工学研究科の特色・専攻紹介

工学研究科の特色

大学院の重視

工学研究科は、高度の専門知識を持つ創造的研究者と先進的技術者の育成を目指しています。本研究科は、昭和28年(1953)に新学制による修士課程・博士課程を有する新しい大学院として、旧制度の大学院の果たしてきた使命を更に大きく発展させる高度の教育と研究を行う組織としてスタートを切りました。当初は機械工学、応用化学、醗酵工学、冶金学、造船学、電気工学、精密機械学、応用物理学、通信工学、溶接工学、構築工学からなる11専攻が設置されましたが、科学技術の進歩と社会の要請に呼応して大きい発展を遂げ、平成5年(1993)には22専攻を有する規模の研究科になりました。

これらの専攻の大部分は工学部の各学科との関連で設置されたものですが、科学技術の学際的広がり、先端科学技術にかかわる教育・研究体制の整備、応用指向の技術教育から創造的研究能力・技術開発能力の養成に向けての教育重点の移行など大学院重点化改革の一環として、平成7年度から総合的再編を進めてきました。

平成7年度には、応用自然科学系(物質・生命工学、分子化学、物質化学、応用生物工学、精密科学、応用物理学の6専攻群)、平成8年度には電子情報エネルギー系(電子情報エネルギー工学、電気工学、通信工学、電子工学、情報システム工学、原子力工学の6専攻群)、平成9年度には、応用理工学系(知能・機能創成工学、機械物理工学、機械システム工学、電子制御機械工学、マテリアル応用工学、マテリアル科学、生産科学の7専攻群)、平成10年度には、地球総合工学系(地球総合工学、船舶海洋工学、土木工学、建築工学、環境工学の5専攻群)、平成16年度には、独立専攻としてビジネスエンジニアリング専攻が設置されました。平成17年度には、科学技術の急速な発展や多様化する社会の要求に対応するため、新たな学問領域を創成する目的で10専攻に、さらに令和2年度には9専攻に改組されました。

工学研究科では、大阪大学の伝統である自由で創造的な研究を行う学風を受けて、多くの世界的に優れた研究成果を上げています。また、優秀で創造力に富む研究者・技術者を育成するために工学研究科に所属する教員にとどまらず、
産業科学研究所接合科学研究所レーザー科学研究所サイバーメディアセンター超高圧電子顕微鏡センターなど、学内他部局から、また学外からも優れた教員を迎え、熱心な指導と活発な研究活動が行われています。

現在の工学研究科の入学定員は博士前期課程(修士課程)811名、博士後期課程184名で、昭和28年の新制大学院の発足以来、工学修士の学位取得者は30,705名、工学博士の学位取得者は7,644名(うち、課程博士4,690名、論文博士2,954名)となっています(平成31年3月現在)。学部卒業生47,135名(平成31年3月現在)とともに、産官学各界において重要な役割を果たしています。

大学院の標準修学年限は博士前期課程2年、博士後期課程3年ですが、優秀な学生は早期修了することもできますので、奮って大学院に進学して下さい。

工学研究科の教育目標および各ポリシー

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専攻紹介

工学研究科は、9専攻で構成されています。それぞれの専攻には多くの講座、研究領域があります。

生物工学専攻は120年以上にわたる歴史を持ち、醸造学・醗酵工学・応用生物工学の伝統と我が国における生物工学分野の発展を踏まえたバイオテクノロジーをベースに社会・産業界が直面する諸問題の解決に取り組んでいます。

特に、物理学、化学、生物学、化学工学、情報科学について幅広くかつ深い修得を行い、遺伝子から生態に至るまで生物科学の基礎的知識を体系的に理解し、さらには、様々な生物のもつ本質的なシステムとその動作原理を理解し、そうした知識や原理に基づいた工学的体系化と高度な応用を進めています。 また、企業との共同研究も盛んです。共同研究講座や協働研究所の設立や運営も行っており、産業を指向した「産業バイオテクノロジー」に取り組んでいます。

さらに、生物工学専攻では長年にわたり国際交流を積極的に進めてきました。そうした実績に基づいた国際連携を通じ、バイオテクノロジー分野のグローバルリーダーとして活躍する研究者や技術者の養成に取り組んでいます。

