在学生・卒業生インタビュー

2024/01/29OB・OG

博士後期課程で学びを続けるために阪大に戻ってきました!

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学時代のお話や現在のお仕事についてなど、卒業生の近藤 聡太 さんにお話を伺いました。

環境・エネルギー工学科卒業
環境・エネルギー工学専攻(現 環境エネルギー工学専攻)
エネルギー量子工学コース 量子ビーム応用工学領域[粟津研究室(現 間研究室)]
博士前期課程修了(2019年)

現 日東電工株式会社 全社技術部門新規事業本部 情報インターフェイス事業推進部
2021年10月より本専攻博士後期課程 量子ビーム応用工学領域[粟津研究室(現 間研究室)]に社会人学生として在学中
近藤 聡太 さん

入社早々にパッチ型心電計の開発・製品化を経験

私は環境・エネルギー工学専攻の粟津研究室で博士前期課程を修了後、日東電工株式会社というメーカーに就職し、新規事業本部情報インターフェイス事業推進部で医療機器の開発に従事しています。入社1年目から胸に貼るタイプのパッチ型心電計の開発チームに入り、3年目には製品化に立ち会うことができました。

このような新規事業の分野は、10件の新規プロジェクトのうち1件でも最後の製品化まで行けたら大成功みたいな世界なので、入社すぐに参画したプロジェクトで製品化までのプロセスを経験できたのは、感謝しかありません。
このパッチ型心電計の研究開発と、阪大でやってきた研究自体は直結してはいないのですが、どちらにも共通しているのは、医療に貢献する研究開発であること、また、メカニズムの解明や理解といった基礎研究や基礎知識の重要性です。これまで阪大工学部で学んできたことを新製品開発業務にも活かすことができました。

基礎を学び直すために社会人学生に

博士前期課程を修了して就職したときは、「ああ、これでやっと社会人になれる!」と思っていました。しかし、入社してから1、2年過ごす中で、社内の博士号取得者の方たちの思考の深さを目の当たりにするにつれ、自分も博士後期課程で科学の基礎をもう一度突き詰めてみたいという思いが強くなってきて、2021年には社内の国内留学制度を活用して、会社のサポートのもと、工学研究科の博士後期課程に戻ってきました。ただし、今回の博士後期課程での研究はあくまで業務外活動であり、阪大の研究室での研究は週末活動が多いです。仕事100%の上に大学院の研究が30%上積みされた感じで、結構ハードな生活を送っています。
でも今回、何年ぶりかに吹田キャンパスに戻ってきたら、学生時代の出来事がいろいろ思い出されました。

指導教員である間先生と

テニスと留学と研究と

私は小学生からずっと硬式テニスをやっていて、学部生の頃はアルバイトコーチをしながら、自身もテニスに打ち込んでいました。阪大硬式テニス部には入りませんでしたが、テニスサークルの阪大代表として大学対抗戦に出場できたことは大学生活のいい思い出です。

テニスコーチのアルバイト

研究室に配属されてからは、国際派の粟津先生の影響もあって、博士前期課程1年のときに交換留学生としてイギリスのリーズ大学で半年間学びました。正直、交換留学は文系の学生が多いのですが、人がやらないことをやりたいタイプなので、思い切って応募しました。交換留学は英語を学びに行くのではなくて、英語を通じて留学先大学の授業の単位を取る制度です。超グローバルな留学生活は楽しかったですが、毎日メンタルトレーニングみたいな感じで、結構タフな体験でした。この経験のおかげで、最近では海外拠点の開発部門とのやり取りが増えてきました。

英国リーズ大学の学生寮でのルームメイトと(ブラジル、フィンランド、オーストラリア、オランダなど国籍さまざま)

研究室での留学生歓迎会

学生時代の思い出で一番印象に残っているのは、やはり研究室に配属されてからの研究です。阪大の歯学部の先生との共同研究が本当に刺激的で楽しかったことを、今でもはっきりと覚えています。共同研究のテーマを簡単に言うと、虫歯のレーザー治療です。レーザーを使って虫歯を削れば、静かに、振動もなく治療できるのです。かなり社会実装(実用化)を意識した応用研究です。吹田キャンパスには、工学部、医学部、歯学部があるので、学部を跨いだ共同研究をしやすい環境にあり、これは阪大の最大の強みだと感じました。

共同研究していた歯学部の先生方と研究成果を学会で発表

光による虫歯の硬さの見える化に挑戦中

社会人学生として大学に戻ってからも、歯と光に関連するという意味では同じような研究を進めています。以前は虫歯を削る治療を研究していましたが、虫歯の本質的な状態を理解していないと正しく治療できないので、今は診断時に歯の硬さを測定する研究をしています。虫歯が進むと柔らかくなるのですが、なかなか歯の硬さを臨床で簡単に測れるような手法がありません。そこで私は、歯に対して圧子を当てて、その圧子に外からLEDの光を入れて、光る面積で歯の硬さを測ろうとしています。2023年の11月現在(取材時)はこの研究テーマで、博士学位論文を執筆している最中です。

受験生よ、大いに妄想を膨らまそう!

受験勉強はみなさん必死に頑張ると思うのですが、自分の経験から言うと、いかに勉強へのモチベーションの高さを維持できるかがポイントだと思います。将来の大学生活にワクワク感を持てるかどうかで、勉強に取り組む姿勢が大きく変わってきます。阪大工学部に少しでも興味がある方は、工学部の学科や研究室の情報をいろいろ調べて、興味深い研究内容に好奇心を刺激されたり、好きな分野の研究に没頭して活躍している将来の自分の姿を妄想したりして、日々ワクワクして欲しいと思います。ぜひ、阪大のキャンパスにも足を運んでください。少し勉強時間を削ってでも、そういった行動により、大学入学後の自分を具体的に想像してモチベーションを上げられると、受験勉強に取り組む強い原動力になると思います。
大いに妄想を膨らましてください!!

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