「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学時代のお話や現在のお仕事についてなど、卒業生の小島 ももさんにお話を伺いました。
応用理工学科卒業
機械工学科目 機械工学専攻 統合設計学系 人間支援工学領域 井野研究室
株式会社日立製作所 研究開発グループDXエンジニアリング研究部 小島ももさん
著名な先生がたくさんおられる阪大工学部を第一志望に。
機械工学専攻は工学部の中でも特に女子の数が少なかったですが、
その分、仲が深まって良かった、と小島さん。
小学校の遠足先で出会った人間型ロボットASIMOの動きが面白くて、お小遣いで小さなロボットのおもちゃを買ってきて手足の動きを見たりしていました。アシストスーツHALやペットロボットaiboなどが流行った時期でもあり、非日常のものと思っていたロボットが日常にあることに面白さを感じ、ロボットやものづくりに興味を持ちました。将来は人の生活に関わる機械やものづくりをしたいと思い、大学を選んでいたところ、阪大工学部にはロボットや機械制御の分野で著名な先生がたくさんおられたので、迷わず第一志望にしました。
阪大工学部のある吹田キャンパスは、自然豊かで特に春は桜並木がとてもきれいです。敷地が広いので移動に自転車は必須でした。機械工学専攻は工学部の中でも特に女子の比率は1割程度と少なかったですが、その分、女子同士の仲が深まって良かったかなと思います。女子が少なくて困ったのは、トイレが1階にしかなかったことぐらいですね(笑)。
阪大時代に身ついた積極性が、仕事で大いに役立っています。
積極的な学生が多いおかげで、チャレンジするハードルが下がったのは、自分にとってはとても大きかった!と振り返る小島さん。
阪大工学部に入るまでは、チャレンジする前に色々考えたり、どうせ自分じゃできないからと思ってしまうところがあったのですが、阪大工学部の学生は、学会で受賞したり、海外に行ったり、起業したり、チャレンジ精神旺盛な優秀な人が多くて、とても刺激を受けました。頑張れば私にもできるはず!興味を持ったことにはチャレンジしてみよう!と思えるようになり、積極性が身についたおかげで、社会人になった今、クライアントや他の研究機関の方とも臆せず会話することができ、仕事にも大いに役立っています。
触覚記憶に関する研究をまとめた修士論文で「最優秀発表賞」を受賞。
修士論文で「最優秀発表賞」を受賞した小島さん。
発表当日は体調不良でオンラインでの発表となりましたが、見事受賞しました。
大学時代に一番印象に残っていることは卒業論文と修士論文です。学部時代はサステナブル研究をしていたので、ライフサイクル設計をテーマに、使い終わったものがリサイクルされ、再び手に取ってもらえるよう、ものの付加価値をあげて、ものの寿命を伸ばすにはどうしたらいいか、工学的視点から卒業論文をまとめました。初めて論文を書くということもあり、裏付けのための資料を読み込んだり、論理構成を何度も手直しして大変でしたが、寒い冬には、研究室にあったこたつ(研究用に置かれていたもの)に入って先輩や同期と一緒に議論しながら書き上げたのがとても良い思い出です。
大学院では、メンタルヘルスに関わるデバイスを開発したいと思い、井野研究室で触覚の研究を行っていました。触覚は質感の知覚だけでなく、情動へ働きかける作用もあり、集中力やリラックス効果を高めることもできます。このような背景から、触覚感覚の呈示方法について検討する中で、指先触覚感覚の識別能に興味が湧き、触覚感覚がどれくらい記憶に残り、テクスチャ(物体の表面の質感)の識別に影響するかを研究しました。研究室の1期生で先輩がいなかったので、修士論文を書く際には、社会意義や研究背景をいちから考える必要があり、卒業論文以上に大変でしたが、先生方からのアドバイスや同期同士でお互いの論文を添削しながら、なんとか書き上げることができました。研究活動の集大成として発表した修士論文が、日本人間工学会の九州・沖縄大会で「最優秀発表賞」を受賞することができ、とても嬉しかったです。
井野研究室は “人間支援工学領域”という名の通り、障がい者や高齢者の生活支援デバイスの研究からデバイスに使われるソフトアクチュエータの研究、人間の感覚系の研究など、人間の活動を支援する研究を幅広く扱っているので、思い思いの研究ができます。井野先生は幅広い専門知識をお持ちでネットワークも広いので、他大学や他機関との交流も活発でした。様々な分野の先生方と話をして見分を広げつつ、思う存分研究できる環境だったなと思います。研究室のメンバーとも分野を問わず活発に議論したり、息抜きにタコパをしたり、和気あいあいとした雰囲気でした。
ヒューマンセンシングで製造業の作業者支援をする技術を開発
小島さんが勤務されている日立製作所 横浜研究所
大学に残って研究を続ける道も考えましたが、社会に出て、実際に人間支援できるものづくりをしてみたいと思い企業へ就職することにしました。様々な会社の説明会やインターンに参加した中で、大学での学びを生かせる今の職場に出会いました。
現在はヒューマンセンシングで製造業の作業者支援をする技術開発をしています。具体的には手袋型のセンサグローブを用いて、作業者の動作から作業検出したりし、エビデンスを記録するシステムのコア技術の開発です。これにより、現場での作業ミスを減らせたり、長時間作業による疾病を防いだり、現場での様々な作業者支援につながると考えています。研究職では珍しく、製造現場の方の悩みを直接ヒアリングできる環境にあるので、現場の肌感覚を把握して悩みの本質を反映した開発に取り組むことができます。最近、製品化されたものもあり、自分たちの作ったもので作業者の方の負担を少しでも減らせることができたら嬉しいです。触覚に関わる知識だけでなく、阪大工学部で学んだ、機械力学、数学、回路設計の知識やマイコン制御の実習経験がとても役立っていて、実践の力は阪大で身についたなと感謝しています。
学生時代の活動で役に立っていることがもうひとつ。大学時代に引き続き、今の会社でもヨット部に入りました。週末になると、江ノ島のヨットハーバーへ行って練習をしています。オリンピックセラーもたくさん来る場所なので、仕事以外にも良い刺激をもらっていて、密かに船も購入したいなと思っています(笑)。
阪大工学部は幅広い学びと最先端の研究環境がそろう場所
懐かしい研究室にて。
毎日使っていた工具を手にして、思わず笑みがこぼれる小島さん。
阪大工学部は、基礎から応用、理論から実践まで、幅広い学びと最先端の研究環境がそろう場所です。社会で役立つ技術を自らの手で創り出す力を身につけることができます。挑戦する気持ちを後押しし、実現へと導く環境も整っています。努力次第で大きく成長できる場所だと思うので、受験勉強を頑張って、ぜひ入学してください!