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研究成果 中野貴由教授が粉体粉末冶金協会「技術進歩賞」を受賞

マテリアル生産科学専攻の中野貴由教授が、UNIOS(R) PLスペーサ―の開発で、2022年度(一社)粉体粉末冶金協会 第41回技術進歩賞を受賞しました。2023年度(一社)粉体粉末冶金協会春季大会中の2023年6月6日(火)に早稲田大学 国際会議場にて表彰されました。

高橋広幸、伊東学、中野貴由:「レーザ粉末床溶融結合法による世界初の骨基質配向化誘導脊椎スペーサーの開発・承認・臨床応用」2022年度(一社)粉体粉末冶金協会 第41回技術進歩賞


(中野先生のコメント)
レーザ粉末床溶融結合法は、金属3Dプリンターの一種で、金属粉末を出発材料に非常に複雑な形状や内部の組織を制御できる方法です。今回この方法を用いて、骨組織の原子配列に注目しつつ、世界初の骨基質配向化誘導を可能とする脊椎スペーサーを開発し、PMDA承認、特定病院での臨床観察を経て、大規模臨床へとつながりました。本新規開発スペーサーは、数10~100μmの配向化溝を備え、骨芽細胞(骨を形成する細胞)を配列化し、健康な骨と類似の骨基質の微細構造を初期から誘導を可能とします。骨機能の回復のために、従来よりも5倍程度の速度で健全化が可能になることが期待され、今後脊椎疾患患者様のQuality of Lifeの向上につながるものと確信しています。マテリアルサイエンスは電子・原子レベルから、材料の開発や活用を行う学問ですが、その一つの実用化(臨床応用)例として今後幅広く使われることを願っています。

一般社団法人 粉体粉末冶金協会

中野研究室HP