研究成果 【プレスリリース】建物取り壊し後の景観シミュレーションを2種類の深層学習でリアルタイムに
DR(隠消現実)は、現実空間に存在する物体を他の物体で仮想的に隠す、塗りつぶすなどして、存在しないように見せるデジタル技術です。DRによる景観シミュレーション法はこれまで、取り壊す建物とその周辺の3次元モデルを事前に用意する必要があり、建物を取り壊した後の景観を表現するためには多くのコストがかかっていました。
本研究では、その事前準備のコストを少なくするために、2種類の深層学習モデル(物体検出、画像補完)を用いて、将来景観をリアルタイムに表現することを可能にしました。開発したDRシステムは、都市再開発予定地で使用するタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末と深層学習モデルが稼働するサーバー端末をネットワーク通信することで統合しています。さらに、深層学習モデルのひとつである敵対的生成ネットワークで画像補完された景観がどれほど正確なのかを評価する方法について検討し、人の色覚に沿った定量的な評価を可能にしました。
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本論文の著者である菊池拓哉さん(博士前期課程2年)は卒業論文でこの研究テーマに取り組み、博士前期課程に進学後も研究を発展させ、本成果を発表することができました。
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