在学生・卒業生インタビュー

2022/01/05在学生

自分の限界にチャレンジしてみよう!と思い、医工融合の研究へ

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、今西 ひなのさんにお話を伺いました。

環境エネルギー工学専攻
量子ビーム応用工学領域(粟津研究室)
博士前期課程1年 今西 ひなのさん

女子が少ない分、全員とめっちゃ仲良くなって話もしやすい

学科の女子と神戸の中華街にプチ旅行した時の1枚。
京都や神戸には授業が終わってからでも遊びに行けます(左から2番目が今西さん)

高校生の頃は、生物、気象、防災と興味のある分野が複数あったので、阪大工学部の環境・エネルギー工学科(以下、環エネ)を選びました。この学科では、2年生までに環境・エネルギーに共通する基礎知識を得て、3年生から環境工学コースとエネルギー量子工学コースに分かれ、深い専門性を習得できます。
理系の学科は女子が少ない分、全員とめっちゃ仲良くなれます。一緒に神戸に遊びに行ったり、下宿先でパーティーしたり、気質も似ているのか話がしやすくて楽しいです。

部活動は一生の思い出!勉強と両立させている学生も多し!

ヨット部には工学部生がたくさん所属。工学部女子のペアで大会出場もしました!(右が今西さん)

部活はヨット部に入って副将を務めていました。学科とは別に自分の居場所があったことは良い息抜きにもなりました。コロナ禍で海上活動が休止になった期間がありましたが、引退前の最後の大会はなんとか開催され、全国大会にも出場できました。大学院に進学するための院試(大学院入学試験の略)と大会の練習が重なり、思うように活動できずにしんどい時期もありましたが、一生の思い出になりました。
環エネの学生は、勉強だけでなく体育会系クラブに所属して主将や副将を務めている学生が多く、勉強と部活を両立させている人も多いです。

がんの進行度合いを診断するための技術について研究しています

先輩の研究をさらに深化させ、より詳細にがんを特定できる診断技術を研究している今西さん

学部生の頃は気象や生物に興味があったので、環境系の授業をとっていましたが、現在はエネルギー系の粟津先生の研究室(以下、粟津研)に所属しています。
粟津先生は工学博士と医学博士の両方の学位を持っておられ、粟津研では先端レーザー技術を医療へ橋渡しするために、様々な角度から医工融合の研究を進めています。工学と医学の両分野の理解が必要となるので、かなりハードな研究室だと聞いていましたが、「せっかく阪大に来たのだから自分の限界にチャレンジしてみよう!」と思い、粟津研を選びました。
私は次世代の内視鏡診断方法として注目されている光線力学診断、がんの進行度合い(深達度)を診断するための技術について研究しています。
がん細胞に集まる薬剤に光を照射すると、薬剤が蛍光を発してがんを可視化でき、誤診、見落としを減少させることが可能になります。これはすでに確立されている技術で、従来使われていた青色光から緑色光にすることで、さらに深い距離にあるがんを見つけられるというところまでは、先輩が研究されていました。
そこで私は、ふたつの波長、青色光と緑色光を用いて、組織表面からがん細胞を模した蛍光体までの距離(=深さ)を推定するという実験を行い、さらに研究を深めていきたいと考えています。

命に直結する研究テーマなので、とてもやりがいを感じます

「報告書づくりで学んだことが、いま就活のエントリーシートの作成にも活きています」と今西さん

毎週金曜日の23時59分が研究報告書の提出締め切りとなっていて、4年生のうちは、報告書の書き方や文字チェックなど、ひとつ上の先輩が専属で丁寧に教えてくれます。初めの頃は修正指示で真っ赤になった報告書が返ってきて、締め切りぎりぎりまで修正をして何とか締め切りに間に合わせる感じでした。いかに簡潔に読みやすくするか、研究だけでなく、報告書の作成についてもかなり鍛えられたと思います(笑)。
高校生の時には、まさか自分がこのような研究をするとは思ってもいませんでしたが、命に直結する研究テーマにとてもやりがいを感じていますし、うまく実用化され、患者さんがもっと楽に手術を受けられるようになればいいなと思います。

貴重な授業を自由に受講できる。阪大生だからこそ受けられる恩恵があります

「授業を通じて現場の生の声が聞けるのはとても勉強になります」と嬉しそうに語る今西さん

研究室での学び以外にも、大学院では専門に関わらず自由に受講できる授業がいくつかあって、私はメディカルデバイスデザインコースという医療機器開発に関する主に社会人・企業の方向けの授業を受講しています。大阪大学の大学病院の各科の先生がお話しされ、こういう機械が欲しいとか、メーカーがこんな機器の開発をしていますというような技術寄りの話が聞けます。医療現場の生の声と実用化された機器に関する話は、自分の学びとリンクしているので、ものすごく勉強になります。社会人だと高い受講料を払わないと聞けないような貴重な授業を受けられるのは、阪大生だからこそ受けられる恩恵だと思います。
卒業後の進路についてはまだ決めかねていますが、結構、直感派なので、どこに行くにしても、興味のある時に興味のある方へ進むのが自分の生涯コンセプトだと思っています。
迷うことは誰しもあることです。私もまだ迷ってるくらいなので、学部選びに迷っている受験生の皆さんには、いくつか選択肢をあげてみて、その時に一番興味があるものや、ずっと知りたいと思い続けられるものに進んでみたらどうかなと思います。それが阪大の工学部であったら嬉しいですし、同じヨット部の仲間が増えたらよりいっそう嬉しいです。

※写真撮影にあたり、感染対策を行った上で、マスクを外して撮影しています。

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