在学生・卒業生インタビュー

2025/01/16在学生

多様なひととの出会いは阪大工学部の最大の魅力。将来は医薬品づくりで社会の役に立ちたい。

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、水口 潤哉 さんにお話を伺いました。

応用自然科学科バイオテクノロジー学科目 卒業
生物工学専攻
高分子バイオテクノロジー領域 内山研究室
博士後期課程2年 水口 潤哉 さん

1年間かけて自分の研究したい分野を見極める

最初に基礎を幅広く学ぶことで、自分の興味のある分野を絞っていけたのが良かったという水口さん。

阪大に入学した高校の先輩から色々と大学の話を聞いて楽しそうだったので、志望校を阪大工学部に決めました。バイオテクノロジーを活用した製品や新薬のニュースを見て興味がありましたが、受験の時点では化学系か生物系か、どちらが自分のやりたいことなのかがわからなかったので、基礎から総合的に学ぶことのできる応用自然科学科を選びました。応用自然科学科では、最初の1年間は自分の専門分野を決めずに、最先端の科学を幅広い視点から学ぶことで、自分の研究したい分野を見極めることができます。2年次からは化学、生物、物理の学科目のうち1つを選択して専門的な学びを深め、4年次に研究室へ配属されます。
学部生時代の授業で印象に残っているのは、3年次に行った液体クロマトグラフィーの実験です。液体試料に溶解している化合物を分離し、どのような成分がどれくらい含まれているかを分析することができます。授業で学んだ理論を専門的な装置を使って自分の手で確かめることで、一層理解が深まりました。

内山研究室はとても和やかな雰囲気。みんなと一緒に料理することも。

内山先生をはじめとして学生みんなで作った食事会の料理。ローストビーフ美味しそう!

学びを深めていく中で、医薬品に関する研究をしたいと強く思うようになって、4年次からは、医薬品や食品の品質管理に貢献する研究をしている内山研究室に入りました。将来、何か人の役に立ちたいという思いは、皆少なからず持っているとは思います。私の場合は、医薬品に関する研究は「今、病気で苦しんでいる人を日常に戻す手助けになる」と思ったからです。
研究室のメンバーは約50人と大所帯で、留学生や女子の割合が多くて、室内にカウンターキッチンがあるのも内山研の特徴です。阪大にはたくさん研究室がありますが、本格的なキッチンがある研究室は珍しいと思います(笑)内山先生がホワイトボードに書いたレシピに従い、みんなで分担しながら料理をつくったり、先生ご自身も料理がお好きなので、珍しいところで言えば、ギリシャ料理のムサカをふるまっていただいたこともあり、研究室はいつも和やかな雰囲気です。

タンパク質の構造の観点から医薬品や食品の品質管理・向上に貢献

研究室での実験風景。分析装置を使って液体中の化合物の分離、識別、定量を行うことができます。

大学院では、気液界面でのタンパク質の構造変化について研究しています。気液界面とは、空気や気体と液体の境界面のことを言います。ビールを例にあげると、ビールの白い泡も気体と液体との界面での分子による現象で、タンパク質が気液界面に吸着することでできています。そのタンパク質が吸着した後に構造変化をすると、泡立ちや泡持ちに影響します。つまり、気液界面のタンパク質の構造変化を明らかにすれば、泡持ちを良くしたり、もっときめ細かな泡をつくることも可能です。
これは医療分野にも活用できる技術です。バイオ医薬品に含まれるタンパク質が、輸送中の振動や長期保存などで気液界面に吸着してしまうと構造変化を起こし、品質が変わってしまいます。構造変化を抑制する技術に応用することで、安全で効果の高い医薬品をつくれます。
このように、内山研ではタンパク質の構造の観点から医薬品や食品の品質管理・向上に貢献する研究をしています。産学連携も積極的に行われ、現在、ビールメーカーとの共同研究も行っています。卒業後は製薬会社に就職予定ですが、内山研での学びを活かし、より安定した、より安全な医薬品づくりで世の中の役に立ちたいと思っています。

人数が多くて色々な学生と交流でき、サークルもおすすめ

他学部や他大学の学生との交流もはかれる、テニスサークル「アップルパイ」の合宿での集合写真。

キャンパスライフを振り返り、阪大工学部に入ってよかったなと思うことは、学生の人数が多く、授業やサークルを通して色々な背景を持つみんなと交流することができることです。特にサークルは他学部の友達もできるのでおすすめです。スキューバダイビングや、鳥人間コンテスト出場を目指す「アルバトルス」など、阪大にはさまざまなサークルがあります。大学生のうちにしかできないことがいっぱいあると思うので、色々なことに興味を持ってチャレンジしてみてほしいです。

あと、入学して驚いたのは、地味な学生が多いのかなと思っていたら、意外とおしゃれな人が多かったことです。昔みたいに?チェックのシャツを着ている阪大生はあんまりいないです(笑)。

苦労に見合う素晴らしい経験が得られるので、合格目指して頑張って!

受験勉強で苦労はしましたが、阪大工学部はその苦労に見合うだけの価値がある、と水口さん。

受験勉強は挫折の連続で大変だと思います。僕はひとつの教科に集中してしまうタイプだったので、数学を何日も勉強している間に、覚えたはずの英単語を忘れてしまうとか、なかなか成績が伸びなくて苦労しました。全ての教科をバランスよく勉強するのは本当に大変だと思いますが、阪大工学部は間違いなく、その苦労に見合っただけの素晴らしい経験を得ることができる場所なので、合格目指して頑張ってください!

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