本領域では船舶の自動運航や海上における安全性確保、海棲哺乳類に対する船舶水中放射音影響に関する研究を行っています。船舶の自動運航実現、並びに深刻な海洋汚染や大量の人命喪失に繋がる海難事故防止を目標とし、人工知能技術、自由航走模型実験、非線形力学系理論、最適制御理論、確率過程理論などを用いて、船舶の操縦性・復原性の研究に取り組んでいます。船舶水中放射音に関しては、その評価法および低減法に注目した研究を行っています。これにより、船舶の自動制御技術確立、並びに、転覆事故を防ぐための復原性基準、船舶からの水中放射音推定法などグローバルスタンダード策定を通して、船舶設計・運航に貢献することを目指しています。
当領域では船体ならびに海洋構造物の構造強度に関する様々な研究を手がけています。最近の研究の例を挙げると、「船体桁の崩壊に関する流力弾塑性問題」、「船体の縦強度と横強度の連成問題」、「洋上風力発電の支持構造の波・風複合荷重下の応答」、「一点係留方式の浮体構造物の開発」、「大深度ライザー管およびドリルパイプの応答と疲労強度評価」、「魚網の挙動解析」、「大型浮体の強度評価」などがあります。スタッフ・学生を含めて25名にもなる大所帯で日々新しい成果を生み出しています。
船舶海洋流体工学領域では、理論流体力学(TFD)・実験流体力学(EFD)・数値流体力学(CFD)の手法を用いて、 船体や水中探査機、あるいは、水中探査機システム、再生可能エネルギー生成システム、海底掘削システムなどに関連する、さまざまな流体力学諸問題に関する教育・研究を行っています。
最近の研究としては、水中や水面を移動する移動体について、その流体力学性能評価・改良、水中でのテザーケーブルを含む水中探査機の挙動推定法の開発、大深度ライザー管の自励振動抑制装置の開発、ドリルパイプの潮流中挙動推定法の開発、洋上風力発電システム、潮流発電システム、波浪発電システムの開発・性能評価などに関するものがあります。