パナソニックグループの「幸せの、チカラに。」というブランドスローガンのもとで、パナソニックと大阪大学が保有する研究の情報・技術・人材・設備等のポテンシャルを掛け合わせ、社会を変える新しい価値を創造するイノベーションの場を構築するとともに、双方の高度な人材育成と協働研究を推進する。また、交流・協働を通じて、工学、理学、医学、経済学、心理学、など様々な分野の研究を融合させることでシナジー効果を創出し、お互いに高いレベルの研究と人材育成を行う。
現在、日本は生産・化学プロセスの革新・効率化に係わる技術を必要としています。マイクロ波加熱は、マイクロ波の振動電磁場との相互作用により、誘電体、磁性体を構成している双極子、空間電荷、イオンなどが激しく振動・回転することによって起こる内部・均一・急速加熱であり、経験的事象(反応時間大幅短縮、収率向上、選択性向上etc)からも、マイクロ波が化学プロセス技術に極めて有用であると考えています。しかしながら、これまでの研究は現象論に過ぎず、マイクロ波効果の本質に迫り、解明した研究はありません。
本講座では、学術的領域において、マイクロ波効果を解明し、マイクロ波の一般原理構築を目指して研究を行っています。さらに一般原理に基づく新規反応場の提案により産業界に応用展開したいと考えています。具体的は、内部均一加熱を用いた粒径制御された金属ナノ粒子合成、磁性損失を用いた磁性ナノ粒子合成、in situラマン測定によるナノ粒子生成過程解明、マイクロ波効果解明のための有機反応、マイクロ波プロセスに適した触媒開発など、マイクロ波化学の基盤となる研究、そして応用研究をしています。
本研究所では、データ駆動型社会で必要とされるデジタル化された基盤技術の構築と強化を目的に協働研究を実施しています。基盤技術の一つとなる熟練技術者の経験や勘のデジタル化には、実験やシミュレーションを含めたデータ収集技術と解析技術の習得が必要で、工学研究科の関連研究室や接合科学研究所、サイバーメディアセンターなど付属の研究所と学部横断的な研究開発をすすめています。
接合、塑性加工、鋳造等の生産基盤技術や生産にかかわる技術を収斂(コンバージング)することによって、生産技術を変革させ、ものづくりにおける国際的優位性を継続させることを目的として活動しています。また、これらの生産技術でエアコン、モータ、インバータ等の電機製品を革新させます。
平成23年(2011)夏に開設以来、本講座では、半世紀に亘り高速道路の建設・管理を通じて培ってきた技術力および経営力と、大阪大学が有する最先端の研究成果との融合を図り、将来的に必要となる高速道路の老朽化対策のための新技術や、道路会社としての経営基盤強化のための方策などの研究に取り組んでいます。
大阪大学-コマツの共同研究の拠点として、建設現場、生産工場現場の生産性向上の為、自動・遠隔化、効率化を実現する要素研究に取り組んでいます。ICTの活用に加え、大学ならではの視点・発想を活用し、制御、画像処理、センサ、シミュレーションを含めデータ解析など幅広い領域を、複数の研究室と共同研究を行い、現象の深堀、その要素技術のスピーディな確立を目指しています。
本講座では、様々なライフサイエンス分野、特に医療、創薬、再生医療、セルアグリカルチャーなどの幅広い用途に応用可能な新たな細胞制御技術の開発・事業化を目指し、大阪大学工学研究科有機工業化学領域と凸版印刷株式会社により共同研究を行っています。特に本講座では、高分子材料やタンパク質材料と細胞表面の相互作用を解析し詳細を明らかにすることで、細胞の接着・分化・増殖・自己組織化などの細胞機能を制御する技術の開発に取り組んでいます。さらに、当講座ではその技術を三次元生体組織の構築に応用することで、動物実験に変わる安価で効率的な医薬試験法や再生医療における安全な細胞移植への応用も目指しています。
「人」と「空気」のあいだに、いつもダイキン
当協働研究所は、2006年からダイキン工業(株)の化学研究部門が大阪大学内に最初に共同研究講座を設置したことに始まり、これまで多くの研究成果を創出してまいりました。2016年からは、空調部門や他部門も参画し、既存製品やシステムを革新するような基盤技術の創出を目指しています。我々ダイキン工業は今、より快適な住環境と地球環境を創造し続けていくために、そこに生活する人の視点で未来を見つめ、次世代技術への挑戦を加速させています。
本共同研究講座では、創薬研究や再生医療分野における細胞培養の安全性・安定性・再現性・生産性を実現するため、以下の研究開発を行っています。
・手作業による培養操作の機械化および装置化
・培養装置に適した培養容器などの消耗品
・培養画像を用いた客観的培養評価方法
・ハードウエアからソフトウエアまでのトータル培養システム
患者様のための再生医療技術の社会実装に貢献できるように装置・システム開発に取り組んでいます。
当協働研究所では、本学の協働研究所制度(2011年発足)の中で協働研究所からスタートする初のケースとして、次の100年に向けて持続的な社会の安定・成長に貢献することを使命とし、大阪大学とNTNがCo-creationへの変革を目指し、Open Innovationの下、「組織」と「組織」が共創して研究を企画・遂行しています。NTNの基盤技術を教員が支援して高度化を図る「テクノロジー・プッシュ」のベクトルと、阪大教員の100年先の社会像への取組をNTNが支援し次の社会を見据えた事業検討を図る「ビジョン・ドリブン」のベクトルを当協働研究所にてNext Generation(次世代)に向けて推進する『N型戦略』を基盤として活動しています。
アルバック未来技術協働研究所では真空技術をベースとして、フラットパネルディスプレイや半導体デバイスのための薄膜材料、成膜方法から、医薬品の保存など幅広い分野の基礎技術の研究を行っています。大阪大学の産学連携の枠組みを通じて相互の研究者の人財交流を図り、研究開発ネットワークを構築するとともに、医工学分野における学術の発展、技術課題の解決、および創造力豊かな大学の人財育成への貢献をめざします。