原子・分子を操る化学の知と技は、まさにモノづくりの究極の原点といえます。医学・薬学・材料・情報・環境・エネルギーなどのあらゆる研究分野を縦断的に結びつけ、さらに発展させるための原動力となっています。

応用化学専攻は、原子・分子レベルの視点から化学反応を巧に制御することにより、新しい無機・有機分子の創成、環境・資源・エネルギーの調和、超効率的分子変換法の開発などを目指した「分子創成化学コース」と、物質は原子・分子の集合体であるという観点から、最先端の機能性材料や生理活性物質等の優れた新物質の設計と創出、ならびにその応用を目指した「物質機能化学コース」から構成されています。現代社会の化学に対する期待と要請に具体的に応えるため、マテリアル化学、環境・エネルギー化学、生命化学の3つの研究分野を中心に、様々な分野と連携可能な研究および教育体制を整えています。

本専攻は「原子」、「分子」、「ナノマテリアル」に関わる次世代のシーズを創り出すことができる、自由な発想と国際感覚を備えた研究技術者を育成するための教育に力を入れています。

物理学系専攻は精密工学(物理工学)コースと応用物理学コースの2つからなり、自然界の現象を物理学に立脚して電子・原子・分子レベルから解明、制御、応用する研究を行っています。その理念は先端生産科学技術や先導的工学領域の開拓を図り、新産業創出へと展開して、豊かな社会の創造に貢献することです。

精密工学コースでは「究極のものづくり」を標榜とし、原子レベルにおける材料加工から単原子・フェムト秒オーダーの独自計測法の発明や新材料・次世代デバイスの開発に至るまで技術革新に必要な要素を全て取り揃えた教育と研究を行います。応用物理学コースでは新物質の創成、新奇物性の解明、原子・分子・ナノ・細胞レベルの革新的計測法の開発など、ナノテクノロジー、フォトニクス、バイオメディカル工学に渡る融合科学技術を開拓する最先端の研究に取り組み、世界で活躍する人材を育成します。

機械工学は、ナノ・マイクロテクノロジーから巨大システムまで、極めて広範な人工物や物理現象を対象とした、豊かな社会や生活を実現していく上で基盤となる技術を開拓していく学問分野です。機械工学がもたらす技術は、例えば、複合化するエネルギーや環境、医療や福祉、安全性など、様々な課題を解決していく上での重要な鍵となります。

機械工学専攻では、狭義の機械に止まらず様々なシステムの現象や事象を横断的かつ総合的に取り上げ、それらに潜む個々の原理と相互の連成を理解することを基本として、革新的な機械の開発・設計に向けた新しい知識と学理の創造を進めていくことを目指します。この目的のもと、本専攻は、機能構造学、熱流動態学、統合設計学、知能制御学の4つの部門から構成されています。

教育研究においては、各方面における深化と相互の連携による横断性を通じて、産業の根幹であるモノづくりの進化に貢献し、さらに、21世紀における社会の持続可能な発展に広く寄与していくことのできる人材を育成します。

マテリアル生産科学専攻

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自動車・車輌・船舶・航空機などの輸送機器、橋梁・建造物・プラントなどの社会基盤構造物、コンピュータ・情報携帯端末・インターネット関連機器などのエレクトロニクス製品など、現在社会の基幹をなす幅広い産業を支えるには、優れた機能を持つ新材料の開発とその製品化に至るプロセスの系統的な発展が必要で、豊かさ・利便性と環境との調和を考えた、人類に安心・安全と幸福をもたらす循環型社会の「ものづくり」が要請されています。「ものづくり」においては、資源から素形材の製造、人工物である工業製品や構造物の製造に至る一連の過程において、材料が様々に姿を変えながら有用な生産物に変化していくので、材料と生産プロセス・システム化を一つの流れとして捉えることが重要です。

マテリアル生産科学専攻では、材料科学と生産科学の一貫した教育研究体制をとり、材料の基礎物性、機能発現機構、材料加工・生産プロセス、構造化デザイン・評価とそれらのシステム化に至るまでの学問分野を体系的に教育します。それによって、「ものの流れ」と「情報の流れ」を有機的に結びつけ、材料の変遷を中心とした「ものづくり」の全体像を広い視野で捉えることのできる技術者・研究者を養成します。

