在学生・卒業生インタビュー

2024/01/29在学生

阪大工学部にいるからこそできる経験はたくさんある

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、高谷 真由 さんにお話を伺いました。

地球総合工学科卒業
地球総合工学専攻
船舶知能化領域(牧研究室)
博士前期課程1年 高谷 真由 さん

水槽見学ツアーに参加し、大きな衝撃を受けました

子供の頃から船は身近な存在で興味があったという高谷さん

阪大の吹田キャンパスの近くにある私立高校に通っていたので、阪大生を目にする機会も多く、自然と憧れがありました。数学と物理が得意だったので、阪大工学部のWebサイトを見てみたら「船舶海洋工学コース」という文字が目に入ってきました。

神戸に近い場所に住んでいた私にとって、子供の頃から船は身近な存在で、「どうしてあんなにたくさんの人を乗せても浮くんだろう」と不思議で仕方ありませんでした。船のことを学べるなんてめっちゃ面白そうだなと思ってオープンキャンパスの長さが100mもあり、波を造ることができる水槽の見学ツアーに参加し、そのスケールの大きさに衝撃を受けたのを覚えています。教授の先生から、阪大工学部の船舶海洋工学コースは国内でトップレベルの研究をしているという話を聞き、第一志望に決めました。

部活のメンバーに会えることで、つらい時期も乗り越えられた

射場でトレーニングをする部員との写真(左から1番目が高谷さん)

地球総合工学科では、最初の1年間は豊中キャンパスで一般教養と専門領域の基礎概念を学び、2年生から船舶海洋工学、社会基盤工学、建築工学の3つの学科目に分属されます。1年生の積分や力学などの授業が思った以上に難しくて苦労はしましたが、ほかの学科に比べると女子の人数が多かったのですぐに友達ができて良かったです。

2年生になり、いよいよ吹田キャンパスで専門的に学べると思った矢先に、新型コロナウイルス感染の影響ですべての授業がオンラインになりました。楽しみにしていた実験ができずショックでしたが、所属していたアーチェリー部は、非接触の屋外スポーツということで、早くに活動が再開されたので、部活のメンバーと会って話せることでつらい時期を乗り切ることができました。

3年生になってからは対面授業とオンライン授業を組み合わせたハイブリット型授業になり、リアルコミュニケーションの大切さを再認識するとともに、通学にかかっていた時間をほかの学びに充てるなど、オンラインのメリットも感じることができました。

船舶に関する世界共通の基準づくりに貢献しています

大きな波を造り、模型船がどれだけ揺れるかを測定する実験の様子(学外機関)

船舶海洋工学コースでは、船舶や海洋構造物の性能についての研究だけでなく、洋上風力発電や海洋生物と船舶の関係についての研究など、環境問題にも取り組んでいます。なかでも私が所属する牧研究室(船舶知能化領域)は、AIや最適制御理論を用いた自動運航船の研究や、船舶の転覆を防ぐ復原性についての研究を行い、国際連合の専門機関である国際海事機関での世界共通の基準づくりにも貢献しています。また、船舶からの水中放射雑音が海洋生物に与える影響についても研究しています。

研究室内には研究グループは3つあり、私が所属するグループは「パラメトリック横揺れ」について研究しています。ブランコを漕ぐ際、タイミングよく膝を曲げると揺れが大きく増します。それと同じように、船と波の間の条件によって揺れが大きくなるという特殊な横揺れについて、運動方程式を使って計算しています。計算結果と実験結果で差が出るため、その差をいかに縮めるかが課題です。

研究室は先輩も優しくとても居心地が良いです

牧研究室のメンバーとの集合写真(2列目の左から4番目が高谷さん)

研究室では、週に1回オンラインでそれぞれの研究の進捗状況を報告しています。普段は酒井先生にご指導いただいていますが、年齢が近く、お兄さん的な雰囲気でとても話しやすいです。研究室の先輩も優しくて、同じグループでは女子は私一人ですけど、特に気を遣うこともなくフラットな感じでいれるので、とても居心地が良いです。牧研究室では博士後期課程に進む学生も多いですが、卒業された先輩方は多方面で活躍されています。就職先の推薦枠もたくさんあると思いますが、将来についてはまだまだ考え中です。

英語力が鍛えられて、TOEICの点数が100点アップ!

国際学会での発表風景。質疑応答もすべて英語で行います

阪大工学部に入って一番良かったことは学びの環境がめっちゃ素晴らしいことです。千葉県の銚子にある実験場を訪問でき、巨大な水槽につくられる波が本物の海のようで感動しましたし、京都で行われた国際学会で研究発表もしました。阪大工学部にいるからこそできる経験はたくさんあると思います。

大学院(船舶海洋工学コース)では、授業は全て英語で行われるため、英語力もかなり鍛えられました。必死に英語を頑張った記憶はないですが、修士課程の前後では、TOEICの点数が100点ほどアップしました。

学び以外にも、アーチェリーの部活を通じて、経済学部、外国語学部、医学部保健学科、人間科学部といった他学部の友人がたくさんできて良かったです。入学前はガリ勉が多いのかなって思っていましたけど、高校時代から運動と勉強を両立して阪大に合格している学生も多くて、勉強ばかりしてきた私にはとても刺激になりました。色々な経験を持った学生と関われるのも良いところだと思います。

受験生の頃、模試では阪大工学部はC判定だったんですが、どうしても諦められず、思い切って受験したら合格できました。中高大の学校生活の中で今が一番楽しいし、あの時に受験して良かったなと思います。阪大工学部への熱い思いがあるなら、模試の判定だけに拘らず、自分を信じて思い切ってチャレンジするのはアリかなと思います。

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