現実の多くの制御システムは、対象物理(フィジカル)システムとコントローラである情報(サイバー)システムが通信ネットワークを介して情報のやり取りを行うサイバーフィジカルシステムとみなせます。本領域では、システム制御理論・計算機科学・機械学習(AI) に基づいた、サイバーフィジカルシステムの設計・制御・最適化手法、ならびにそれらの成果の広範なシステムへの応用に関する研究と教育を行っています。
本研究室では、電力変換における回路動作での損失や、スイッチング動作に伴い発生する電磁雑音、損失により生じる温度上昇を評価・モデル化し、詳細に模擬した解析をベースに電力変換システムの省エネルギー化、小型軽量化、高性能化を目指しています。このためシステムで用いられているスイッチングデバイスや受動素子、実装方式等のシステムを構成する個々の要素を評価し、システムのモデル構築へとつなげています。
現在、人類社会は、温暖化を始めとする地球規模で生ずる地球環境問題に直面している。この中で、地球環境に関する様々な変数を計測するリモートセンシング技術は基盤技術であり、精確な計測や情報の抽出そして伝達は、安心安全な社会を構築する上で最も重要な課題の一つとなっている。本領域では、リモートセンシングシステムの研究開発を立脚点として、新たな計測手法の研究を通じ、基礎から応用まで、そしてハードからソフトまで幅広く研究を展開する。
また、「物事の合理的な決定」を数学的に取り扱う研究として、システム工学、数理・知能情報学、ソフトコンピューティングなどの境界領域の研究も進めており、最適化、 パターン識別、 カオス理論、 群知能技法などの開発・応用を研究している。
極限状態下のプラズマ現象を理解し、それをもとにした独自の応用展開を導くことで、宇宙物理学やプラズマ物理学を含めたプラズマ科学の分野を発展させるとともに、それをベースにした産業イノベーションにつながる研究を行っています。レーザー実験やナノ構造体の大量合成技術の開発を行うと共に、スーパーコンピューターを用いたシミュレーションを利用して現象の解明を目指します。幅広く米国、英国、フランス、ドイツ、中国、台湾、インドや核融合研、量研、レーザー研等の内外の研究機関や大学とも活発に共同研究を展開しています。
核融合エネルギーにおいて、安全かつ持続的にエネルギーを取り出すカギは適切な材料の選択とその制御法の開発にあります。我々は、多種のイオンが同時に入射し、また間欠的な熱負荷が加わる、非常に複雑な核融合プラ ズマと炉材料の現象の解明を科学的かつ工学的な視野から進めています。また、これらの知見を活かして、高気圧プラズマやヘリコンプラズマなどを用いた新たなプラズマ応用工学分野への展開も進めています。
本研究室では、「パワーレーザー技術を用いた極限状態の科学(高エネルギー密度科学)」に関する研究を行っています。高エネルギー密度科学は、レーザー加工など科学技術イノベーション創出から宇宙で起こる現象の解明などに役立つ学術研究として、世界中で注目されています。日本でも、2020年6月16日に、日本学術会議より「パワーレーザー技術と高エネルギー密度科学の量子的飛躍と産業創成」という提言が出されています。このような中で、本研究室は、レーザーによる高エネルギー密度科学の研究を通じて、持続可能な豊かな社会に貢献する研究や未知の世界を解明し未来の可能性を切り開く研究を行っています。これら研究を推進するために国内外(米、仏、独、英、伊など)機関との連携や国内外の最先瑞大型レーザー(XFELを含む)を利用した国際共同研究を行っています。
電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源プラズマは多価イオン収量が高いため、高エネルギー加速器などに利用されています。原子核物理などの理学分野、重粒子線がん治療などの生物・医学分野、更に、イオン注入、宇宙推進、バイオ・ナノ材料などの工学分野で幅広く利用されています。ECRプラズマの基礎並びに応用研究を推進するとともに、次世代を担う新しいビーム源開発に取り組んでいます。
