あの大きな橋はどうやって作っているんだろう?
地震や洪水が起きたら住んでいるまちや私たちはだいじょうぶなのかな?
もしかするとあまり気づかないかもしれないけど、
生活の中でとても大切な役割を担っている社会基盤工学の研究について聞いてきました!

社会基盤工学、すなわち土木工学は、とにかく幅広く、そして大きなものを扱う学問。橋、トンネル、ダムなど生活に欠かせない巨大な構造物の建設や維持管理、山・川・海などの保全や災害対策など、人の暮らしに近い工学で、間違いなく人の役に立つ学問です。バリアフリー、都市計画、生態系調査など、福祉や経済、生物学に関わることも工学的視点で学んでいきます。専門知識だけではなく、今、社会で何が起こっているのか、何が求められているのかを常日頃から意識する必要があり、実際にフィールドワークや現地見学の機会を通して、まちや現場で求められることを肌で実感することが可能です。将来、まちの中で本当に必要なもの作りや計画を実現していくための知識や技術を習得します。

橋梁をはじめとした土木構造物について研究する構造分野。主に橋や道路、線路を設計するために必要な知識を身につけ構造物を造るスペシャリストや、老朽化した土木構造物を計測・分析し現在の状態からどのような対策が必要なのかを診断する土木のお医者さんとなることを目指します。

料理や入浴などの生活シーンはもちろん、海や川で遊ぶといったレジャーなど、私たちは日々水の恩恵を受けています。しかし、時には津波や洪水などの災害で生活が脅かされることも。水工学は、水を知り、水を操り、そして水をどのように利用していくかを研究する学問です。流体力学がベースとなり川のために応用した水理学や、海岸工学や河川工学、水環境工学などの応用科目についても学びます。

地震や大雨など自然災害の多い日本で、とても重要なのが地盤。地震や津波に強い盛土などを支える地盤を造り、しっかりと維持・管理する、安全・安心な社会基盤づくりが求められています。土や地盤の粘り強さと、それを活かした構造物に関する調査・研究、技術開発を担うのが地盤分野です。

都市や交通を計画する研究を、より実践的に。例えば高齢化の進む郊外住宅団地での路線バスで足腰の悪い高齢者の乗り降りを手助けし、コミュニケーションをとることで、実際に街に生きる人の声に耳を傾けることができます。街の声を正確にとらえ、専門的な知識をもとにした問題解決法を提案する能力が、このような計画には必要とされます。

土木技術は石造遺跡の修復保存に必要不可欠です。1985年に世界遺産に登録されたトルコのカッパドキア岩窟教会群もその一つです。2014年より、トルコ政府と日本国内や海外の研究機関、そして研究室が協力して保存修復プロジェクトがスタートしました。雨や雪の影響により進行する岩窟の風化・劣化を食い止めるために、地盤工学的観点から対策を提案していきます。

人々の生活に必要な大型構造物を造るための工学を研究する「地球総合工学科」。1年次は、一般教養を中心に物理や数学といった社会基盤工学に必要な基礎的な知識と、「地球総合工学概論」という講義で「社会基盤工学」「船舶海洋工学」「建築工学」などの専門領域の基礎概念を学びます。2年次からは、自分が興味のある学科目を選択。社会基盤工学科目では、「構造分野」「水工分野」「地盤分野」「計画分野」の専門的な知識や技術を習得します。4年次からは研究室に配属。各研究室で、それぞれ研究テーマを決めてより深い知識や高い技術を習得し、成果を発表します。その後、卒業生のほとんどは大学院へ進学。各専門分野でより深く研究を進めるとともに、社会に出て役立つ幅広い知識を身に付けていきます。

学部卒業生の8割以上は大学院へ進学。博士前期課程修了後、知識や技術を活かせるフィールドへ活躍の場が広がります。中でも多いのは、公務員。国家プロジェクトなどビッグスケールな仕事を行う国家公務員から、地域をよくするために働く地方公務員までさまざまです。その他に、社会基盤工学科目で培った設計力や計画立案能力、調査技術を活用できる企業への就職も。高速道路や鉄道の建設や整備などに携わる高速道路・鉄道会社や、土木構造物を建設するゼネコンをはじめ、大学や大学院で習得した知識や技術を存分に活かせる進路を選んでいます。

大阪大学 社会基盤工学科目 大阪大学 大学院工学研究科 地球総合工学科/専攻