在学生・卒業生インタビュー

2023/01/20在学生

AIを根本的に賢くするための基礎研究にやりがいを感じています

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、田辺 一葵さんにお話を伺いました。

電子情報工学科 情報通信工学科目
知能推論研究分野 鷲尾研究室(産業科学研究所)
4年 田辺 一葵さん

プログラミングでものづくりの楽しさを知り工学部へ

実際にキャンパス見学に来たことで研究室の雰囲気がわかって良かったと田辺さん

高校3年生の学校祭(文化祭)で、同級生にプログラミングを教えてもらい、はじめてゲームをプログラムしました。もともと、理系科目が得意で、大学の学部選びでは理学部か工学部かで迷っていましたが、自分がつくったゲームを人に楽しんでもらえたのがとても嬉しくて、ものづくりの楽しさを学ぶなら工学部かなと思いました。

ちょうどその頃に、僕が通っていた北海道の高校から、北海道以外の大学を見学する道外研修というのがあり、たまたま阪大の吹田キャンパスに見学に来ました。実際に研究室を見学して雰囲気を肌で感じたことで、ここで学びたい!という思いが強くなり、阪大工学部の電子情報工学科を志望しました。

学生会館で寝食をともにした仲間とは今も繋がっています

学生会館の仲間と大学2年の夏に遊びに行った琵琶湖での記念ショット(右から2番目が田辺さん)

大阪に来るまでは、関西人って怖いのかなと思っていましたけど、実際に住んでみると、明るくて気さくでおもしろい人ばかりでした(笑)。北海道から出てきたこともあって、最初の1年は豊中キャンパス近くの学生会館(個室のある共同寄宿舎)に住んでいました。学生同士一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、寝食を共にすることでとても仲良くなれました。文系の学部の友達もでき、自分が普段学んでいることとは全く違う世界の話を聞けるのが楽しくて、今でもその頃の仲間とは連絡を取り合っています。

研究室への早期配属で、より早く、より専門的な学びを実践できます!

研究室のみんなとの集合写真(2列目の左から2番目が田辺さん)

電子情報工学科ではまず、数学、電気物理、力学などの専門基礎科目と、物理、化学の基礎実験を学び、2年生になると電気電子工学科目と情報通信工学科目に分かれ、2年生の後期からは、それぞれの学科目の研究内容から自分の興味のあるコースを履修することになります。

工学部を目指すきっかけにもなったプログラミングを深く学びたいと考えていましたが、ちょうど5G(第5世代移動通信システム)が話題になった頃だったので、2年生の後期から、どちらも勉強できる通信工学コースを履修しました。 

この学科では通常より1年早く、3年生から研究室に入れる「研究室早期配属」の制度を利用することで、より早く、より専門的な学びを実践できます。僕もこの制度を利用して、3年生からセキュリティの研究をしている宮地研究室に入り、暗号をつくるプログラムとそれを解読するプログラムの両方をつくって、片方に片方を解読させるという研究をしていました。

セキュリティの勉強をしていくうちに段々とAIにも興味が出てきたので、4年生からは鷲尾研究室に移って、コンピュータが膨大なデータから知識を学習したり、発見できるようにするための新しい方法や技術(データマイニング)を研究しています。

成果が出れば、すべてのAIに活用されていく

研究室では高性能なパソコンを使わせてもらえるので、作業効率が良くて助かっていますと田辺さん

例えば、人間が数字を見ている場合、10、15などの小さな数字の中に、急に桁数の多い数字が出てきたら何か変だなと気づきます。外れ値にどう対応するかを教えてあげることでAIはより賢くなります。ただ、外れ値を除去しすぎると、AIが平均に偏りすぎた学習をしてしまいます。10月の平均気温をAIが学習して推測する時に、外れ値を除去しすぎると、異常気象で気温が急に上がった時に正しい判断ができません。ある程度、ばらつきを持ったデータを、これはノイズ(誤差)、これは正解だけど特殊、という風に分けられるようになれば、ある程度、自由度を持った実際の現象に近い学習ができます。

具体的にはAIに何回もテストを行います。テストの点数が良いと、さらに点数が上がるようにAIが学習するので、ノイズのデータは点数を低くして、解いてほしいデータは点数を高く設定し、AIに優先的に勉強させます。テストの点数配分を自由自在に変え、プログラムして動かし、どれくらい精度が上がったかをグラフで確認するという作業を繰り返し行っています。

AIにもさまざまな種類がありますが、鷲尾研究室での研究は、AIを根本的に賢くしようとしている基礎研究で、成果が出たらすべてのAIに活用されていくものなので、とてもやりがいを感じています。

阪大は学食のご飯が美味しい!自分のお気に入りを見つけるのも楽しい

田辺さんイチ推しのメニューはラ・シェーナのオムライス!窓からの眺めも最高です

学び以外にも阪大の良いところはたくさんありますが、ひとつは全国から色々な学生が集まっているということ。僕の仲の良い同級生には、北は北海道から、南は鹿児島まで、様々な出身の人がいますが、出身も専門も得意なことも違う、そんな仲間からは日々たくさんの刺激をもらえます。

あと、学食のご飯が美味しいのも最高です!工学部の学生がよく行く食堂といえば、ファミールですが、個人的にはGSEコモンイースト棟の最上階にある洋食店のラ・シェーナもおすすめです。特にオムライスが美味しくて、珈琲と紅茶が飲み放題というところがポイント高いです。各キャンパスには隠れた名店!?があるので、自分のお気に入りを見つけるのも楽しいと思います。

※写真撮影にあたり、感染対策を行った上で、マスクを外して撮影しています。

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