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研究成果 【プレスリリース】表面プラズモン共鳴による超高強度電磁場の実現

 電気電子情報通信工学専攻 電気工学部門 蔵満研究室の羽原准教授は、摂南大学、タタ基礎研究所(インド)、上海交通大学(中国)極限光基盤核物理学研究所(ルーマニア)らとの共同研究で、強いレーザー光を回折格子に照射させ、表面プラズモン共鳴条件という特定の条件でのみ、生成される高エネルギー電子が大幅に増大することを世界で初めて明らかにしました。これまでは強い強度のレーザー光では、回折格子のような微細構造は共鳴が起こる前に破壊されると考えられていました。
 今回、使用する高強度レーザーの波長に適した共鳴条件を満たす回折格子を作製し、共鳴条件と非共鳴条件での結果を詳細に比べることで表面プラズモン共鳴現象が高強度光でも起こることを示しました。これにより、高輝度量子線の効率的な生成や、量子的な真空の理解に必要となる超高強度場の実現が期待されます。
 本研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」に、10月7日(金)21時(日本時間)に公開されました。

(a)本研究で用いた回折格子を原子間力顕微鏡で撮影した表面図。
(b)実験概略図。回折格子に高強度レーザーを照射し、生成される高エネルギー粒子の放出分布を0から180°までカバーできる計測器で計測
(a)共鳴条件を満たす回折格子からの高エネルギー電子放出分布計測結果。
(b)非共鳴条件での結果。
(c)放出分布のラインプロットで、赤線は共鳴条件、青線は非共鳴条件、緑は構造のない平板の結果。
(d)粒子シミュレーションによる実験結果の再現。

羽原准教授Website

蔵満研Website