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環境容量を念頭におき、超長期に渡って、環境と産業活動に折り合いをつけることが求められています。そのためには、採掘・生産・消費・廃棄といった都市の代謝活動の支配断面からの排出物の動態特性を把握し、備える必要があります。そこで、サプライチェインとライフラインが交錯する課題として、大量の化学物質のリスク評価加速化のための手法開発や、自然災害によって流出した化学物質が環境や波及して与える影響のシミュレーション、ならびにヒト健康・生態系・社会へのリスク評価が課題となります。多様で進化を続けるリスクを飼いならすために内在する産業技術、電気自動車普及などに伴うレアメタル等の資源循環が環境に与える影響評価(ライフサイクルアセスメント/LCA)など、分野横断的研究を行っています。

地球規模から建築内空間に及ぶ広範なスケールを対象に、大気・水・熱エネルギーの環境循環や、環境媒体内・媒体間における環境負荷物質の動態を予測しています。そして、人間活動が人々の生活環境および自然生態系に及ぼす影響の評価や、環境を保全・回復・創造するための環境共生技術の探求を目指して、Monitoring・Modeling・Managementの3つの手法を柱とした研究を行っています。

人間と環境、自然との関係を洞察しつつ、都市空間・都市環境のしくみを解明し、その計画・デザイン手法を探ることにより、自然環境と人間社会が共生する持続可能な都市づくりを目指しています。

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環境を構成する人間・人工物・自然などの関係を総合的に設計する環境デザインに先進的な情報通信技術(ICT)を応用した環境デザインシステムの開発および環境そのものにICTを埋め込んだ新しい環境の創造に関する研究と教育を行っています。

微生物や植物など生物の力を利用した環境保全・浄化技術や資源・エネルギーの回収・リサイクル技術の開発を行っています。生物技術は、生来、経済性や省エネルギー・省資源性、環境適合性に優れ、環境技術として理想的な選択肢の一つです。生物体はバイオマスという再生型資源でもあり、環境保全・浄化に寄与しながら、同時に資源生産を行うことも夢ではありません。研究室では、訪問者に「環境技術のスーパーマーケット」と紹介しているほど、極めて多様な技術の開発に取り組んでいます。

地球循環共生工学領域では、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の17の目標のうち、特に目標7: Affordable and Clean Energy, 目標13: Climate Action, 目標14: Life on Land, 目標15:Life below Waterを対象とした工学技術の研究開発を行います。その際、他の目標との間に相乗効果を生み出すようなSDGsの連環 (Nexus) を強く意識し、様々な時空間スケールの課題に対して、生態系サービスの持続可能利用と生物多様性保全を軸とした自然・社会生態システムの全体最適設計を目指します。 研究開発の道具立てには、気候・生態・社会の理をフィールド調査で解明したり、数理モデルとして表現する種々のプロセスモデルを運用することに加え、機械学習に代表される人工知能系・データサイエンス技術を駆使して対象となる研究課題に取り組みます。研究室の共通基礎スキルとして、英語とデータサイエンス技術を習得します。

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都市エネルギーシステムとは都市へのエネルギーの流入とその転換、最終需要端を含むシステム、加えて、それらのプロセスを通して生じる環境影響の総体を意味します。システムをその構成要素である人、機器、建物、電力システム等に分解して個々の要素の実態とシステムにもたらす影響を把握するとともに、都市・都市圏・国家という「面」でエネルギーの需要をとらえ、最適化を行い、持続可能な都市エネルギーシステムのあり方を追求することを目的としています。

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