暮らしを便利で快適にしてくれるシステム、安全と安心を提供してくれるシステム、ビジネスを効率的でスピーディーにしてくれるシステム、新しい価値を生みだすシステムなど、世の中は「システム」が変えてきたんだね。そんな役立つシステム、使えるシステムを生みだすための工学は「情報システム工学コース」で学べるよ。

情報システム工学とは、プログラミングやソフトウエア開発といった単一分野の技術のことではありません。通信、ネットワーク、エレクトロニクス、ハードウエア、ソフトウエア、センサーなど多様な要素技術を目的に合わせて集積・融合し、ひとつのシステムを構築する工学です。ここでいうシステムとは何か。それは"動くモノ"であり、動くモノに全体を"仕上げる"ことこそが情報システム工学のキモなのです。

だから【情報システム工学コース】では通信の基礎である物理から電気・電子、化学、情報などを幅広く学びつつ、それらを構成・統合する技術や手法も身につけていきます。実際、情報システム工学コースに関連する研究室が扱っているものも全て"動くモノ"であり、何らかの目的を達成する、これまでにないシステムばかり。まさに未来技術を創り出すための工学を学ぶことができます。

電子情報工学科は、家電からコンピュータ、携帯電話、インターネット、交通や医療などの産業システム、さらにはロボットまで、電気・電子をベースとする情報通信技術を体系的かつ網羅的に学び、その中で自分の得意とする専門分野を深く追求できる学科です。
1年次で、専門科目を理解するための基礎的な数学、物理、化学を学んだ後、2年次から「情報通信工学科目」に所属(分属)。フォトニック通信、ワイヤレス通信、マルチメディア情報ネットワーク技術といった通信系の工学を学ぶ一方、目的を持ったシステムをまとめ上げるための情報システム構成学やインテリジェントネットワーキング、人間情報工学などを幅広く学びます。
3年次のコース分けで「通信工学コース」「情報システム工学コース」に分かれます。「情報システム工学コース」は"情報システム"に軸足を置いたカリキュラムで専門性を高め、4年次になると所属するコースに関連する研究室で卒業研究を行います。
学部卒業後、現状では90%以上の学生が大学院に進んで研究を続けています。

"動くモノづくり"あるいは"動いてナンボのモノづくり"が情報システム工学の真骨頂。モノづくりのモチベーションは社会や暮らしをいかにいい方向に変えられるかにあります。例えば製鉄の工場も自動車の工場も全体としてみればひとつのシステムであり、動くモノです。

快適で働きやすいオフィスもシステムであり、どのような情報の集積からどのような情報を取り出して分析・加工するかというビッグデータもシステムのひとつ。
携帯電話は、単独で見ても様々な要素技術が集積したシステムだし、無線ネットワークというシステムでもあります。従って情報システム工学コースで学び研究した卒業生の進路は、日本を代表する製造業をはじめ実に多種多様。逆にいえば、モノづくりあるところ全てが情報システム工学を活かせるステージであり、いつの時代にも大きなニーズがあるのです。


今、行っているのは、センサやアクチュエータを活用した、実世界における「スマートショッピング」の応用実験だ。この部屋を店舗と想定。顧客がどの店舗・フロアに訪問したかを Beacon を使って記録することで、多くの顧客の行動履歴を集めて分析し、そこから推薦技術によって顧客が好むであろう場所をオススメするわけだが、人が声をかけて直接説明するのではなく、〈照明〉〈アロマ〉〈BGM〉などを制御することで顧客が好むような空間を演出することで、

自然な行動を促そうという研究の一環だ。
鬼塚研究室では、社会を変えるといわれる「ビッグデータ革命」を牽引するためのIT技術の研究を行っている。店舗での顧客の行動も大量に集まればビッグデータ。処理分析することで知識やルールを発見し、マーケティングなどに活用できるというわけだ。これは、ビッグデータの処理技術や分析方法、可視化技術の研究を進める一方で、その適用をも探る研究の一例。他にも認知症患者のケアの負担を軽くできないかといった研究にも取り組んでいる。


画像や音声を伝えるメディアは、現代社会のコミュニケーションに必要不可欠な存在となった。スマートフォンで動画や音楽、ビデオチャットを楽しむことはもはや日常の光景だ。ただし、画像や音声の情報は膨大で、目的に即して自在に利用できるようにするには大規模複雑な処理を効率的に行う必要がある。近未来の実現をめざして研究開発が進められている「自動運転」においても、「画像処理」の高度化がキーテクノロジーのひとつになっている。

画像から道路や周囲の交通状況、歩行者、障害物などを適切かつ瞬時に抽出する手法を確立しなくてはならない。そうした画像処理は、ハードウェアだけでも、ソフトウェアだけでも実現は困難で、両者を統合した「システム」でこそ到達できる世界。尾上研究室では、そのシステムが確実に"動く"ように大規模集積回路(LSI)に実装するまでを視野に入れ、様々な画像・音響・音声などのメディア処理方法を研究している。今、ここで評価している集積回路も、そんなメディア処理「システム」の1つなんだ。


前田研究室の研究テーマはサイバネティクスの父・N.Wienerの「人間機械論」の考え方を基本として、ヒトを科学的に解析して工学的に活用することにある。そのために心理物理的・生体情報的なヒトの計測、計算論的なヒューマンモデルを活用してバーチャルリアリティに代表される「感覚─運動インタフェース」の研究に取り組んでいるんだ。特に"錯覚"を利用した感覚─運動インタフェースを用いてウェアラブルな行動支援技術としての『パラサイトヒューマン』を提唱・開発。

錯覚現象を視覚や聴覚以外の五感にも広げて利用することで、人の行動を物理的に妨げることなく誘導し、言語やシンボルなどの意識的な解釈を介さない直感的な行動支援の実現や、人の意図を直感的な身体応答から推定する技術を活用したヒトの能力拡張インタフェースの実現をめざしている。今日、体験してもらった「内視鏡手術のトレーニング装置」もその適用例の1つ。ヒトを機械とみなしてその仕組みを解き明かすことで、人や社会に役立つ技術を創出することができるのだ。


例えば未来のオリンピック中継。1つの競技、1つの試合を100台のカメラで撮影し、視聴者が好きな映像を選んで楽しめるようになるかもしれない。マルチビュー伝送という技術だ。しかし考えてみてほしい。100の映像を送っても見るのは1つ。99の映像は無駄になり、ユーザーみんなの共有財産であるネットワークに大きな負担をかける。実際問題として現在のネットワークでは不可能だ。そこで渡辺研究室の出番。

我々が追究するのは"究極"のネットワーク。コミュニケーションの場所や時間や目的や相手によって最適の環境や条件を整える「インテリジェントネットワーキング」を構築しようとしている。重要なのは、いかに光や無線によるデータ伝送を担う物理層と、目的ごとに用意されたアプリケーション層を賢く柔軟に結びつけるか。無線全二重通信やスーパーポジションコーディング、エラスティック光ネットワークなどの新技術で、ネットワーク全体として最大のパフォーマンスを引き出せる理想の仕組みを研究している。今ここで行っているのはその実機実装試験の1例だ。

大阪大学 工学部 電子情報工学科 大阪大学工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目 情報システム工学コース