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研究成果 【プレスリリース】アンドロイドの顔の表現力に新評価法-アンドロイドの表現性能はどこまで人に近づいたか?-

機械工学専攻 知能機械学部門 動的システム制御学領域(大須賀・杉本研究室)の石原尚講師は、皮膚の変形によって感情や性格、あるいは意図の情報を表示するディスプレイ装置であるアンドロイドロボットの顔の表現性能を厳密評価する新手法を提案し、この手法によって、アンドロイドの表現性能が「顔のどの部分にどの程度備わっているか」および「人と比較してどのように不足しているか」の詳細を明らかにできることを示しました。

従来、アンドロイドの顔に対しては、皮膚を動かす力を生み出す機械装置が皮膚と繋がる位置(皮膚駆動点)の一部の動きを組み合わせた場合に生じる、喜びや悲しみを表す「皮膚全体の動きの特定パターン」に焦点をあてた限定的な評価に重点が置かれ、顔という装置が備える「皮膚の各位置を多様に動かす」という総合的な観点での機械性能の評価は不十分でした。今回、石原講師は、皮膚の駆動点を最大限に動かした際に生じうる顔皮膚各部の多様な3次元運動のバリエーションを精密計測し、皮膚が運動しうる空間範囲を「表現力」の数値指標として採用する方法を提案しました。

顔の表現力の定量評価のための提案手法の概要

そして、最近開発されたアンドロイドを実際に評価し、表現力のレベルは顔の上部と下部で大きく異なることを示すとともに、表現力の分析によってそれぞれの部分に効果的な設計改善指針を見出しました。

人とアンドロイドの顔の表現力分布の可視化の結果

表現力の八面体表示による人とアンドロイドの表現力の差異

この手法により、今後、より表現力の高いアンドロイドの開発競争の活性化が期待されます。

石原講師Website

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