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応用化学専攻「ケミカルとバイオの融合で高分子新素材を開発」
植物を原料とするバイオマスプラスチックで 脱石油とカーボンニュートラルに貢献する 応用化学専攻 宇山 浩 教授

石油が枯渇すればプラスチック製品も消滅

「キミたちの孫の世代になったら、さすがに石油も底をつく。化石燃料に代わる自然エネルギーが話題になっているけれど、石油はプラスチック製品の原料でもあるんです。太陽電池がいくら普及してもプラスチックはつくれません。プラスチックがなくなったら社会はどうなると思う?」。学生達にそう問いかけるのは高分子化学を専門とする宇山浩教授。〈バイオマスプラスチック〉をつくりだす技術を長年研究している。バイオマスとは再生可能な生物由来の有機性資源のことであり、代表的なバイオマスプラスチックに、トウモロコシなどに含まれるデンプンを主原料とするポリ乳酸がある。自然界では光合成により大気中の二酸化炭素が植物中に炭素資源として固定化されているため、プラスチックをバイオマスから作れれば、単に石油の代替が可能になるというだけでなく、二酸化炭素を増加させない“カーボンニュートラル”にも貢献できると注目されている。

将来、役に立ちそうだけれど、企業は手を出しにくい、そんなシーズを探し、実用化まで見据えて研究テーマを設定。 原料探索から産学連携での製品化まで手掛ける宇山研究室には、高分子材料を“つくる装置”からプラスチックを“測る装置”までが並ぶ。

「ただし、地球上には飢餓に苦しんでいる人達が大勢います。バイオマスを原料にする場合、食べ物と競合してはいけません。それでいて、大量のプラスチックを生産できるだけのバイオマスが確保できなければならないのです」。軽量で頑丈でしなやかで、耐久性も耐候性もあるというプラスチックの特性も達成しなければならない。低コストであることもバイオマスプラスチック開発の条件だ。

新しいプラスチックのヒントが植物にある

バイオマスは理想の原料。しかし、いくつもの高い壁を前に企業は研究開発に二の足を踏んでいる。「将来、役に立ちそうだけれど企業は手が出せない、そういうシーズを探し、失敗を恐れずにチャレンジしていくのが大学であり、誰もやっていないからこそ面白いんですよ」。しかし、研究室にとじこもってフラスコを振るだけでは壁は突破できない。化学合成そのものの研究はもちろんのこと、良いプラスチック原料となるバイオマスを見つけることもブレークスルーの大きな鍵になるからだ。

だから、宇山教授は視野を広げ、異分野との連携にも積極的に取り組んでいる。「これからのケミカルは、バイオとの連携・融合がますます重要になるでしょう。植物を工学的な視点から単なる材料と捉えていては発展はありません。いわゆる亀の甲ががどうなっているかという一次構造はもとより、その植物が自然界で獲得した生存のための二次構造、三次構造まである程度知らないと、材料としての使い方まで研究できません。ある植物の葉の構造を上手に抜き出せば、いいプラスチックになるかもしれないんです」。

「自動車業界であろうが電機業界であろうが、何かを改良しようと思ったら、最終的な答は化学にある」。それが化学の魅力。

10年後、20年後の社会に残せるものをつくりだす

まだ構想段階だが、こんな壮大なプランも控えている。「中国の内陸部などには砂漠一歩手前の地域があります。そこに、ある植物を植えて砂漠化を防止しようという計画です。ここまでならよくある緑化事業なのですが、私たちがお手伝いできるのはその先。その植物から油脂を採取し、バイオマスプラスチックを製造するところまで地場産業として確立させようというものです。植物を栽培してくれる現地の人たちに経済的なメリットをもたらし、事業を永続させることが重要です」。ユニークなのは、この話を持ち込んてきたのが工学とは縁遠いと思われる社会学の先生だったこと。“環境”をキーワードにあらゆる分野が融合し、その中で高分子化学の果たす役割も高まっている。

経済成長と環境保全を両立する技術イノベーション。そのひとつがバイオマスプラスチックの開発だ。

バイオマスの原料の探索が上流だとすると、下流にあたる製品化のための技術開発にも宇山研究室では取り組んでいる。「私は大学を卒業して一度企業の研究所に就職しました。それは一般の人にもわかる最終製品をつくりたかったから。だから高分子新材料を研究する今も、それがどういう形の製品になって世の中でどう使われるかを常に意識しています」。そのため宇山研究室にはプラスチックの材料を“つくる装置”だけでなく、プラスチックをつくってその特性を“測る装置”も並んでいる。「10年後、20年後の社会に残せるものをつくりたいんです」。産学連携の共同研究を進めている企業とのミーティングも頻回で、外からの風に刺激を受けることも多いのも宇山研究室ならではだ。

宇山 浩 教授 応用化学専攻

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