことに、東南アジアは1年を通して気候が温暖で、そのため微生物の力に頼るのではなく、植物の力を利用した水処理が実現する可能性が高いと思います」。日本でも人工湿地の実験が各地で行われ、一部では実用化もされているが、これを各国の実情に合わせ、下水道や浸出水の水質浄化システムに取り入れようという構想だ。「ヨシとかガマなどの水生植物を湿地に植栽し、日光の力で植物が育ったときに水もきれいになるというのが理想」という。植物も珍しいものではなく、その土地で馴染みのあるものを見直し、環境に適合させる。この方法では、消費するエネルギーも非常に少量で済む上に、さらに新たなエネルギーの回収も狙える。「石油の代替燃料であるバイオエタノールを、湿地で育った植物を刈り取れば生産できるのです」。

上は、従来の標準活性汚泥法による水質処理ライン。下は、標準活性汚泥法と人口湿地の組み合わせによる水質処理ラインの提案。消費エネルギーを1/2にでき、さらに湿地の植物からエタノールが生産できる。

持続的に水質浄化ができて、温暖化ガスの排出抑制とエネルギー回収もできる。まさに一石三鳥のシステム。10年後、20年後の実用化をめざして、研究が進めらている。

「メタル・バイオテクノロジー」など新分野も開拓

池研究室は、「生物圏環境工学領域」を専門とする研究室。生物の力を利用した環境保全・修復および資源・エネルギーの持続的利用技術の開発を進めている。人間が関与して乱してしまった環境・資源・エネルギーの問題を自然=生物・生態系の力を借りて解決しようとする学問だ。生物を技術の中心に取り入れているところが工学部の中では異色だが、環境問題に関心の高い学生が、生物学の知識も高めながら、モチベーションをもって参加している。排水に溶けたレアメタルを微生物で回収して再利用を可能にする「メタル・バイオテクノロジー」という分野を切り開くなど、環境技術の先端を走るだけに注目度は抜群。国際貢献をめざす人にもオススメの研究室だ。

生物圏環境工学領域の池研究室には、環境問題に関心の高い人が集まっている。極めて多様な技術の開発に取り組んでおり、外国からの訪問者は「環境技術のスーパーマーケット」と紹介される。

惣田 訓 准教授 環境・エネルギー工学専攻

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