クラウドやビッグデータといった言葉に代表されるように、情報ネットワークの成熟に伴い、情報ネットワークが担う情報伝送と伝送されたデータを加工する情報処理との融合が進んでいます。我々の研究室では、このような技術動向を踏まえた上で、平時、非常時を問わず、あらゆる状況下においてユーザーに対して適切な情報通信サービスを提供できるロバスト (頑強) な情報ネットワーク・情報システムに関する研究をしています。具体的な研究テーマは多岐にわたりますが、研究室で行っている全ての研究に対する一貫した姿勢は、確固たる理論に裏打ちされたネットワーク・システム設計法 ならびに制御法の確立を目指す、ということです。そこでは、モデリングとモデル 解析ならびに解析結果から得られた知見に基づいた、各種情報ネットワーク・情報 システムの設計法、制御手法、ならびに管理・運用手法の開発を行っています。
航空宇宙分野、エネルギー分野の発展に欠かせない先進構造材料、高温耐熱材料について、転位を初めとする格子欠陥の運動を自由自在に制御することで、その高強度化、高延性化、高靭性化を達成するための教育と研究を行っています。最近では、3Dプリンタを初めとする新規製造プロセスや中性子回折を初めとする新規解析方法も積極的に活用し、革新的な材料の創製を行っています。さらに、構造材料の研究で培ったノウハウを活かして、形状記憶合金、永久磁石等の機能性材料の高性能化にも取り組んでいます。
地球循環共生工学領域では、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の17の目標のうち、特に目標7: Affordable and Clean Energy, 目標13: Climate Action, 目標14: Life on Land, 目標15:Life below Waterを対象とした工学技術の研究開発を行います。その際、他の目標との間に相乗効果を生み出すようなSDGsの連環 (Nexus) を強く意識し、様々な時空間スケールの課題に対して、生態系サービスの持続可能利用と生物多様性保全を軸とした自然・社会生態システムの全体最適設計を目指します。 研究開発の道具立てには、気候・生態・社会の理をフィールド調査で解明したり、数理モデルとして表現する種々のプロセスモデルを運用することに加え、機械学習に代表される人工知能系・データサイエンス技術を駆使して対象となる研究課題に取り組みます。研究室の共通基礎スキルとして、英語とデータサイエンス技術を習得します。
第3の手法と呼ばれるコンピューターを用いた計算によるアプローチは、益々厳しくなる材料に関する社会からのニーズに応えるのみならず、社会へのシーズ提供を可能にしつつある。本研究室では、原子レベルから巨視的スケールまでの計算材料科学的手法を活用し、実験及び理論との有機的連携を通じて、既存の理論に囚われる必要のない新しい材料設計法の構築を通じて、新規材料開発を行っている。
高品位な薄膜作製を基盤技術として、次世代の電子デバイス(メモリ、記憶装置、演算素子など)に向けた新規ナノ材料の研究を行っています。自然界には存在しない材料を原子層レベルで設計し作製する、電子の電荷と磁気の融合など、ナノの世界ならではの材料を一緒に研究しませんか。
私達の研究グループでは「触媒機能を持つ分子」の特性に着目し、それを利用した新反応の開発を行っています。金属錯体触媒や有機分子触媒に構造的チューニングを施すことで、これまで実現できなかった高難度反応の実現を目指しており、(1)不斉触媒を利用したキラル分子の選択的合成、(2)炭素-水素結合の活性化を利用した機能性分子ユニット構築の効率化、(3)有機分子触媒を利用した不活性芳香族分子の化学変換を達成しています。
当研究室では、新規な金属錯体触媒の開発を通じた有機合成反応の革新を目指し、「新反応の触媒となる独自の金属錯体分子を設計し、その触媒機能を明らかにすること」を目的として研究を行っています。特に、入手容易な合成原料から複雑な構造の分子を短段階で得るための錯体触媒反応の開発、複数の官能基を有する有機化合物を原料とする選択的な官能基変換反応の開発、熱エネルギーに加えて、光・電気エネルギーを効率よく活用するための錯体触媒分子の合成、を中心として研究を進め、実験的・計算化学的手法を併用しながら、金属錯体が示す反応性を最大限に活用するための方法論を追及しています。
