社会インフラが集中的に整備された高度経済成長期からおよそ半世紀が経過した今日,国内では社会インフラの老朽化や,自然災害リスクへの備えといった課題が顕在化しています.本領域では,これらの課題解決のために,既存の社会インフラをどのように管理・運営していくかというマネジメント問題に取り組んでいます.大きな研究テーマは2つです.1つは社会インフラの劣化予測という工学的課題です.もう1つは制約下における予算の最適配分という経済学的課題です.前者に関しては,数理統計学や人工知能科学をはじめとするデータサイエンスを駆使して予測モデルを開発します.後者に関しては,計量経済学を援用して最適問題の解法に取り組んでいます.さらに近年では分野横断的にデータを統合させて意思決定の高度化を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)技術や,科学的根拠に基づいてマネジメント施策を形成するためのEBPM(Evidence Based Policy Making)など,より俯瞰的な研究課題にも着手しています.