研究成果 桑原裕司教授が日本表面真空学会 学会賞を受賞しました
物理学系専攻精密工学コースの桑原裕司教授が、2025年日本表面真空学会 学会賞を受賞しました。
本賞は、表面・真空科学において相当期間にわたって高い水準の業績を挙げることにより、同学会に貢献した功績の顕著な個人に授与されるものです。

桑原裕司教授は、STM円偏向発光分光法(STM-CLE)、円偏向探針増強ラマン分光法(CD-TERS)を可能とする複合解析システムを世界に先駆けて構築し、キラル分子系や、カーボンナノチューブ(CNT)に関する実空間観察・電子状態解析・振動解析(特に光学非対称性を積極的に分析するための円偏光発光検出、対掌性を区別したラマン振動分析、第一原理計算による分子配向、発光メカニズム解析)を行ってきました。
これらの研究によって、分子がクラスター形成することにより光学非対称性が反転・増大する現象を発見し、官能基の違いによりキラル認識のプロセスを制御可能なことを示すなど、薬剤の不斉合成プロセスの高度化や光学デバイス開発への応用にも非常に重要な成果を挙げてきました。
本研究成果は国内外で高く評価されており、多数の招待講演を行っています。
また、2018年には表面真空学会関西支部長・第1回学術講演会実行委員長を務め学会の発展にも寄与しており、これら一連の活動が評価され、受賞に至りました。