有機合成と分子間相互作用を巧みに組み合わせて、人と環境にやさしく、かつ環境保全や医療に役立つ高機能材料の開発を行っています。現在、(i)水や油の中に混入した有害物質を効率よく除去できる分子認識材料の開発、(ⅱ)低分子から高分子まで様々な分子の自己組織化能を利用したマイクロ及びナノ構造体の開発と利用、(ⅲ)弱い相互作用による分子認識を利用したキラル光反応の制御、(iv)光エネルギーを高効率に利用可能な超分子マテリアルの開発と応用、に取り組んでいます。
有機工業化学領域では、実用化を視野に入れた分子設計により高機能の新規材料を作製し、創薬や再生医療に役立つ三次元生体組織モデルの構築を目指しています。私たちの生体組織には、細胞と細胞の間に細胞外マトリックス(ECM)と呼ばれる糖タンパク質が存在し、細胞表面の微小環境を制御することで細胞の機能を調節しています。このECMの働きにインスパイアされた新規高分子材料を創製し、細胞表面の微小環境を制御することで、より生体に近い構造と機能を有する三次元組織体の構築が期待されます。
簡単な分子から、高度に機能化された化合物を合成することが精密有機合成化学の基本です。精密資源化学領域では、資源的にも豊富な典型金属の特性を生かして、従来の手法では達成できない立体および官能基選択性などを有する反応の開発を行なっています。 得られた成果は、機能性分子の合成、環境負荷低減プロセスの構築、生命工学への応用といった領域に貢献します。また、研究途上で得られた予期せぬ現象を迅速に新テーマとして設定し進めていく柔軟性を常に意識して研究を進めています。
太陽光エネルギーを利用して、水素やアルコール等の貯蔵可能なクリーン燃料を作り出す。“人工光合成”と呼ばれるこれらの反応は、実用化されれば世界のエネルギー問題が一気に解決する可能性のある究極のエネルギー製造技術と考えられています。当研究室では、生体機能の中心的な役割を果たしている“金属錯体”に注目し、人工光合成を実現するための基盤づくりに取り組んでいます。
遷移金属錯体分子は種々の分子変換反応の触媒として作用し、複数の分子から新たな分子を一挙に構築することが可能です。しかし、多数の触媒反応が開発されてきたものの、その中身(機構)の大部分はブラックボックスに入ったままでした。生越研究室では主にニッケルやパラジウムを用いた触媒反応を開発するのみならず、錯体化学の手法を駆使することにより触媒系の深部にまで光を照らすことをモットーとし、反応中間体の実証とこれを鍵とする新規触媒系の構築にも取り組んでいます。
有機化学を基盤として、新反応・新分子・新機能をキーワードに多彩な研究を展開しています。反応開発においては、既存の手法とは反応機構や結合の変換形式が根本的に異なる分子変換の創出を目指します。ユニークなπ共役電子系を利用する新しい機能性錯体の合成・反応に関する研究も行っています。代表的な研究課題は以下のとおりです。
1)「強い」化学結合の切断を可能にする触媒開発
2)ヘテロ原子を活用した新奇反応
3)開殻π電子系配位子を持つ錯体の合成と反応性
私たちは、生体分子や反応を生体が生きたままの状態で可視化することを目的として、化学原理に基づき設計した分子である「化学プローブ」の開発に取り組んでいます。化学プローブには、蛍光や磁気シグナルを発するスイッチ機能を組み込んでおり、そのシグナルを検出することで生体分子や生体反応を検出することが可能となります。現在、遺伝子発現や免疫現象に加え、骨粗鬆症や糖尿病に関わる生命現象を可視化する化学プローブの開発を行っております。
分子レベルにおける酵素触媒作用の解明と応用を目指して研究を行っています。主に,非ヘム金属酵素活性中心や新規な有機補欠分子属の酸化還元機能に着目し、モデル化学的研究を展開しています。さらに,得られた成果を基にして,新しい酸化還元触媒の開発や実際のタンパク質(酵素)を用いた研究にも発展させ,新しい「生命機能化学」の確立を目指しています。
当領域は電気化学を柱とし、表面・界面を自在に操ることによって新たな材料の開発を行っています。とりわけ常温で液体の塩であり、揮発しない性質もつ「イオン液体」に注目し、電子顕微鏡と組み合わせて新たな分析法を確立したり、従来にないメカニズムの電池を開発したりしています。また、蛍光発光する半導体ナノ粒子の開発にも精力的に取り組んでおり、光によって電子の流れを可視化することで、少し違った視点からナノ材料の性質を理解する研究を進めています。
