在学生・卒業生インタビュー

2024/01/29在学生

自分自身のステップアップを図れる、恵まれた研究環境

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学での学びやこの学部を選んだ決め手、入学してよかったことなど、阪本 彩音 さんにお話を伺いました。

応用自然科学科 応用化学科目 4年
構造有機化学領域(林研究室)
阪本 彩音 さん

部活と勉強をうまく両立している学生が多い

アーチェリーの試合前に必ず円陣を組み声出しを行います。全員で声を出すことによって一体感が生まれ、気合が入ります。

中学3年生の時に出会った化学の先生の授業がとても面白くて、世の中の全ての仕組みが化学からできているんだ!と実感し、化学に興味を抱き大好きになりました。それからは、理系の女子を対象にした「女子中高生のための関西科学塾」という大学の設備を使っての実験や理系の先輩たちとの交流を通して理系の世界の魅力を知ることができるプログラムに参加し、阪大が会場のときに工学部にも訪問したことがありました。研究設備が充実していることに強く惹かれ、私もここで実験したい!と思い阪大工学部を受験しました。

入学して一番驚いたのは、勉強、研究に全集中という学生よりも、部活やサークル活動と勉強をうまく両立している学生が多いことです。キャンパスも活気があって、色々なことに興味を持った魅力的な人がたくさんいるという印象を受けました。



そんな周りに刺激を受けて、私も新しいことにチャレンジしてみようと思い、アーチェリー部に入部しました。普段はあまり関わることのない文系学部の学生とも交流でき、自分とは異なるものごとの考え方に触れられることは新鮮で、他学部の友達もできて嬉しかったです。
勉強との両立は大変な時もありましたが、授業、部活、課題と時間配分を考えることでスケジュール管理が上手くなり、大学生活にもメリハリがついたような気がします。

教科書や机の上ではわからない、実験の大変さを実感

一番印象に残っているのは有機化学の実験でしたと阪本さん

1年生のうちは化学、生物、物理の基礎となることを学び、どんな研究をしているかをそれぞれの科目の先生から教えてもらったうえで自分の興味を絞り込み、2年生から4つの学科目に分属されます。応用化学科目では、化学の専門的な内容や実験装置の使い方などを学び、研究室に入った後、実験を進めていくうえで必要な知識を身につけていきます。私が一番印象に残っているのは有機化学の実験です。教科書を読めば、どういう反応が起こるかというのは事前に知識としてはあるのですが、それが実際に現実のものとして見えた瞬間がとても楽しかったです。机の上ではわからない、実験することの大変さも実感できて良かったです。

目には見えないものから、目に見える新材料を創造する

研究室での実験風景。薬剤の付着を防ぐため、ゴーグルとゴム手袋は必須です

材料系の研究はさまざまな分野に応用できるというところに魅力を感じ、4年生からは林研究室で生体適合性ゲルの研究をしています。生体適合性とは生体組織との親和性があり、体内で異物反応や拒絶反応などを起こしにくい性質のことです。ゲルの代表例は寒天です。今作成を試みている生体分子を含んだゲルはフォークで刺したら簡単に壊れてしまうくらい脆弱ですが、強度を高めるため、日々実験を積み重ねています。



分子のクリエイターというか、目には見えない分子構造をさわることによって目に見える新しい材料を創造できるというところがとても面白いです。生体内に使える材料の開発は再生医療にも結びついていくと思うので、やりがいもあります。

吹田祭や旅行など、研究室内の交流も活発になりつつあります

林研究室のメンバーとの集合写真(前列左から6番目が阪本さん)

朝は9時半くらいに研究室に来て終日実験しています。林研究室はコアタイムがないので、用事があるときは早めに帰ったり、実験が長引いた時は夜遅くまで残るなど、自分で予定を組むことができるのはありがたいです。

林研究室のメンバーは、研究するときは一生懸命取り組んで、吹田祭でのソフトボールの試合など、イベントがある時はみんなで思いっきり楽しんでと、切り替えがきっちりしているなと思います。新型コロナウイルス感染の影響が落ち着き、留学生の方が帰国される時や試験が終わった後はパーティーをしたり、研究室の旅行も復活し、研究室内での交流も活発になりつつあります。

同じ研究室の先輩は卒業後、製薬会社や国の研究機関、化学メーカーなどに就職されていますが、私自身はいまのところ、将来は化学関連の企業の研究職に就き、環境に優しく生活に役立つ新しい物質の創造に挑戦したいなと考えています。

恵まれた環境をフルに活用し、100点満点の阪大ライフを目指したい

阪大工学部はとても恵まれた研究環境ですと語る阪本さん

阪大工学部の魅力は研究設備が整っているだけでなく、世界トップレベルの研究を推進している先生方がたくさんおられたり、論文で見かけたことのある著名な海外の大学教授や企業の方が阪大に来られて講演されるのを頻繁に聞くことができ、自分自身のステップアップを図れる、とても恵まれた研究環境だと思います。

林先生はとてもお忙しい先生ですが、私が自身の研究の進捗を発表した際には、的確なアドバイスをくださったり、学生のことも気にかけてくださる優しい先生です。

入学して最初の2年間はコロナ禍で色々な活動が制限されてしまったので、阪大工学部の満足度というと、今のところ75点くらいですが(笑)、大学院に進学し、この恵まれた環境をフルに活用して残りの25点を回収し、100点満点の阪大ライフを目指したいと思います。

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