在学生・卒業生インタビュー

2026/01/08OB・OG

阪大工学部で培った論理的思考が、自分の強みになっています!

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学時代のお話や現在のお仕事についてなど、卒業生の田中 佑亮 さんにお話を伺いました。

地球総合工学科建築工学科目
建築・都市環境工学領域 山中研究室(現小林研究室)
株式会社東畑建築事務所
本社オフィス大阪 設備設計室
田中 佑亮 さん

建築設計事務所で設備設計を担当し、快適で安全な居住空間をつくっています

古地図が収蔵された美しい空間が広がる、大阪オフィスのライブラリー。

大阪と東京に本社のある建築設計事務所に入社して4年目になります。建築設計の仕事は主に意匠設計(デザイン)、構造設計(骨組み)、設備設計(照明、エアコン、トイレなど)の3つに分けられます。わかりやすく人のからだに例えるなら、意匠設計は顔やスタイル、構造設計は骨や筋肉、設備設計は血管や臓器にあたります。私が担当しているのは設備設計で、建物を生かし、快適で安全な居住空間をつくるため、空調、換気、給排水、消火といった建築設備を、建物のどこにどのように設置すればいいかを計画、設計しています。プロジェクトごとにチームを組み、意匠設計や構造設計の担当者と連携して、建物の機能性、快適性、省エネルギー化を追求しながら、お客様の要望を設計図として形にする仕事をしています。

プロジェクトを進めるなかで、意匠設計・構造設計・設備設計の意見がぶつかることもあります。そこで考えを出し合っていかに建築として調和を取っていくかが腕のみせどころであり、難しくもやりがいのあるところでもあります。設備設計の仕事は、どちらかといえば縁の下の力持ち。意匠設計のように目立つことは多くないですが、見えないところで人々の安全と暮らしを支える無くてはならない重要な仕事であり、そういうところにも魅力を感じています。

歴史に残る建築物をつくった会社の一員であることを、誇らしく思います

オフィス1階に展示されている大阪・関西万博の大屋根リングの建築模型

とはいえ、クライアントと直接お話をする機会もたくさんあります。専門家ではない方にわかりやすく説明する力が求められますが、大学時代に培った論理的思考が、職場での提案力、コミュニケーション力に繋がっていて、自分の強みになっていると思っています。建築基準法の改正など、建築を取り巻く環境の変化にも対応する必要があり、これまでに経験のないことに取り組む際には不安を感じることもありますが、まずは自分で調べ考えたうえで、経験豊富な先輩や上司に相談するようにしています。

当社は、創立から90年以上が経ち、2025年には大阪・関西万博の大屋根リングの基本設計やパビリオンの建築も手がけています。残念ながら万博は終了し、取り壊しはされるものの、歴史に残る代表的建築物をつくった会社の一員であることを、とても誇らしく思います。

学部時代はユーモアあふれる先生方の授業がとても楽しかった

「建築」と「街づくり」の両方を学べる阪大工学部を第一志望校にした、と田中さん。

阪大工学部を選んだのは、興味のあった「建築」と「街づくり」、その両方を学べると思ったからです。もともと、手を動かして何かを作るのが好きな子どもでしたが、職業体験を通じて建物に興味を持ち、そのうち街づくりにも興味が湧いてきました。どちらも学べる大学はないかと探したとき、阪大でぴったりな学部を見つけました。阪大工学部の地球総合工学科では、最初の1年間で幅広い教養と専門領域の基礎概念を学ぶことができ、2年から自分の興味にあわせて、「船舶海洋工学科目」「社会基盤工学科目」「建築工学科目」のいずれかを選択できます。入学してから1年間自分のやりたいことを改めて考えられるところに魅力を感じ、自分が目指せる最もレベルの高い大学ということで阪大工学部を第一志望にしました。

学部生の頃は、ユーモアあふれる先生方の授業がとても楽しかったです。環境工学は、光・音・空気・熱など、目に見えないものが研究対象となるので、イメージしづらいという難しさがあるのですが、甲谷先生の授業では、いきなり「実験をはじめます!」とおっしゃって、学生たちの目の前で煙発生器を使った気流の実験をはじめられ、びっくりしたのを覚えています。黒板に数式を書いて教えるだけでなく、見えないものを実際に目に見えるもの、体感として教えてくださったのが印象的でした。研究室でもお世話になった山中先生の授業では、熱・音・光といった感覚にまつわる勉強で、とっつきにくい数式が出てくるのですが、人の感覚として分かりやすいようにと、毎回イラストを書きながら丁寧に成り立ちを説明してくださり、またその絵がとても可愛いく、わかりやすかったです。小林先生の授業も、風環境や流体の理論がどうしてそうなっているかという理屈を、とても細かく丁寧に、根本から説明してくださるので、非常に理解しやすかったです。

建物内外の空気の流れをシミュレーションする技術を研究

縮小模型を使い建物の自然換気性状を測定する風洞実験

メンバーに恵まれて充実した学生時代を過ごせました!(前から2列目左から2人目が田中さん)

4年生で研究室に配属されシミュレーションに興味があったことから、天井カセット形エアコンの気流のシミュレーションに関する研究をし、実際の教室を使って様々な専門的な測定器を使って気流や温度の測定の実験をしました。大学院では、建物内外の自然換気の気流をシミュレーションする技術の研究に取り組んでいました。建物を設計したり、検証したりするときに、目に見えない空気の流れや温度分布などを方程式を使ってコンピュータで数値的に解くことで、可視化・予測していくのですが、条件を変えて何度もシミュレーションしたいのに、1つのシミュレーションに何週間も時間がかかってしまうのが課題でした。そこで、空間内に区切りをつくり、その外と中に分けて別々でシミュレーションすることによって精度を保ちつつ、シミュレーションの時間を短くする方法があり、より精度をあげるにはどうしたらいいか等、その手法について踏み込んだ基礎研究を行いました。また実験では、人工的に風を発生させる機械(風洞)の中に建物模型を置いて、物体にかかる力や周辺の空気の流れを計測し、シミュレーション結果との比較検証を行いました。実験がうまくいかないときはなぜうまくいかないのか、どうすればうまくいくか、試行錯誤な毎日でした。
阪大工学部には、ほかの大学にはないような素晴らしい設備がたくさんあります。なかなかお目にかかれないような専門的な実験機器があったり、風洞実験に利用していた施設には、巨大なドーナツ状の風を起こす機械があり、一般企業の方が実験に来られたりもしていました。そんなたくさんの希少な設備を、先生や先輩に教えてもらいながら学生が使うことができ、とても恵まれた環境だったなと思います。
また、私が在籍していた建築工学コースの人数は約40人と少なく、ちょうど高校のひとクラスくらいの規模だったので、同級生同士とても仲良くなりました。建物を設計して図面を描く製図の授業があるのですが、締め切り前になると、夜な夜な製図室に学生が集まってきて、みんなでワイワイしながら描いていたのが、すごい青春というか、とても濃厚な時間でした。卒業した今も仲が良くて、同級生のみんなで集まったり、遊びに行ったりしています。

努力の先には楽しく充実した阪大ライフが待っています

一浪しても入学する価値は十分にある大学です、と田中さん。

阪大工学部はとてもレベルの高い大学ですが、どんな人でも頑張って努力すれば門をたたける大学と思っています。受験生の皆さんには着実に受験勉強を続けてほしいです。私は2回目のチャレンジで合格しました。もし現役で合格できなくても、一浪して入学する価値は十分にあります!努力の先には楽しく充実した阪大ライフが待っているので、試験は最後の1秒まであきらめずに頑張ってください!

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