自然界では水素結合などの可逆的な相互作用を効果的かつ選択的に使って素晴らしい機能を創生しています。私たちの研究室では、分子に備わった自然に集合する性質「自己集合能」と、集合する時に相手を見分ける性質「分子認識能」を利用し、あたかも思い通りに積み木を組み上げるかのように分子の集合体「超分子」を構築して、個々の分子では発現しないような新しい機能をもった材料の開発や、超分子化学における新たな原理の発見、タンパク質の構造機能相関の解明を目指しています。特に、分子の凝集相のなかで最も美しい相、すなわち分子性結晶に注目して研究しています。
私たちは、有機合成化学をコア技術として多様性に富んだ基礎研究を展開しています。おわん型湾曲π共役系分子「スマネン」のユニークな構造に基づく機能・性質の開拓、例えばスマネンの配列に着目したSinglet Fission活性や誘電応答などを示す有機分子の研究を行っています。また、分子が作る弱い分子間相互作用を活用して、刺激に応じて構造・機能を柔軟に変える「硬くて軟らかい」分子結晶マテリアルの開発も行っています。高分子で安定化された金属ナノ粒子触媒の開発も大きなテーマの一つです。特にナノ粒子を取り巻くマトリクスがつくる触媒環境に興味をもって研究しています。具体的には、親水性コロイド系での精密サイズ制御法や、バイオマス材料を含む様々な保護マトリクス(水酸化フラーレン、セルロースナノファイバーなど)の開発を行っています。これに加え、有機合成の研究室にも実装できるコンパクトなレーザーシステムを用いたレーザー化学の開拓や、放射光施設や電子顕微鏡を活用した触媒活性評価、構造・機能研究など幅広く展開しています。
当領域では、「有機合成化学・錯体化学」と「生物工学・バイオテクノロジー」を基盤とし、有機化合物や金属錯体、タンパク質や微生物などを広く取り扱った新規機能分子・機能材料の開発に取り組んでいます。具体的には、新規ポルフィリノイド化合物の有機合成や機能評価にはじまり、非天然金属錯体を補因子とする人工生体触媒の創製、超分子タンパク質複合体を活用したナノバイオマテリアルや高機能ハイドロゲルの開発など、多様な学際研究を実施し、新しい生物無機化学の分野を切り開くことをめざしています。
当研究室では,“ものづくり”の基礎研究に主眼をおき、シンプル(入手容易)な原料から使える物質(分子)の新しい合成方法の開拓を目的とし、効率性、選択性、およびグリーン性を備えた方法論を重視して研究しています。使える分子として有機合成に有用なビルディングブロック、機能材料を指向したフラーレンの誘導体、および天然物に導ける骨格などを取り上げ、それらの合成の新手法の開発を検討しています。
機能性無機材料に関する幅広い研究を行っている。現在は特に、イオン伝導性固体、ガスセンサ、環境触媒、無機顔料、蛍光体などの創成を目指し、新規な材料開発を行っている。イオン伝導性固体では、世界で始めて3価および4価カチオン伝導を実証した。環境触媒分野では、従来の触媒よりもはるかに低温で環境汚染ガスを浄化可能な触媒を創成し、無機顔料開発では、無害でありながら発色の良い顔料を実現した。
高分子材料化学領域では機能性高分子の精密設計・合成と物性・機能評価を研究しています。地球温暖化抑制に寄与できる独自設計のセルロースナノファイバー、バイオポリエステルをはじめとする再生可能資源を利用するバイオマスプラスチックの創製と物性制御、医療、環境、エネルギー分野での応用を目指した高分子ナノ多孔体の新規合成法の開拓と機能開発、ヒドロゲル材料の接着制御技術の開発を行っています。
光・電子・誘電特性を示す共役分子・高分子・超分子・有機無機ハイブリッド材料などのソフト材料をベースとして、そのナノ階層構造化・機能化及びミクロレベルでの特性評価に関する研究を行なっています。また、次世代陽電池や光触媒、光検出器に応用する新たな半導体材料の合成・開発と、基礎物性の解明を目指した新規評価法の開発を行っています。
有機分子が持つ光機能・電子機能に着目し、材料としての基礎的な性質を明らかにするとともに、新しい材料を開発して光・電子デバイスへと応用することを目標としています。このような研究分野は有機エレクトロニクスと呼ばれ、有機ELや、有機トランジスタ、有機太陽電池などがターゲットとなります。一分子の性質をデザインする有機化学から、半導体工学をベースとしたデバイス物理まで、異なる分野の視点から学際的な研究を行っています。
