機械学習技術の発達により、写真のようなスタジオで集めた映像から「実際には行っていない動作をあたかも行っているかのような映像」が生成できるようになりつつあります。他にも、声や文字、表情など様々な面で「実物ではないのにそう見える」メディアが生成されると、面白い情報通信サービスが実現できる一方、社会的な脅威にもつながります。このようなメディアを生成したり実物と見分ける技術の確立も本コースの研究対象です。

情報と通信が発達して行く中で、物理空間と電脳空間の境界がますます曖昧になってきています。写真は360度カメラで撮影した遠隔地の映像を、ヘッドマウントディスプレイを介して閲覧している様子です。ユーザは時空間を超えてあたかも撮影したときの撮影場所にいるかのように感じます。ライブ鑑賞などのエンターテイメント用途の他にも、遠隔によるロボットや自動車の操作や遠隔医療など幅広い応用が期待されます。

これは光ファイバ通信の実験風景。いつでも、どこでも、誰とでも、インターネットを介して世界中の人たちと繋がることができる時代になりました。情報通信に光を使うことで、たくさんの情報を遠くまで送ることができるのです。「光を使えばもっと多くの情報を速く便利に送ることができるはず。何かおもしろいアイディアない?」、そんなことを言いながら実験しています。

グラフ分析とは、「AさんがBコンビニでCという商品を買った」・「PさんとQさんは友達関係である」などの関係性をグラフ構造として捉えることで、 商品の推薦・影響力のある人物の発見・トレンド分析といったことができる有益な技術です。これは有名人3000人をグラフ分析した結果を可視化したものであり、人の影響力を推定して点の大きさとして表現し、同じコミュニティに属すると推定された人を同じ色に割当てています。

クラウドやビッグデータといった言葉に代表されるように、情報ネットワークの成熟に伴い、情報ネットワークが担う情報伝送と伝送されたデータを加工する情報処理との融合が進んでいます。このような技術動向を踏まえた上で、平時、非常時を問わず、あらゆる状況下においてユーザに対して適切な情報通信サービスを提供できるロバスト(頑強)な情報ネットワーク・情報システムに関する研究を行なっています。

自動運転車や移動ロボットを実現するためには、周囲の状況を把握するための「目」が必要不可欠となります。この写真はディープラーニング技術を用いて車載カメラ画像中のどこに何があるかを認識する研究事例で、画像認識技術に関しても様々なアプローチで研究を行なっています。

セキュリティ技術はビッグデータ利活用を促進します。例えば、一人の患者が2つの病院に通院する時、互いの病院の他の患者情報を漏らすことなく、その患者の情報だけ共有できると、病気の相関関係がわかります。また、プライバシーを保護しながら大量の個人医療情報を解析することで患者のプライバシーを侵すことなく将来の医療に役立つ有益な知見が得られます。このような方法の1つのデモンストレーションの風景です。

情報で動いているのは機械だけではありません。人間の体も、脳からの情報が器官に伝わることで動いています。写真は、その情報を混乱させ、バランスを失わせる機械です。耳の後ろにつけた電極から弱い電気信号を送ると、平衡感覚に錯覚を起こせるのです。その錯覚を利用して、ラジコンのコントローラーで動く方向を操ることもできます。いたずらではなく、例えば危険回避のための誘導などに応用できる、将来有望な研究なんですよ。

長らく光のオン・オフで情報を伝達する極めてプリミティブな方式であった光ファイバ通信ですが、2010年以降、ようやく無線通信と同様に位相を用いた高度な方式が実現できるようになりました。写真は、その光送受信系です。部品を一つ一つ組み合わせたハンドメイドな構成は大学ならではですが、現状実用化されている100 Gbit/sシステムよりも高性能なものが実現できてしまうんですよ。

端末が送信するビーコン信号を複数の受信機が観測し、その端末の位置を特定するシステムの構築を行っております。無線信号が空間によって歪む様子を統計的に捉え、大規模信号検出のための機械学習により、高精度の位置推定を可能としています。ボタン電池駆動の低消費電力ビーコン送信機を所持する人、あるいは物体の行動パターンを把握するツールとして、システムの高度化を図っています。