写真に写っているのは半導体レーザ。DVDプレーヤなどに使われています。携帯電話やパソコンなど、私たちの身の回りにある機械には、いろんな半導体が必ず入っています。私たちが快適に毎日くらせているのは、半導体のおかげともいっても間違いではありません。電子工学コースでは、この半導体を応用して新しい使い方を考えるだけでなく、新しい半導体やその材料をつくる取り組みまで、さまざまな研究を行っています。

さまざまな機械が見えますね。これらはすべて半導体を作るための機械です。その多くは研究のために特注で組み立てられたもの。中には世界中を探しても、大阪大学にしかないような、非常に特別な機械もあります。また、半導体には、目に見えないような極小のものもあります。そのための材料は当然、さらに微細なもの。そして非常にデリケートです。それらを扱っている研究室には、クリーンルームと呼ばれる無菌・無塵の設備もあります。

半導体の中で起こっていることは、たとえ顕微鏡を使ったとしても、正確にはわかりにくいものです。そこで、やみくもにつくって失敗を繰り返さないために、材料や特性をしっかりと理解した上で、「実際に半導体をつくって動かしてみたら一体どんなことが起こるだろうか」とシミュレーションをしてみることも大切になります。当コースには、そんな半導体のシミュレーションのためのプログラムをつくっている研究室もあります。

テレビ、あるいは携帯電話や携帯ゲーム機の画面。そこには液晶が使われています。それを動かしているのも、半導体です。液晶をテーマにしている研究室では、より綺麗に映像を映すにはどうすればいいか、電気信号が伝わり映像が映るまでにかかる時間「応答速度」を向上させるにはどうすればいいか、といった研究をしています。この研究が実用化されれば、より綺麗な映像をいつでもどこでも楽しめるようになりますね。

「半導体の話をしていたのに、急に人の体がでてくるなんて」と驚いたでしょうか。電子機器の内部で半導体が電気信号をやり取りするように、私たちの体の内部でも、神経細胞や筋細胞が超集積回路並みの性能で電気信号をやり取りしています。これは腕の筋肉から発生する電気信号を測っている様子で、筋肉の動きに合わせて、その信号が変化します。生物の運動や感覚に伴う電気活動を詳しく調べることで、その機能を半導体などを使って人工的に再現することが将来可能になるのです。

パソコンに接続されているカメラ、一見普通のカメラに見えますが、これは生き物の網膜の神経回路を模倣して製作した特殊なカメラです。私たちの網膜は、輪郭を強調したり、動いている部分を強調したりして、私たちが生きていくうえで重要な情報を脳に送っています。このカメラも同様の働きをして、パソコンに情報を送っています。パソコンでは、網膜から脳に送られる情報がどんなものなのかを確認することができます。網膜から脳に送られる情報を知ることは、目が見えなくなった人の視覚を再建するためにも役立ちます。

「カーボンナノチューブ」と呼ばれる、極小の炭素でできた管を電子顕微鏡でのぞいているところです。画面に映っているこのチューブには、さらに小さな、ナノレベルの大きさの半導体がついています。カーボンナノチューブはガスを感知すると、電気信号をだす性質があります。その電気信号を半導体が読み取るのです。非常に小さな値でも読み取ることができるので、繊細なガス感知器や大気汚染の測定に応用することができます。

これは発光素子をつくる機械です。情報を光ファイバーなどでやり取りする従来のやり方は、近い将来、限界を迎えてしまうだろう、と考えられています。なぜなら、私たちが日々やり取りする情報量は常に増加の一途をたどり、またスピードもより速いものが求められているからです。そこで発光素子が活躍するのです。当コースでは、現在ある半導体の応用を考えるだけでなく、次の時代に必要とされる半導体を作る研究も行っています。

手のひらに乗っているのは、石。鉱物です。半導体には様々な鉱物が使われています。例えばケイ素からつくるシリコンや、ダイヤモンド、金などなど。どの鉱物を使えばより高い精度を誇る半導体が作れるのか、あるいは安くでつくれるのかといったことも研究しています。鉱物の純度を上げたり、圧縮したり、新しい化合物をつくったり、ということもします。そのためにたくさんの特殊な機材が、いつも研究室の中で稼働しています。

最後の写真は、2枚目の写真に似ていますが、こちらはまた別の役割を持った機械です。これは、メタンガスから人工ダイヤモンドを作る機械。電気的特性、熱伝導特性や放射線耐性などが優れており、高い機能性を実現できる資質があるものの、高品質化や大面積化が容易でないダイヤモンドについて、更なる高品質化やデバイス応用を目指して研究を行っています。このように半導体の素材から応用まで、幅広く研究しているのが電子工学コースです。その研究成果は、工学の枠を飛びだし、私たちの生活全般に役立つものとなることでしょう。