工学研究科 > マテリアル生産科学専攻 > 構造化デザイン講座

ものづくりに必要な溶接・接合、切断、切削などの加工プロセスは、残留応力や変形などの力学的な影響をもたらし、製品や構造物の性能や信頼性にも関わります。「プロセスメカニックス」は、このような加工プロセスにともなう力学現象を、材料科学・プロセス物理・力学設計の相互作用を考慮して明らかにする新たな学問分野です。加工プロセスシミュレーションモデルの開発とそれによる加工部特性予測や設計・構造健全性評価への展開を目指した教育と研究を行っています。

構造物や工業製品の機能・性能向上のための材料設計、さらに材料特性からみた新たな構造設計に展開するための「材料ミクロ構造」−「材料・溶接部特性」−「構造性能」を直結するマルチ階層相互評価/デザインシステムを構築するための研究を行っている。延性/脆性/疲労/環境破壊のメカニズムの解明を目的とした実験・観察に始まり、微視的な損傷・破壊モデルの構築、構造部材としての性能を評価するコンピュータシミューション手法の開発研究などを通じて、次世代の材料、接合技術の開発、ならびに斬新な構造設計への展開を目指している。

ものづくりの現場では様々な加工がなされますが、不可避かつ様々な外乱の結果、意図せず欠陥が発生することがあります。溶接・接合においては、外からは見えない内部欠陥が発生し、これは継手性能を低下させるため、検査が必須です。しかし、欠陥発見後に後戻り工程が生じ生産効率が低下することや、検査そのものが難しく欠陥が発見できない対象があることなどが問題になっています。従来、施工後に行われている内部欠陥等検査を、インプロセスで計測しその場で品質保証ができれば生産技術の革新が期待できます。計測・検査工学領域では、レーザ超音波法による動的・非接触なその場超音波探傷や溶融池モニタリングとAIを組み合わせた溶込み推定といった、インプロセスに適用できる先進的な高度計測法を研究・開発しています。

素材や構造物の設計での強度・安全性基準を考慮し、高信頼性発現に向けた先端材料設計や安全性評価のために信頼性工学に基づくシミュレーション及び新技術開発を目指し教育や研究指導を行っています。医工学、エネルギー・環境、エレクロトニクス、防災・リスク、工学教育など多岐の分野のものづくりを異分野連携・産学連携により推進しています。

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