在学生・卒業生インタビュー

2024/01/29在学生

阪大工学部は幅広い分野からやりたいことを絞り込めるのが魅力

twitter facebook

「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、堂庭 共凱 さんにお話を伺いました。

地球総合工学科 建築工学科目 4年
鉄骨系構造学領域(桑原研究室)
堂庭 共凱 さん

1年間じっくり自分のやりたいことを考える時間を持てた

幅広い学びから分野を絞り込めていけたのが良かったと堂庭さん

受験当初は「親元を離れて一人暮らしをしてみたい!」「建築ってなんかかっこいい!」という理由で関東にある国立大学の工学部を目指していましたが、浪人したおかげで!?阪大を受験できるレベルまで学力アップしました(笑)。関西の方が地元の広島から近いということもありましたが、地球総合工学科にはさまざまな選択肢があって、幅広い分野の基礎的な学びを経てから、船舶海洋工学、社会基盤工学、建築工学のどの分野に進むかを絞り込めるところに魅力を感じました。阪大工学部に入学し、自分のやりたいことは本当に建築なのか、1年間じっくり考える時間を持てたのは良かったです。

製図室があったおかげで、コロナ禍も学生同士の活発な交流ができました

3年生の設計の授業で、堂庭さんが制作した模型

1年生で3つの分野の概論を学んだ結果、やっぱり建築を学びたいという結論に至り、建築工学科目を選びました。入学後すぐに新型コロナウイルス感染の影響で授業がすべてオンラインになり、同級生の友達もできないまま精神的にきつい時期がありましたが、2年生になると対面の授業が増え、設計の授業で製図室の利用が認められていたおかげで、下宿生はみんなそこに集まって作業をしていました。自分でデザインを考えて図面を引き、模型をつくるのに苦労しましたが、製図室で学生同士の活発な交流ができたことで、コロナ禍を乗り切れた気がします。2、3年生と建築に関するさまざまな専門知識を習得する中で、うめきた(大阪駅北地区)開発の工事現場を訪問し、建設中のビルを見学できたこともとても印象に残っています。

安全で快適な建築空間を構成する手法の開発に取り組んでいます

スケールの大きさを感じる実験棟

研究室には4年生から配属されますが、建築工学科目には、意匠設計、都市計画、室内環境、構造設計について学べる研究室など、7つの研究室があります。僕は構造力学に興味があったので、桑原研究室を選びました。桑原研究室では、建築構造物の中でも、主要な部材が鋼材でできている鋼構造物を主な対象として力学的な研究を行っています。コンピューターによる数値解析や実験などを行って、地震、台風、雪などの荷重に対して安全で快適な建築空間を構成する理論、手法の開発に取り組んでいます。

企業との共同研究で、ボルトの部品を見直し商品化を目指しています

高力ワンサイドボルトの部品を見直し、商品化を目指す堂庭さん

桑原研究室のメンバーは20名ほどで構造設計に興味をもった学生が集まり、日々研究に励んでいます。男子学生が多いイメージを持たれがちですが、同級生の男女比は半々くらいです。桑原先生はとても優しく、話しやすい雰囲気をつくっていただけるので、なんでも気軽に質問することができます。

研究室では、高い強度を持つ高力ボルト接合の研究グループとビルの免震・制震装置の研究グループに分かれています。僕は高力ボルト接合のグループで、片側からの施工が可能な高力ワンサイドボルトの部品、構成を見直し、建築用の手軽で安価なものがつくれないか検討しています。今年度から新しくはじまった企業との共同研究で、商品化を目指しています。ほかに、アムスラー型油圧式万能試験機を使って、高力ボルトを使った接合部を引っ張ったりして、すべり耐力や引張強度を測定して安全性の確認をしているメンバーもいます。

阪大工学部には優秀な学生が多いので、モチベーションにつながっています

バイト先のカフェで堂庭さんが描いたラテアート

桑原研究室では、自分のペースで研究を進めることができます。週に1回、オンラインで全体ミーティングがあり、各自の研究の進捗状況と次の1週間の計画を報告しています。実験棟で破壊実験などをすることもありますが、解析などはパソコンがあれば作業できるので、家でも作業できます。だけどみんなキャンパスで作業しています。僕もキャンパス内にある研究室に出てきて作業する方が集中できるので、大学にはほぼ毎日来ています。阪大工学部には優秀な学生が多いので日々刺激を受けて、モチベーションにつながっています。

桑原研究室におられた先輩方は、総合建設業者の構造設計や製鉄会社の技術開発に携わったり、電力会社、鉄道会社などに就職されています。将来については未定ですが、大きな建築物の構造に関わりたいなと考えていて、いずれは1級建築士の資格も取得したいと思っています。

学び以外のキャンパスライフについては、コロナの影響もあって部活に入りそびれたのが残念でしたが、2年生以降、学舎が吹田キャンパスに移ってからカフェでアルバイトを続けてきました。もともとコーヒーは好きだったので、ドリンク業務を担当し、コーヒーをつくっています。今ではラテアートも上手に描けるようになり、ちょっとした自慢になっています。

最近の記事