合金やセラミックスを中心とした多種多様な新規無機化合物を設計・合成し、革新的な固体触媒材料を開発します。反応としてはシェールガスやCO2の有効利用、水素製造、窒素変換などを対象とし、化学工業の発展や地球環境の改善に大きく貢献できる触媒づくりを目指します。また触媒の作用原理を物理化学的視点から原子レベルで詳細に解明し、基礎学理の追究と進展を目指します。
光および放射線により誘起される励起分子化学と機能分子化学を基盤として、空間的・時間的に制御した多種多様な励起方法を利用した高活性種反応化学や、分子・反応場の立体的・電子的・構造的・化学的性質を利用した反応制御化学の手法を用いた新しい光化学の研究を行っている。特に高次反応制御や、新機能性分子・高機能性材料、特に人工生体分子デバイスの創製を目指している。
有機物質の機能を分子レベルで解明し制御することを基盤として、優れた電子・光機能を有する化合物の開発および有機・分子エレクトロニクスへの応用を目指しています。拡張π共役分子の設計・合成と物性化学から有機半導体としての機能とデバイス評価までの一貫した研究を行っています。 応用分野としては、有機電界効果トランジスタ (OFET)、有機太陽電池 (OSC)、単分子エレクトロニクス、を対象としています。
環境安全研究管理センターにおいて研究を行っている。有機材料や医薬品合成の鍵となる中間体を効率よく合成する新たな方法を開発している。すなわち、環境にやさしい反応として、副生成物の産出しない方法やエネルギーを必要としない触媒反応を開発する。目的達成ために典型金属種を基軸として、高機能な試薬や触媒を開発する。さらに、環境に有害な有機物質の微量分析について、GC-MSを用いた研究を行っている。
セルロースナノファイバーとは、幅3-15nmのとても微細な繊維であり、地球上すべての植物に含まれる無尽蔵な天然資源です。 2008年、私達はこのナノファイバーを使って「透明な紙」をつくることに世界で初めて成功しました。そして現在は、セルロースナノファイバ-や透明な紙を用いた電子機器:ペーパーエレクトロニクス、分解性センサデバイス、触媒反応器:ペーパーリアクターの開発研究に取り組んでいます。
生物化学工学は、化学工学の方法論と考え方を生物に応用し、これを利用する学問体系です。私たちの研究室は産業生物化学工学を視点として、生物反応を産業応用するための研究をおこなっています。対象としては、抗体医薬や再生医療製品、ワクチンや幹細胞、そして微生物や産業応用酵素生産を目的とした、動物細胞、微生物細胞のセルエンジニアリングならびにその培養、さらにはダウンストリームまでを扱っています。
21世紀を迎え、環境、食糧、エネルギー問題が深刻化しています。今こそ「バイオテクノロジー」を鍵とした環境に優しい持続可能な社会システムの構築が熱望されています。『生物資源工学』とは、バイオテクノロジーの中核となる「バイオの力」を探索し、実用性を評価するための手法・技術を発見し、応用に結びつける学問です。我々は、メタボロミクス(代謝物総体解析)とイメージング質量分析をコア・コンピタンスとして問題解決に取り組みながら、バイオ業界の国際的リーダーたる人材を育成することをミッションと考えています。
私たちをとりまく環境の変化が、私たち人間を含めた生態系にどのような影響をおよぼすのかについては、十分な理解ができていません。そこで私たちの研究室では、環境と生命のかかわりをゲノムレベルで理解し、さらにこれを環境問題の解決に役立てるために研究をすすめています。
食品や医薬品の多くはバイオテクノロジーを利用して作られています。私たちの研究室では、食品やバイオ医薬品を構成する蛋白質、核酸、多糖、などの生体「高分子」の溶液やゲルの物性、構造、機能を理解し、高品質で安全な食品や医薬品の創出に貢献することを目標に研究を行っています。こうした研究のために、超遠心分析や粘弾性測定といった成熟した物理化学的手法と質量分析などの最先端の計測手法による総合的解析を行っています。また、生体高分子と様々な低分子から構成されている食品の物性と機能についての研究にも取り組んでいます。
当研究室では、植物細胞がもつ様々な機能をタンパク質、遺伝子のレベルで解明し利用することで、産業、人々の健康向上、食糧増産、環境保全に貢献することを目指しています。特に、植物が生産する様々な有用化合物の生産に関わる遺伝子を探索し、それらを微生物に導入することで有用な化合物を大量生産する試みや、植物が持つ遺伝情報を自由自在に改変して有用な形質を付与する「ゲノム編集技術」の開発と応用に力を入れています。
