在学生・卒業生インタビュー

2026/01/08在学生

阪大工学部は、将来の選択肢を広げてくれる場所

twitter facebook

「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、杉山 友美さんにお話を伺いました。

環境エネルギー工学科卒業
環境エネルギー工学専攻 環境資源・材料学講座
生物圏環境工学領域 池研究室
博士後期課程1年 杉山 友美さん

2年間かけて専門をじっくり選べる学科へ

私は子供の頃から植物や自然がとても好きで、将来はそれらを守るような勉強がしたいと考えていました。なかなか一つの分野に絞りきれずにいましたが、高3のオープンキャンパス参加がきっかけで、阪大工学部を志望するようになりました。環境・エネルギー工学科での研究の多様性と展示の迫力がすごく印象に残ったからです。加えて、2年の終わりに、環境系かエネルギー系かコースを選択するため、「ここならさまざまなことを学んだうえで、本当にやりたいことを見つけられそうだ」と感じて、環境・エネルギー工学科に進みました。

生物かプログラミングか、悩んだ末に生物へ

「環境設計情報学」の授業で楽しみながらつくったUFO

学部時代で印象に残っている授業は「環境設計情報学」。モデリング言語を使って、宇宙をテーマにしたゲームをプログラミングする内容でした。最初に全員が太陽系を作って、そこに各自がオリジナル要素を足していくんです。手探りで試行錯誤の連続でしたが、私は UFO を作って飛ばしてました(笑)。
生物もプログラミングも両方好きだったので、どちらの分野に進むか結構迷いましたが最終的には生物関連の研究が中心の池教授の研究室に進みました。私は生物全般への興味を持っていたのですが、配属後に「捕食性細菌っていう謎の多い細菌と植物の両方が勉強できるテーマがあるよ」と先生から言われて、「おっ、そんな面白そうな細菌と植物の両方とも研究できるのはめっちゃ楽しそうだ」と思い「捕食性細菌とウキクサ」を研究することに決めました。

学部時代はキャリボトの立ち上げも

学部時代に最も熱中したことは、学科の友人たち7人で立ち上げた学生団体「キャリボト(Carry My Bottleの略)」での活動です。これは、キャンパス内で気軽に利用できる給水機(水道に設置してフィルターを通してきれいになるタイプのもの)を増やし、マイボトルの利用を促進しようとする取り組みです。設立当初は知名度も低かったのですが、情報発信を続け、大学や企業に粘り強く働きかけた結果、少しずつ共感してくださる方が増え、実際に給水機を設置していただけました。今でも、自分が設置に関わった給水機を使っている後輩学生から「いつも助かっています!」と声をかけてもらえると嬉しいですね。

捕食性細菌によるウキクサの生育促進を研究

(左)水に浮かぶウキクサ(右端は根のないウキクサ)
(右)実験室でウキクサをあつかう杉山さん

現在は、捕食性細菌を用いてウキクサと共生する細菌叢(さいきんそう)(細菌の群れのようなもの)を制御し、ウキクサの生育速度を高める研究をしています。
ウキクサとは単純な構造の植物で、葉と根あるいは葉だけが水に浮いています。直径数mm程度の小さな葉ですが、実は次世代のバイオマス資源として注目されています。例えば、タイでは水処理場の僅かに汚れが残っている水にウキクサを浮かべて水を浄化し、育ったウキクサをバイオエタノール原料として活用する研究が進んでいます。あと、根のないタイプのウキクサは食用にもなります。そのままアイスクリームやカレーに入れたり、乾燥させて粉末にして抹茶っぽい風味を楽しむこともできます。
一方、捕食性細菌とは簡単に言うと細菌を食べる細菌です。他の細菌の中に入って中身を溶かして栄養を吸収したり、細菌の外側に集まって外から溶かしてその栄養を吸収します。近年この特性を活かし、医療分野での薬剤耐性菌や農業分野での病原菌の防除手段などへの、幅広い応用が期待されています。
普段ウキクサの周囲には細菌叢があって、多種多様な細菌がウキクサの生育に正負の影響を与えています。このウキクサの細菌叢中の特定の細菌群を捕食性細菌に捕食させ、ウキクサ生育に有利な細菌叢に改変する実験を続けています。

人生最後に思い浮かべるのは・・捕食性細菌?

M1の夏、あるプログラムでポーランドの医科大学に2ヶ月間ほど行ったのですが、博士課程学生が夢を追いながらも自分のペースを守って研究生活を送られているのを見て、「こんな研究生活っていいな」と博士後期課程進学を考えだしました。正式に博士後期課程進学を決めたのは、M2のGW前ぐらい。それまで就活もしていたのですが、研究の面白さがこの頃からグーン!と上がってきて、もっとこの研究を続けたいなと悩んでいました。そんなときに研究室のOBから「迷ったら、人生最後に思い浮かべるのは何なのかを考えたらいい」と言われたんです。自分の場合、このまま企業に就職したら「あの捕食性細菌はどうなったんだろうな?」とか気になるに違いないと思いました(笑)。そんな理由で博士後期課程進学へと舵を切りましたが、進学して本当に良かったと思っています。

今後は海外での研究への挑戦も視野に!

タイ カセサート大学でのディスカッションの様子

博士後期課程進学を決めてから、研究への集中度が一気に上がり、いろいろなことに挑戦できました。その結果なのか、「大阪大学女子大学院生優秀研究賞」をいただくことができました。
加えて、ウキクサの研究が盛んなタイへも度々行かせていただいており、2025年6月にはタイの大学を訪ねて、共同研究を進めるためのディスカッションをしてきました。
今後は、海外への研究留学にも行きたいですね。最近、微生物の研究ではヨーロッパでの成果をよく目にするので、スイスなどに是非行ってみたいです。 最先端機器による解析が進んでいるようで、少し気になっています。

にぎやかで国際色豊かな池研究室

(左)池研究室で開催した手料理パーティー(手巻き寿司、インドネシア料理、中国料理など)。美味しかった!
(右)中国の留学生の方に連れて行ってもらった火鍋店で

私が所属する池研究室は、環境・エネルギー工学専攻の中では数少ない実験系の研究室で、いつも多くの学生でにぎやかです。テーマごとに分かれた4つの研究チームでは、先輩が後輩に丁寧に実験指導をするため、学年を超えた縦の繋がりが強いのが特徴。また、留学生も多くて国際色も豊かです。各国の郷土料理を振る舞うパーティー、BBQ、忘年会といったイベントを研究室全体で楽しんでいます。
指導教員の池 道彦教授と井上大介准教授はどちらも優しく快活で、学生が気軽に相談しやすい雰囲気ですが、ディスカッションやゼミでは的確で鋭いご指摘をくださるため、日々多くのことを学ばせていただいています。

阪大に来て広がった将来の選択肢!

阪大に入ってよかったことは、自身の将来についてより自由に考えられるようになったことです。入学した当初は、なんとなく学部を卒業して博士前期課程に進学し、就職するんだろうなと思っていました。その後、いろいろな人達に出会って交流し、経験を積んでいく中で、多様な選択肢があることを知ることができました。環境・エネルギー工学科の就職先は結構幅広くて、「こんな分野にも行けるんだ」いう気付きも多かったです。
ちなみに私はD1の秋現在、企業へ就職するかアカデミアに残るか、半々ぐらいのイメージです。まずはたくさん研究して論文を書き、無事に卒業することが目標です。受験生の皆さん、阪大工学部はさまざまなことに挑戦できる場所なので、ぜひ飛び込んでみてください。応援しています!!

最近の記事