本マテリアルイノベーション領域では、将来の環境問題と高度情報化社会の課題を解決するために鍵を握る新機能材料におけるイノベーション創出を目指し、特に新能波長変換光学結晶、窒化物半導体結晶に関する教育と研究を行っています。私たちの研究室では、基礎研究から産学連携・ベンチャー創生による実用化までを実践することで、研究者の養成と機能性材料の研究開発による社会貢献を目指しています。
本領域では、高度情報化社会をハード面から支えるため、ナノエレクトロニクス材料の表面界面物性の解明と機能探索、ならびに次世代ナノエレクトロニクス材料として有力視されている、カーボンナノチューブ・グラフェンや他のグラフェン類似層状物質等の低次元新材料をベースとして、センシングデバイスを中心としたデバイス創製に関する研究をおこなっている。
私たちは、ワイドバンドギャップ半導体を中心とした光材料に軸足を置き、新奇な(これまでにない)物性の探索、デバイス構造やシステムの提案・創出を目指して研究を行っています。具体的には、6G向けギガビット級深紫外LED光無線通信システムや、新しい分光分析技術(ODPL分光法)の独自開発などが挙げられます。私たちは、研究開発プロセス(基礎研究から応用・製品化)を一気通貫にて実施し、革新的技術を創出し続けています。
本領域では、高齢化社会における「健康長寿を支える未来医療イノベーション」を目指し、バイオマテリアル(骨、尿路結石など)に関する教育と医工連携研究を行っています。生体内では、骨や尿路結石などは、細胞・タンパク質が活躍する舞台です。私たちは、このマテリアルに主眼を置き、レーザー技術、超音波、光計測などエレクトロニクス技術を駆使して、生体化合物結晶化のメカニズムを解明し、骨の欠損・尿路結石・血管石灰化の新規治療法や予防法の開発を進めます。さらに、生物の結晶化戦略を応用した、新しい結晶材料合成技術の開発を目指します。
本領域では、有機分子・高分子系の材料を中心として、その電子・光物性を明らかにすると共に、エレクトロニクス、フォトニクスへの応用の可能性を探求しています。具体的には、自己組織的に分子が並んで機能を示す「液晶」と、π電子が電界・磁界・光と効率的に相互作用して高い機能を示す「π共役系分子・高分子」の研究をしています。
本領域では、超小型・省エネルギーな未踏波長域の光源の実現による低炭素社会への貢献や、量子並列超高速情報処理システムによるビッグデータ解析や人工知能といった次世代技術の発展を目指し、種々の量子光電子デバイスとシステムの開発を行っています。半導体レーザと非線形光学素子の集積、ワイドギャップ半導体量子構造を用いた量子光源の開発、巨大光学非線形性材料の探索に加えて、これらを集約した新規システムを開拓しています。
バーコードリーダー等の光源として身近にある半導体レーザは、理論上、サイズが小さいほど高性能になる。近藤研究室では、直径が約1ミクロンの円形共振器を研究開発している。左図は作製した共振器の電子顕微鏡写真、右図は共振器内部の光分布を示す。半導体内部に閉じ込められた光が回転しながら増幅する円形共振器をフォトニック結晶によってつくりだし、その近傍に光を取り出す光導波路を設置することで、エネルギーロスのない半導体レーザをつくりだそうというアイデアだ。完成すれば通信容量を一気に今の約100倍にできてしまう夢のデバイスなのだ。
新材料・新構造・新原理を用いたデバイス・集積システムの実現に向けて、計算物理をベースとした理論的な研究を行なっています。量子デバイスにおいて原子レベルで発現する物理現象の解明から、集積システムの高性能化に至る、広い階層をまたぐ研究を行なっています。
次世代IoT社会を支える半導体集積回路(LSI)の高性能化を目指し、超低消費電力回路設計技術、環境エネルギー利用システム開拓、生体・物理センシングインタフェース技術に関する研究を行っています。 LSIチップ、デバイスの設計、試作、評価を通じて、新規LSIアプリケーションの創出を目指して研究を推進しています。
生物の脳神経系は、現在用いられているデジタル計算機とは全く異なるアルゴリズム・アーキテクチャによって、感覚情報の知的処理を実現しています。本研究室では、中でも視覚神経システムが持つ計算原理・メカニズムを神経科学の様々な研究手法により調べ、その知見を元に生体模倣型の電子デバイスシステムを開発しています。また近年では、人工視覚補綴などの医用応用を目指した神経系とのインターフェイスデバイスの基礎開発研究にも注力しています。