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研究成果 SASTIA PRAMA PUTRI准教授が安藤百福賞を受賞

生物工学専攻(福﨑研究室/グローバル・フードアグリテック領域)のSASTIA PRAMA PUTRI准教授が、第28回安藤百福賞「発明発見奨励賞」を受賞しました。
本賞は、食科学の振興ならびに新しい食品の創造・開発に貢献する独創的な研究者、開発者およびベンチャー起業家を表彰するもので、1996年から実施されています。

SASTIA准教授は、「食品メタボロミクスと栄養疫学の組み合わせによる大豆発酵食品の健康効果の検証」のテーマで受賞されました。

SASTIA准教授はこれまでにも多くの食品の成分解析を行っており、今回はその知見を活かし、大豆発酵食品のインドネシアの伝統的な発酵食品である「テンペ」の応用およびその栄養成分・健康効果の検証を行いました。

研究室では色々な調理法が試され、料理をする場面が多くみられるそう。調理をした学生は「豆腐ハンバーグみたいな感じです」と話す

テンペは、インドネシアではとてもポピュラーな食品で、栄養価が高いことで知られていますが、その生理活性を担う主成分は不明です。
SASTIA准教授はメグルトールの同定とプロファイリングを例としたメタボロミクス×栄養疫学の独自のアプローチにより、この調査を行っています。

また、通常大豆を使って作られる「テンペ」ですが、これを様々な他の豆類で代用したり、また様々な調理法によって栄養価を最大化、最適化することを目指しています。

揚げる・ゆでるなど様々な調理法で調理されたテンペ
様々な豆類の試料
様々な豆類を使用したテンペ

今後は日本産の豆類を使用した、LDLコレステロールを低下させるメグルトールを豊富に含む新たな健康食品として、製品化につながることが期待されています。

<SASTIA PRAMA PUTRI准教授>
「網羅的な代謝物プロファイリングであるメタボロミクスの応用領域の食品機能解析への拡大」を研究テーマに掲げ、2023 年 4 月に「Global Food and Agritech」という研究グループを立ち上げた。
これまでにも福﨑研究室にて研究活動を行い、日本の醤油、インドネシアの大豆発酵食品であるテンペ、インドネシア固有の調味料である発酵エビペーストのテラシ、その他様々な熱帯の生物や生産物などの発酵食品にメタボロミクスを初めて適用し、熱帯の農産物(コーヒー、マンゴスチン、パイナップル、バナナ)や海産物(エビ)のグローバルな代謝物分析に関して、世界初の研究を実現してきた。現在は納豆など日本人にもなじみの深い大豆発酵食品に対しても分析を進めている。