「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、新屋 航平さんにお話を伺いました。
応用理工学科 マテリアル生産科学科目
生産科学コース 生産プロセス講座 加工物理学領域 佐野研究室
4年 新屋 航平さん
地元で人気の国立大学よりも阪大に行きたかった
幼い頃からものづくりに携わりたいという思いがありました。地元にも人気の高い国立大はありましたが、知名度と学習環境という点で阪大の方がより優れているなと思い、受験しました。ただ、高校3年の夏までは部活動に力を入れて、あまり勉強していなかったこともあり、現役合格は叶わず。大阪の祖母の家に下宿させてもらって猛勉強し、1年浪人の末、阪大工学部に入りました。
努力してようやく入れた阪大でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、1年の前半はほぼオンライン授業でした。部活やサークルも活動が制限されていたので、結局タイミングを逃して何も入らないまま。思い描いていたキャンパスライフとは異なり、友達を作るのにも結構苦労しましたね。
努力してようやく入った大学でしたが、入学当時はコロナ禍で思うようなキャンパスライフが送れなかったと新屋さん。
素材と設計が素晴らしくても、加工技術がなければ良いものは作れない
実験室での様子。部屋を暗くして、素材にレーザーを当てた際の衝撃波がどのような影響を与えるかを調べています。
一番印象に残っているのは、今もお世話になっている佐野先生が担当されていた「エネルギー加工学Ⅰ」という授業です。僕が所属している生産科学コースは、溶接工学科が前身ということもあり、溶接を扱う講義が多いのですが、その中で、レーザーに焦点を当てた講義はとても新鮮味があって面白かったです。これまでにない究極の材料加工プロセスを開発して、材料や設計の分野を引っ張っていきたいという佐野先生のお話を聞いて、めっちゃかっこいい!と思い、この授業がきっかけで佐野研究室に入ろうと決めました。
佐野研究室では、ものづくりの基盤をなすエネルギー加工プロセスに対して、最先端の計測技術と数値シミュレーション技術を使って、材料加工のプロセスに潜む「普遍の真理」を追究し、これまでにないものづくりを目指しています。材料と設計がどれほど素晴らしくても、それを上手く加工できる技術がなければ良いものは作れません。そういう意味でも加工物理学は、ものづくりにおいて非常に大切な役割を担っている学問だと思います。
最先端のSPring-8やSACLAで学外実験もできる
学外の大型研究施設、Spring-8での実験風景(写真1番右が新屋さん)。
研究室には4年次から配属され、現在はフェムト秒レーザー駆動衝撃波を利用した材料加工について研究しています。フェムト秒レーザー加工は、1000兆分の1秒という極めて短い時間単位で発振されるパルスレーザー(ある一定の繰り返し周波数で光を出力するレーザー)を使用するため、材料に与える熱影響を極限的に抑えた加工ができます。一般的には固体材料の微細加工や外科手術などに用いられていますが、より新しい加工法として開発されているのが、フェムト秒レーザー衝撃加工で、レーザーを当てた際の衝撃波が素材にどのような影響を与えるかを調べています。
佐野研究室では、大型研究施設である大型放射光施設SPring-8(スプリングエイト)、X線自由電子レーザー施設SACLA(サクラ)などを活用して、学外での実験も精力的に行っていて、普通の大学生では経験できないような様々なことを学ばせていただいています。物質の状態や変化の様子をナノレベルでみることができて、国内外の研究者が訪れる世界最高性能の研究施設です。この秋には、幸運にも自分が主体になって実験を行わせてもらえました。年に数回、そのような最先端の施設で実験できるのも「大阪大学」というブランドがあってこそ!阪大工学部に入って本当に良かったなと思っています。大学院に進学したら、フェムト秒レーザ駆動衝撃波について引き続き研究を進めて、将来はメーカーなどのものづくりに携わる仕事に就きたいと考えています。
阪大工学部ならではの吹田祭で大盛り上がり!
阪大工学部の一大イベント、吹田祭に参加した佐野研究室のメンバーとの記念写真。
阪大工学部の魅力は勉強だけではありません。毎年秋に行われる吹田祭は、研究室対抗の運動会のようなイベントで、先生も学生も一丸となってめちゃくちゃ盛り上がります。今年、はじめて参加しましたが、普段あまり交流のない先輩方とも話す機会があり、とても楽しかったです。入学後これまで、新型コロナウイルス感染症の影響で、大学生っぽいことがあまりできずにきたので、いま、その時間を取り戻している感じです(笑)。
阪大工学部に入って良かったと思うことはたくさん!
阪大は素晴らしい学習環境が整っているので、努力して入る価値は十二分にあると新屋さん。
入学してからもうすぐ4年が経ちますが、阪大工学部に入って良かったと思うことばかりです。合格するのは簡単ではありませんが、阪大だからこその素晴らしい学習環境があり、努力する価値は十二分にある大学だと思います。受験生の皆さんには途中で諦めず、阪大工学部合格を目指して頑張って欲しいです!