工学研究科 > 物理学系専攻 > 応用物理学講座

ナノ物性理論グループ

人類は、資源・エネルギー、食料と人口、気候変動・自然災害、都市化と貧困などの地球規模の課題に直面しています。それらを乗り越えて持続可能な社会を築くためには、人と人の絆、そして人と自然との共生を大切し、問題解決に希望をつなぐテクノロジーの発展が求められています。サステナブル社会の実現と価値ある未来のために、私たちは材料そのものの設計から、異種材料の組み合わせや新構造の採用によって、革新的な機能を発現するデバイスの創製を目指し、幅広い見地から次世代のグリーンナノエレクトロニクスを支える研究開発を進めています。

ナノ物性工学領域

当研究室では、物質の諸特性やダイナミクスを理論的に研究し、エキスパート研究者を養成しています。特に固体表面での反応における量子ダイナミクス、ナノ構造(ナノチューブ、量子ドット、超格子、ナノ合金、生体物質)の物性解明、機能デザイン(計算機マテリアルデザイン)を、進めています。このような研究において、物理の精神である普遍性をもとめ、我々を取り巻く自然界で生じる諸現象の理解を深めたいと考えています。また、構築した理論、得られたノウハウ等の産業応用も積極的に実施しています。

ナノマテリアル領域

ナノマテリアル領域では、カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェンなどの構造を思いのままに操る成長技術の開拓や、将来のナノデバイス応用に向けた新規機能を引き出す研究を進めています。そのための基礎となるナノ構造形成過程の背後にひそむ表面現象について原子レベルでの理解を進め、自己組織化によるナノ構造形成の研究へとフィードバックしていきます。さらに、これらナノ構造体が持つバルク材料とはまったく異なるユニークな物性を活用して、新機能ナノデバイスへと応用展開を図ります。

ナノフォトニクス領域

藤田研究グループは、プラズモニクス、非線形光学、ナノマテリアルを駆使して、これまでの常識を覆す全く新しいレーザー光技術を生み出し、光の波長の限界を超えた分解能でナノスケールの世界を計測し、制御・加工するナノサイエンスとナノエンジニアリングを研究しています。

ナノバイオ工学領域

ナノ・マイクロの構造体作製技術、流体制御技術、分光技術を駆使し、これらに機能性ナノ材料や遺伝子・酵素など優れた生体分子機能を融合させた1細胞・1分子計測バイオチップの創成に取り組んでいます。

ナノスペクトロスコピー領域

ナノスケールの試料を光を使って観察することは大変魅力的です。光は直接的に物質と相互作用するので、構成分子について多彩な情報を得ることができます。本研究室では、ナノスケールの空間分解能で分光測定を行う手法を開発しています。プラズモニクスと近接場効果を、ラマン散乱やフォトルミネッセンスといった分光法を組み合わせると、ナノの世界を可視光で見ることができます。

ナノエレクトロニクス領域

本研究室ではプラズモニクスやメタマテリアルの基礎研究を通じて革新的なナノフォトニックデバイスの実現をめざしています。 メタマテリアルでは2次元のメタマテリアルであるメタサーフェス(メタ表面)の研究を行っています。これは金属ナノ構造体や高屈折率誘電体をミー共振器として平面基板上に配列させたものです。メタ原子の散乱と吸収を制御することで、回折限界分解能を示すカラー印刷、完全吸収体や赤外線エミッターなど多様な機能を実現することに成功しています。また、プラズモニクスではプラズモニック導波路やハイパボリックメタマテリアルの研究を行っています。これにより、回折限界のために原理的に不可能と思われていた超微細かつ低消費電力のフォトニックデバイスの実現を目指しています。また、メタサーフェス完全吸収体を熱輻射フィラメントに応用し、黒体輻射を制御した高効率エコ電球のプロトタイプを実現しました。

先端物性工学領域

量子ビーム・イオンビーム・X線を用いた新しい計測技術の開発、ならびに新しい概念に基づく先導的機器開発を行い、バイオから無機材料に至る様々な材料の局所領域の構造、組成、電子状態の解析、ならびに表面・界面における反応素過程や新しい機能発現のメカニズムを原子・分子スケールで明らかにする研究と教育を行っています。

フォトニック情報工学グループ

准教授 小西 毅

本研究室では、超高速伝搬性・広帯域性・多次元性の観点から極限的な光である超短光パルスに着目した独創的な信号処理の「光化」の研究を進めています。その「光化」に必要な様々な物理現象やナノ光デバイス(シリコンフォトニクス)も重要な研究要素です。現在、インターネットに様々な「モノ」が接続されるIoT時代の到来を迎えており、ビッグデータなどの実世界からの超高速・超広帯域・超多次元な「信号」をIoTに資するための適切な形に変換する「信号処理」がますます重要となってきており、実世界と接する境界であるセンシングを含むICT技術のフロントエンドにおいて、”光”の持つ極限的な特徴を活用する挑戦:「光化」とその研究成果の社会実装に取り組んでいます。本研究室の取り組みは、産業界からも大きな期待が寄せられており、最近、一部の研究成果の商品化にも成功しています。

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