吹田キャンパスのU1M棟には、とても魅力的な屋上空間がありますが、長い間閉鎖されており、使う人はもちろん、その存在を知る人も少ないのが現状です。
　造形実習（地球総合・建築部門の演習科目）では、この数年、学生がキャンパス内を歩き回り、自分たちの五感をフル活用して魅力が眠る屋外空間を発掘してきました。そして2022年度の学生達は、屋上に多くの魅力がある中、日常的に使えるスペースではないことに注目しました。
　風が通り夕日を眺められる、研究や勉学に追われる大学において、ふと力を抜くことができる空間として、U1M棟屋上が担う役割は強いのではないか？そのような問題提起に基づき、2023年3月3日（金）に長年放置されていた屋上の清掃と学生による居場所としての空間提案を実施するに至りました。
　今回は、あくまで試験的な一時利用のため、常時開放をするには多くの課題が残っています。しかしながら大学という場所においても、焦燥感から抜け出せる”居場所”が必要ではないか？本演習の成果を通して屋上やオープンスペースを少しずつでも居場所に変えていく意識が広がることを願っています。