ヒト組織に対する生命現象を解明し、モデル化、最適化、計測、生産計画など細胞製造に関する応用研究を行っています。特に再生医療への応用が期待されるiPS細胞・間葉系幹細胞をはじめとした幹細胞の製造工程設計・品質評価・安定化に取り組んでおります。
当研究室のヴィジョンは、革新的バイオテクノロジーを創出することで、誰もが安心して暮らせる社会を実現することです。本ヴィジョンの実現に向け、オミックス科学・情報科学・合成生物学の枠組みを拡張し、主に微生物が持つ極めて多様な機能を分析・再構成・応用することで、次世代のバイオテクノロジーを開発しています。
ある種の微生物は、人類が到底生存することができない高温環境下や、強酸性・強アルカリ性環境下などの過酷な環境(極限環境)でも活発に生育できます。私たちは、こうした微生物が示すユニークな機能に着目し、それらの機能を支える生体分子(遺伝子や酵素タンパク質など)の働きや分子進化のメカニズムを解明しています。また、これらの生体分子を工学的発想に基づき人為的に組み合わせることで、産業的利用価値を有した新たな(天然には存在しない)生物機能を創り出すことに取り組んでいます。
私たちの研究室では、様々な生物(微生物、昆虫、植物、哺乳類細胞)を宿主とした医療用タンパク質生産技術の開発を行っている。特に、薬効に大きく影響する医療用タンパク質の糖鎖修飾に着目している。糖鎖修飾は生産に用いる細胞に依存し、ヒトと異なる構造の糖鎖で修飾された場合、ヒトに対して抗原性・アレルギー性を起こす可能性がある。そこで我々は、これら生産細胞の糖鎖修飾改変技術を開発し、ヒトに優しい構造を持った医療用タンパク質の生産にチャレンジしている。
最先端科学技術の進歩には、その鍵となる機能材料の高性能化や、全く新しい機能をもった材料の創出が重要です。現在、大気圧・超高周波プラズマの物理的・化学的特性を活用した低温・高速・高品質・エコクリーン成膜技術の開発と、高性能太陽電池、薄膜トランジスタ、高感度センサ等、新機能デバイスへの応用技術の研究を行っています。
極限精度のものづくり技術を実現するためには、固体と液体、及び、固体と気体(プラズマなど)の界面における相互作用を原子・分子レベルで理解し、サイエンスに基づいて制御することが不可欠です。当研究室では、原子配列が可視化できる顕微鏡や表面数原子層に感度を持つ表面敏感な分光分析法、量子力学に基づく高精度シミュレーションを駆使して、超精密な表面計測の研究を行います。また、新奇のエッチング現象を活用した高性能半導体ナノ材料の創出や、新しい表面プロセスの開発にも取り組んでいます。これらにより、生産技術の飛躍的な高度化、さらには、クリーンで快適なエネルギー利用社会の実現に貢献したいと考えています。
量子計測領域研究室では、独自の光・超音波計測技術を用いて物質科学・生命科学の幅広い分野にまたがる研究を行っています。1つの重要なキーワードは共鳴です。共鳴現象においては、力学情報・電磁場情報が増幅されるため、通常では観測できない重要な物質内部の情報を得ることができます。音(超音波)で光を制御し、また、光で音を制御して、独自の共鳴計測装置を開発し、ナゾの多いナノ物質や生体分子のキネティクスの本質を探求しています。また、独自の計測技術を基として、携帯電話等の通信機器に使用される次世代音響電子デバイスの研究や、診断・創薬に貢献する光・超音波医療機器の開発を行っています。
当研究領域では、原子・分子の世界を実際に観察・操作することから始まり、特に有機分子を操ることにより、ナノメートルの世界で「ものづくり」を制御することを目的としています。また、小さな世界のさまざまな現象に伴う、微小な物理・化学量を精緻に計測するための新しい装置を開発し研究を行っています。一方で、得られた知識をもとに、新しい概念に基づいた新規なデバイス開発にも取り組んでいます。
科学は、みえなかったものがみえるようになったときに大きく進歩します。我々が追究する「原子スケールの表面創成」はその進歩に貢献するコア技術です。当研究室では、プラズマ中の活性分子や溶液中の活性ナノ粒子を駆使することで、誤差 0.5 ナノメーターの精密さで理想の形状をつくり、その表面を世界で最も滑らかにすることに成功しました。原子レベルの確かさを持つ X 線ミラーや半導体基板表面をつくる技術を確立しました。X 線ミラーは、ナノ構造や細胞を観察できる X 線顕微鏡や、天文学を進展させる X 線宇宙望遠鏡に搭載され、科学の新たな扉を開いています。
