有機化合物って、分かりますか? いまみんなが着ているシャツやズボン、薬品、液晶テレビや携帯電話の画面もぜんぶ、有機化合物でできています。人間も有機生命体で、有機とは生物という意味なんですね。有機化合物とは、要するに、炭素という元素と必ずかかわっているモノと覚えてください。この研究室では、世界にない新しい有機化合物のユニークな作り方を研究しています。

この黒くて少し不気味な長いグローブに手を入れ、腕全体を使って、いろんな実験をします。ボックスの中は真空か窒素のみ。というのも空気中の酸素は扱っている物質と反応しやすいからです。このように、化学の研究には多くの実験設備が必要で、なかにはびっくりするほど高価なものがあり、その点、本学部はとても恵まれています。研究室では、学生一人に一台の実験台が与えられており、それぞれが世界最先端の研究に励んでいます。

あれっ不思議! 紫外線を当てるだけで白い粉が、鮮やかに色づきました。これは「希土類発光体」といって、いま、さまざまな分野で利用され、なくてはならない重要な材料の一つです。この研究室では、この希土類蛍光体を、より明るくより鮮やかにする研究に取り組み、すでに3原色のうち赤色と緑色の新しい蛍光体の開発に成功。次世代のプラズマテレビのディスプレイや各種照明として、大きな期待を集めています。

彼女は、世界でいままで誰もやっていない実験をしています。思うようなデータを得られれば修士論文もOKです。世界初、というのは大げさでもなんでもありません。世界最先端のレベルといっても嘘じゃないんです。事実、業界で最も権威のある米国の化学雑誌に、本学部からの論文が掲載される率は、世界の有名大学と肩を並べているか、または上回るぐらいの実績を残しているからです。

宇宙にあるすべての物質は原子(大きさは約1億分の1cm)でできています。その原子が集まったのが分子(約1億分の数cm)です。この大きなタンクは、強い磁石の力で分子構造を原子レベルで観測できるNMR(核磁気共鳴装置)です。有機化学の研究には絶対に欠かせない大切なもので、複雑な有機化合物の分子を構成している原子同士のつながりを解明するときに利用しています。

本学は、研究施設・設備だけでなく学習環境にも大変に恵まれています。4年生になって研究室に配属されると、それまでの学生生活とはガラリと変わって、研究室で"暮らす"ようになります。なかには戸惑う学生もいますが、研究室では、学生一人に対してほぼ一人の先生が、研究の進め方や論文のまとめ方などについて、指導やアドバイスをしているのでまったく心配はいりません。

実験で、いい結果を手にできるのは、100回に1回あればいい方かもしれません。本学部のように素晴らしい研究施設・設備と、優秀な指導者がいても、やはり実験には時間と根気と粘りがいります。年間1000回以上の実験に取り組んでいるある大学院生は「いい結果が出れば、まわりのみんなに大声で言いふらします!それこそアドレナリンが一気に噴出する感じですね」

化学研究の面白さと醍醐味は何といっても"ものづくり"にあります。それまで世界に存在しなかったモノ=新しい化合物をつくり、社会に役立てることができます。つくりだせる可能性は無限といってよく、新しいアイデアと創意工夫と努力が実を結べば、ノーベル化学賞だって夢ではありません。いまの応用化学コースの研究室から、ひょっとして次の受賞者が名乗りでるかもしれません。

学生たちの書いた論文を見てみましょう。なんと英語です。すでに科学技術の世界では英語が共通語。論文発表も学会での議論もすべてEnglish ! しかし心配無用です。ふつうに受験勉強をして大阪大学に入ってまじめに勉強さえすれば、だれでも英語で論文は書けるようになれます。それに本学部の英語教育はとても充実しています。また国の制度で、毎年数十名の学生が海外の大学や研究所に3か月間、無料で留学していますよ。

化学の専門知識と技術は、あらゆる産業分野で役に立ちます。これはいくら強調しても足りないくらい! だから就職率はとてもいいんです。就職先もバラエティに富んでいて、大阪大学工学部応用化学コースから輩出した人材は、日本はもちろん世界中で活躍しています。僕もその仲間に入ろうと、いま一所懸命に研究しています。やる気とプライドのある後輩のみなさん、welcome!