まずは、可視光の吸収分光実験を見学してもらいましょう。可視光とは、人の目に見える光のこと。光の何色が物質にどれだけ吸収されるか(透過率)を、パソコンで表示する機械を使い確認してみます。いろいろな色の水溶液を機械に入れると、透過率のグラフは変化し、光が吸収されたことを示します。

実験には、ヘモグロビンを水に溶かした溶液を使い、ヘモグロビンが何色の光をよく吸収するかを実験します。その結果、最も吸収されやすい色領域は青紫色であることがわかります。吸収しやすい色とは反応しやすい色ということ。光の色とは専門的には"波長"を表しています。私たちの研究では、吸収しやすい色、すなわち反応しやすい波長のレーザー光を用いた、人の病変組織に作用させる"治療"について研究を行っています。例えば、赤い色のレーザーを特殊な薬剤に反応させてがん治療をするといった研究です。

レーザー治療機器の体験では、実際に医療の現場で使われている最新の機械を使って、レーザー光がどのように生体組織と反応するか、色(波長)によってどのような違いがあるのか、その原理を説明します。鶏肉や卵白を使って、実際にレーザー治療機器に触って、レーザー照射を体験してみましょう。卵白に照射した場合、たんぱく質に対してレーザーが反応する様子がはっきりと見られます。

次に、鶏肉にレーザー照射をしてみましょう。この実験では、レーザーの種類によって生体組織に対する影響が異なる様子が見られます。ひとつめの機械で照射したレーザーでは全体に強く反応し表面が焦げていますが、ふたつめの機械で照射したレーザー光は表面に強く反応します。このように、生体組織に対するレーザー光の影響の違いを、自分で実際に体験しながら確認することができます。

レーザー医療のための基礎研究として、新しいレーザー光源の研究開発を行っています。様々なレンズ、ミラー、光学結晶を使って、特殊な光(目に見えない波長)のレーザーをつくりだしています。このレーザー光を発するための結晶は非常に特殊な物で、ひとつで車が1台買えるほどの高価なものです。このレーザー光源は、世界で見ても数えるほどしかありません。

カトマンズ盆地の大気層を模型にした水槽実験では、汚染物質が溜まり易いエリアを解消するための研究を行っています。空気を水に置き換えて、地表面温度の変化を再現し、対流による混合状況をCCDカメラで撮影し、画像処理によりカトマンズ盆地の2次元の風速分布を経時的に求めることができます。実測値と実験値を照らし合わせ、大気汚染の構造を解明しています。こうした実験は、例えばクリーンルームや室内の気流解析にも応用でき、省エネ対策などに向けた研究もしています。

人間活動からの環境負荷が人々の生活環境および自然生態系に及ぼす影響を評価し、環境を保全・回復・創造するための環境共生技術を探求しています。実測値とシミュレーションの結果を照らし合わせ、モデルの精度向上を目指しています。こうした試みは未来の予測を可能とし、たとえば淀川水域の環境変化および環境保全の分析に活かされるなど、私たちにとって身近なテーマもたくさん研究しているんですよ。

2009年9月27日の国連気候変動サミットにおいて「日本はCO2排出量を2020年までに1990年度比25%にする」との首相表明がありましたが、当学科では、どんな対策を実施すれば、何年後、温室効果ガスが何%本当に減るのか?を明らかにする『都市エネルギー最終需要モデルを用いた温室効果ガス削減予測』の研究に取り組んでいます。低炭素社会実現に向けて、実社会に近いバーチャルモデルで予測する私たちのシミュレーションは、現在の日本で最も精密な予測ツールとして期待されています。

都市エネルギーシステム領域では、地球温暖化の緩和や節電に対する方策について研究に取り組んでいます。節電が叫ばれる今、まずは電気の供給について知識を深め、発電方法や電力消費まで幅広く理解するために、みなさんにはスライドショーで過去・現在・未来のエネルギーについて解説します。その次に、節電方法の身近な例としてLED電球への交換を取り上げて、特性や効果を紹介します。

LED電球、白熱電球、電球型蛍光灯を使って、点灯の仕方、消費電力、発熱量などを比較します。電球型蛍光灯とLED電球は、白熱電球に比べて消費電力が小さいため、発熱量も小さくなります。そのため、照明用の電力を減らす効果に加えて、室温の上昇を抑制することができるため、冷房用の電力を減らす効果も期待できます。このようにひとつの手段が複数の影響を生みだすため、さまざまな視点から考える必要があります。皆さんも環境・エネルギー工学科で21世紀社会にふさわしいエネルギーシステムの研究に触れてみませんか?