在学生・卒業生インタビュー

2024/01/29OB・OG

阪大工学部に来れば、工学のエキスパートにもなれるし、 経営を学んで新しいことにもチャレンジできます

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学時代のお話や現在のお仕事についてなど、卒業生の南 愛 さんにお話を伺いました。

地球総合工学科卒業
ビジネスエンジニアリング専攻
都市再生マネジメント領域[加賀・松村研究室(現 加賀研究室)]
博士前期課程修了(2014年)

現 生駒市役所
都市整備部みどり公園課緑化景観係主任      
南 愛 さん

阪大工学部での学びと人脈が仕事に活きています

毎月、近隣の方と一緒に手入れや活用している「生駒台みんなの森」で、常連の参加者とのショット

生駒市役所で、まちの緑化と景観に関わる仕事をしています。生駒市は緑豊かな住宅都市として人気のまちです。今後もこの豊かな緑や景観を継続し次世代に引き継いでいこうと、まちづくりの方向をとりまとめた「生駒市緑の基本計画」や「生駒市景観形成基本計画」などに沿って様々な取り組みをしています。開発地をどのように緑化するかの指導や、里山づくりの活動支援、新しい建物のデザインを専門家と一緒に考えたりと、幅広い業務を通じて、他都市にも誇れる生駒らしい景観づくりや緑化の推進を目指しています。男社会だと感じることもまだまだありますが、現在の部署では5人いる土木職のうち私を含む3人が女性で、性別問わず活躍しやすい環境になってきつつあると思います。

まちに関わる仕事がしたいという思いは高校生の時からありました。そこに住んでいる方や訪れる方にとって、まちがより良い空間になっていく、そのプロセスに携われていることを嬉しく思っています。

実際に森の中に入って自分の手で木を伐り、参加される市民の方の声を聞くことで、自分ひとりでは思いつかないような企画が生まれたり、10年後にあるべきまちの姿をイメージしたり、現場で感じたことをもとに考えることの重要性は、大学で卒業論文や修士論文に取り組んだ経験が役立っています。

行政に身を置く現在も阪大工学部の先輩にお声がけいただいた研究会での活動は続けており、そのご縁で研究会の先生に市役所の仕事でお力添えいただいたり、共著で本を出版させていただいたりと、大学時代の学びや人脈が仕事に活きているなと感じています。

現地に何度も足を運びヒアリングし、現場主義の大切さを学ぶ

入学後しばらくは自分の進む道に悩んだ時期もあったと南さん

高校生の頃の私にとっては、まちづくりイコール建築がイメージしやすく、建築に関する高度な専門性を持つ有名大学というところで、阪大工学部に入学しました。周りに優秀な学生が多く、自分の進む道を悩んだこともありますが、広い分野について学べたことで、まちづくりには多様な職種が関わっているという気づきにつながり、大学院からはビジネスエンジニアリング専攻に移って、都市の再生やマネジメントについて学べる加賀・松村研究室(当時)に入りました。

修士論文では、空き店舗だらけだった地元商店街が復活したプロセスを解明するために、住宅地図を見比べて店舗の移り変わりを調べたり、再生の起爆剤となった創業支援施設の成立プロセスについて調べたりしました。何度も現地に足を運びヒアリングした結果、最終的には商店街の新年会に呼んでいただけるほどの仲になり、現場主義の大切さを学ぶきっかけとなりました。

ビジネスエンジニアリング専攻では、実社会で役立つスキルを養うことができる

ビジネスエンジニアリング専攻の卒業式の後の謝恩会の様子

ビジネスエンジニアリング専攻では、工学の専門性に加えてビジネスに対応できる勉強もできます。BE(ビジネスエンジニアリング)研究の授業では、商品企画やコスト、資源管理・マネジメント、住宅・都市再生や地域活性化などの分野から1テーマ4~5名のグループに分かれ、外部講師の指導を受けながら、1年かけてグループワークを行い発表します。

私は「万博公園を考える」というテーマを選んだのですが、具体的に何をするかでまずメンバーの意見が分かれました。グループ内で議論し、最終的には「万博公園建設に込められた思いをもっと多くの方に知ってもらいたい」という私の希望にメンバーが同意してくれ、万博公園の歴史をVRのアプリを使って現地で体感できる新サービスを提案し、ポスター賞をいただくことができました。万人共通の答えがない課題に対して学生主体で取り組み解決する、それぞれの得意分野を活かしながらも協力してひとつのものを仕上げるというのは大変な作業でしたが、実社会で役立つスキルを養うことができました。

電飾付きのお菓子の家を創作。工学部ならではのクリスマスパーティー

工学部の学生は手先が器用で、イチゴの切り方もビスケットにチョコレートを塗るのもめちゃ綺麗でしたと南さん

もちろん勉強ばかりしていたわけではありません。同期や後輩とはよく遊び、お花見や球技大会はもちろん、研究室で夜通しゲームをしたり、いちからラーメンをつくったりしたのも良い思い出です。忘れもしないのは博士前期課程1年のクリスマスの日。BE研究の発表会があり、終了後、打ち上げを兼ねたクリスマスパーティーをすることになりました。「みんなでお菓子の家をつくろう」ということになり、ビスケットを組み立てたり、サンタクロースをつくったり、なかには即興で赤と緑に光る電飾をつくる学生もいて、工学部ならではの楽しいパーティーになりました。

今後も仕事を通じて同窓生同士の化学反応を楽しみたい

研究がひと段落した夕方からのラーメンづくり。完成したのは明け方で、あまり美味しくありませんでしたが、それも含めて楽しかったと南さん。

ビジネスエンジニアリング専攻には主体的に人生の進路を選び取って行く学生が多かったと思います。卒業後は起業されている方も少なくありません。みんなすごいなと、尊敬や憧れの気持ちもありますが、行政の中にいるからこそできる仕事や、やりがい、面白さもあります。研究室の先輩で、学識やコンサルタント、研修の講師など、外部から市の仕事をサポートしていただいている方もいて、同じ視点で仕事ができたり、仕事の前後にご飯に行って近況を話したりできるのは嬉しい時間です。今後も仕事を通じて同窓生同士の化学反応を楽しみながら、自分らしく働いていけると嬉しいです。

阪大工学部に来れば、技術革新を支える工学のエキスパートにもなれるし、ビジネスエンジニアリング専攻のように、経営を学んで俯瞰でものごとを捉え新しいことにチャレンジしたり、起業することもできます。入学後にやりたいことが変わったとしても、そのどちらも受け止めてもらえる環境が揃っているのは大きな魅力だと思います。

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