電気電子情報通信工学専攻

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電気電子情報通信工学専攻は、電気工学部門、情報通信工学部門、電子工学部門の3部門からなり、電気工学コース、電子工学コース、情報通信工学コース、イノベーションデザインコース、グローバルサイエンス&エンジニアリングコース、エラスムス・ムンドゥスコースの6つの履修コースを提供しています。
本専攻は、ITエレクトロニクス、ユビキタスネットワーク、ナノテクノロジー、システム・制御、電力・エネルギー、ライフサイエンスなどの幅広い分野で先進的で独創的な研究を行い、世界をリードしています。また、産官学連携にも積極的に取り組み、大学発の『知』を産業に結びつけ、社会に直接役に立つ技術の創出に努めています。さらに、従来の学問分野にとらわれることなく、学際を開拓し新たな技術分野への展開も積極的に行っています。国際的水準で将来社会に貢献できる研究者・技術者の育成を教育の目標に掲げて、豊かで繁栄に富み人にやさしい社会の実現を目指す『夢』のある人材を育てています。

環境エネルギー工学専攻

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環境エネルギー工学専攻は、持続可能な人類社会の文明を支える工学的な教育と研究をおこなうために開設された新しい専攻で、15の基幹領域と複数の協力・連携領域で構成され、環境工学コースとエネルギー量子工学コースの2つの履修コースを提供しています。本専攻は旧環境工学専攻および旧原子力工学専攻が統合されたものであり、新たな地球社会の環境およびエネルギーに課せられた「持続可能性と共生」の命題に応えることを主眼に置いています。2専攻で培ってきた学術的精神、すなわち新規に領域を開拓するスピリットを改めて発揮し、環境とエネルギーの双方がもつ「人類の生存基盤」を築く研究と教育を展開することにより、そのシナジー効果を発揮できるような教育研究組織を目指しています。環境やエネルギーに関するシステム構築力や総合性、何よりも人類の共生を築くスピリットでは、各界から注目される専攻、学術組織として発展させることを構成員全てで確認しています。

地球総合工学専攻

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人類が地球にとび出して以来、地球は有限の快適空間であることが広く認識されてきました。このような快適空間を維持し、持続的発展を可能にしていくためには、人を含めた生物と自然の共生を目指して、科学技術を適性に適用していくことが大切です。 地球総合工学専攻では、人間と地球環境のあり方を見据えて、人を含めた生物に優しい空間や環境の創成、そしてその空間・環境の中で必要とされる各種構造物・施設などの建造や技術システムの開発などを目指す人材を育成しています。 本専攻は、船舶海洋工学科目、社会基盤工学科目、建築工学科目を基盤として構成され、海洋空間、社会基盤、生活基盤を保全・開発するとともに、地球環境のみならず地域環境にも配慮できる能力を総合的に養う教育・研究環境を備えています。 21世紀の地球を担うべく、意欲に燃えた若者の挑戦を多いに期待しています。

ビジネスエンジニアリング専攻

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これからの社会では、個人にコンセプトリーダーとしての強い判断力・決断力が求められることから、単に幅広い見識を有するだけでなく、研究開発からビジネス展開に至るまでの専門的能力が不可欠です。

異分野融合・連携を含めた新しい工学的研究開発から経営学的戦略構築を行い、「技術知」を用いて社会 や経済の活性化に貢献できる人材を育成することを目的としているのがビジネスエンジニアリング専攻です。そのために、講義やケーススタディのみに留まるのではなく、知識と経験を蓄積し強い判断力・決断力を育成する実践型演習:OJE(On the Job Education)方式による教育を行なっています。

また、学内および産業界から招いた多数の講師とのディスカッションを通じて、実際にモノ造りを実行できる能力や問題解決能力を培い、技術融合、新製品開発、ビジネス展開を具現化できる人材を育成しています。

知能・機能創成工学専攻

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2020年4月からの専攻再編に伴う就職支援体制について