私たちの身のまわりには太陽や蛍光灯、発光ダイオードなど、いろいろな光があふれていますよね。光ファイバーなど情報伝達手段としても光が利用されています。でも、これらの光とは異なる光があります。夏の夜、神秘的な青白い光を点滅させながら飛び回っているホタルの光です。今日はみなさんに化学反応でそのホタルの光をつくってもらいます。

実はホタル以外にも「生物発光」と呼ばれる光を発する発光生物が、世の中には数多く存在しています。北陸の名物のホタルイカは夜の界面を青白く光らせます。ウミホタルは食べられそうになると光を放って敵をひるませ、その隙に逃亡します。他にもオワンクラゲなどの発光クラゲや発光ミミズなんかがいますよね。

「化学発光」と言うと難しそうですが、コンサートで使うペンライトや夏祭りの夜店で売っている緑に光るリングなどは化学発光を利用しているんですよ。生物の場合はルシフェリンという化合物が、ルシフェラーゼという発光酵素の助けを得て、酸素と反応することによって光ります。この現象を難しい言葉で「励起」と言います。今日は化学薬品を用いてホタルの光を再現します。

A、B、Cの3つの溶液をつくってもらいます。まずAの溶液は、三角フラスコにシュウ酸ビス-2,4,6-トリクロロフェニル5mgと色素5mgをとり、フタル酸ジメチル10mlを加えて溶解します。色素は6種類用意しているので各自好きなものを選んでください。何色に光るかは後のお楽しみ。光らないものを選んだ人はハズレです(笑)。

これは電子天びんで、重さを精密に量れます。粉状の薬品を量るときはこの薬包紙を使います。薬品が混ざるといけないので薬包紙は1回ごとに使い捨てにしてください。薬品の瓶に他の薬品が混ざらないように薬さじも1回ごとにきれいにふき取ってくださいね。保護メガネと手袋は化学実験には必須です。

では次にBの溶液をつくってもらいます。30%過酸化水素水2mlを三角フラスコに入れます。でも過酸化水素水は危険なので気をつけてください。保護メガネと手袋は絶対はずさないこと。これにフタル酸ジメチル16mlとtert-ブタノール4mlを加えて混ぜます。

メスシリンダーの目盛りの読み方やパスツールピペットの正しい使い方もこの機会に覚えて帰ってください。メスシリンダーでは目線は目盛りの真横。溶液の表面が表面張力で弓状になっている一番下の部分を目盛りに合わせます。パスツールピペットは上のゴム球を親指と人差し指で挟むようにして持ってください。ほら、化学者っぽくてカッコイイでしょ(笑)。

Cの溶液は、Bの溶液の半分を三角フラスコに取り、サリチル酸ナトリウム3mgを加えて溶かします。そうしたら、パスツールピペットでAの溶液を2本の試験管に入れてください。これで化学発光の準備ができましたね。試験管を2本用意してもらったのは、化合物の種類によって化学発光が異なることを観察するためです。

では、いきますよ。片方の試験管にBの溶液を入れてよく振ってください。電気を消しますよ。光っているのがわかりますか。じゃあ電気をつけますから、もう一方の試験管にCの溶液を入れてください。電気を消します。最初の化学発光とは光の強さが違うのがわかりますか。光らなくて残念がっている人がいますが、実はそれも人の目にはわからないだけで光っているんですよ。

では、もうひとつの実験をしてみましょう。今度はルミノール発光です。ドラマなんかの事件現場で犯人が拭きとった血痕をルミノールで見つけているのを見たことがあるでしょう。みなさんもFBIの科学捜査班になったつもりで実験してください(笑)。さすがに血液はないので、代わりの化学薬品を使います。……2つの溶液ができたら順番に試験管に入れてください。電気を消しますよ。さあ、どうですか。