科学技術が社会や我々の生活スタイルを大きく変革していく中で、軽量化車両、超高層建築、エネルギー輸送やロボット共存社会を考え、我々に安全と安心を届けるリサイクル性に優れた鉄鋼材料の無限の能力を追及します。 マルチフィジックスな解析力を開発し、鉄のダイナミックな変形挙動を知ることから、時間軸を考慮した次世代型の材料研究を展開します。マテリアル生産科学系専攻を中心に、さまざまな研究部門との連携が鍵となります。
メタボロミクスは、生命活動により生じる様々な代謝物を網羅的に検出・解析し、生体内の生命現象を包括的に調べる学問であり、疾患予測、創薬支援、食品改良などの複雑系を科学的根拠に基づき解明することに有用です。本研究所ではメタボロミクス分野を中心に大阪大学の様々な先生方と協業を進めています。さらに、2021年度から島津社員を博士課程の学生として派遣する「REACHプロジェクト」を開始し、協業の更なる加速と研究成果の早期社会実装を目指します。
本共同研究講座では、再生医療などの未来医療向けのスマートファクトリーのデザインを確立する目的として研究開発に取り組んでいます。 細胞培養の様々なデータを収集・解析し、それをリアルタイムに活用できる革新的な再生医療等製品の製造システムの開発、医療データと製品データを結びつけることで製品の継続的な品質向上や治療予知に利用するシステムの検討、構築を目指します。
再生医療技術の産業化に貢献することを目指して、紀ノ岡研究室の持つ細胞関連技術と岩谷産業の持つ低温技術を活用することにより、細胞の保管・輸送に関する技術や装置などの開発を進めています。
電気自動車(e-Mobility)を核とした利便性・環境性・持続可能性を最大限に追求するスマートシティ・コミュニティの研究を進めています。電気自動車を含むマルチモーダルモビリティの解析、配送トラック・バス・業務用車両のための充電インフラの最適設計、モビリティ・エネルギー分野のセクターカップリングの効果分析などが当初の研究テーマです。そして、多彩な街を支えるスマートシティ・プラットフォームのプロトタイプを産官学連携で作り上げることを最終目的としています。
本共同研究講座では、様々な製品設計への利用が定着したCAE(Computer Aided Engineering)技術の次世代の姿を考え、必要な要素技術の研究と社会実装に取り組んでいます。結晶塑性解析を基盤としたVMT (Virtual Materials Testing) 技術、最先端の破壊予測評価技術、機械学習/AI技術を融合したデジタルツインによる実構造物の革新構造設計・評価手法の確立を目指します。
地球規模での気候変動への対応や、地表・大気・海洋の環境保全が大きな課題となっており、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現が命題となっています。この課題解決には、AI・IoT の活用が不可欠であり、電子デバイスなどに使われる銅やレアメタルの非鉄金属素材の重要性も益々高まってきています。
大阪大学工学研究科が有するマテリアルに関する先端技術と、JX金属が長年培った非鉄金属分野に関する技術とを融合させ、サーキュラーエコノミーの実現に資するビジョン共有型の産学連携による研究開発・社会実装に取り組みます。
臍帯由来間葉系幹細胞を用いた細胞治療の実用化に向け、安定的かつ大量製造を可能にする自動化システムの構築に取り組みます。また、製造から医療現場への輸送を含めた一連の工程をつなぎ、再生医療の社会実装実現を目指して参ります。
麹菌は日本醸造学会により「国菌」と認定され、我が国の伝統的発酵食品である清酒、醤油、味噌、みりんなどの製造に用いられる糸状菌です。本寄附講座は2021年10月に開設され、麹菌及びその類縁菌を含めた菌株のゲノム構造の多様性などを活用して、麹菌の育種研究を深化し、伝統食品には見られない新たな原料を用いた発酵食品開発へと結びつける研究に取り組んでいます。
当共同研究講座では、超音波のマイクロ流路内での化学反応の制御メカニズムの解明と超音波センサーに関する基礎研究をしています。また、蛋白質への反応制御に関する超音波と火薬作用によるエネルギー(ワンタイムエナジー)との比較基礎研究にも取り組んでいます。
当協働研究所は、理系人材の評価育成を目的として2021年9月に設立した本学初となる文理融合型の協働研究所です。大阪大学とパーソルテンプスタッフ(株)の両者が協働して、人材の職能分析とキャリアの可視化による評価法を構築し、バイオテクノロジー分野にかかわる高度人材育成の実現を目指します。
大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻松崎研究室、伊藤ハム米久ホールディングス株式会社、凸版印刷株式会社の三者の共同研究講座です。本講座は、松崎研究室の研究成果である3D細胞プリント技術を用いた培養肉作製法の基本技術をさらに発展させ、社会実装を可能にするための技術開発(喫食安全性の確保、コスト低減、大量生産化など)に取組みます。また、本講座は、培養肉未来創造コンソーシアムの研究推進拠点として、幅広い分野の方々と連携し、環境・食糧問題の解決や、人々の健康増進、未来の食の提案に貢献してまいります。
本共同研究講座は、2050年カーボンニュートラルに向けて、新たな洋上風車産業を国内に作り出す原動力となる研究室として、2023年3月に設立されました。洋上風車に関係する技術は様々な分野に跨っており、洋上風車を大型産業として発展させるためには、それらの要素を統合化する必要があります。本研究室では、それらの要素を共同研究としてインテグレーションし、洋上風車の産業化及び人材育成の促進に取り組んでいます。