より高性能な半導体デバイス、有機デバイス、高効率太陽電池、燃料電池等、新しい材料を作るには物質中の電子や原子の振る舞いを詳しく知る必要があります。しかしながら、実験的にそれらを調べることは困難な場合が多いです。そこで、我々は物理法則にもとづく精度の高いコンピューターシミュレーションを行うことで、物質の中の電子や原子の振る舞いを観察し予測することを行っています。量子力学の原理に基づく独創的な電子状態計算手法やシミュレーションプログラムを開発し、スーパーコンピューターを駆使して、物質の電気的・磁気的な性質や固体表面上での触媒反応の進み方など明らかにしています。それによって、新しい物質やプロセスを設計する指針を与えるとともに、実験グループと共同して理論的予測の実証を行い、産業、エネルギー、環境といった社会を支える分野に寄与することを目指しています。
人類は、資源・エネルギー、食料と人口、気候変動・自然災害、都市化と貧困などの地球規模の課題に直面しています。それらを乗り越えて持続可能な社会を築くためには、人と人の絆、そして人と自然との共生を大切し、問題解決に希望をつなぐテクノロジーの発展が求められています。サステナブル社会の実現と価値ある未来のために、私たちは材料そのものの設計から、異種材料の組み合わせや新構造の採用によって、革新的な機能を発現するデバイスの創製を目指し、幅広い見地から次世代のグリーンナノエレクトロニクスを支える研究開発を進めています。
革新的ナノスケールのイメージング技術の開発を進めながら、ナノ物質に発現する特異な物理・化学現象の探索と解明を進めている。具体的には、光誘起力顕微鏡を用いて、分子の電子遷移の誘起分極パターンを画像化し、光と物質の相互作用の本質に迫る研究を推進している。また、固体表面で発現する新奇な触媒反応の解明と探索を進めている。さらに、低消費電力・超高速なバイアスの開発に不可欠な半導体界面の散乱中心や界面電荷をナノメートルの空間分解能で可視化・解析する技術の開発を進めている。
ナノマテリアル領域では、カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェンなどの構造を思いのままに操る成長技術の開拓や、将来のナノデバイス応用に向けた新規機能を引き出す研究を進めています。そのための基礎となるナノ構造形成過程の背後にひそむ表面現象について原子レベルでの理解を進め、自己組織化によるナノ構造形成の研究へとフィードバックしていきます。さらに、これらナノ構造体が持つバルク材料とはまったく異なるユニークな物性を活用して、新機能ナノデバイスへと応用展開を図ります。
ナノスケールの試料を光を使って観察することは大変魅力的です。光は直接的に物質と相互作用するので、構成分子について多彩な情報を得ることができます。本研究室では、ナノスケールの空間分解能で分光測定を行う手法を開発しています。プラズモニクスと近接場効果を、ラマン散乱やフォトルミネッセンスといった分光法を組み合わせると、ナノの世界を可視光で見ることができます。
藤田研究グループは、光と分子・イオン・原子との相互作用を駆使して「ナノの世界を観る・操作する」ナノフォトニクス技術を研究しています。さらにナノフォトニクス技術を活用し、常識を覆すイメージング技術・センシング技術・デバイスの開発や、その材料科学、バイオメディカル分野での応用も展開しています。
本領域では、自然界に存在しないナノ物質の創製と、それらナノ物質で発現する新奇物理現象の解明、さらにナノ物質を用いたデバイス創出への応用研究を展開しています。具体的には、固体表面上に作製した原子レベルの厚さ・太さの2次元・1次元ナノ物質中に閉じ込められた電子の特異な振る舞いを観測し、その起源を解明しています。研究は、我々が開発・高度化した学内の装置に加え、国内外の放射光施設なども積極的に利用することで進めています。
本研究室ではプラズモニクスやメタマテリアルの基礎研究を通じて革新的なナノフォトニックデバイスの実現をめざしています。 メタマテリアルでは2次元のメタマテリアルであるメタサーフェス(メタ表面)の研究を行っています。これは金属ナノ構造体や高屈折率誘電体をミー共振器として平面基板上に配列させたものです。メタ原子の散乱と吸収を制御することで、回折限界分解能を示すカラー印刷、完全吸収体や赤外線エミッターなど多様な機能を実現することに成功しています。また、プラズモニクスではプラズモニック導波路やハイパボリックメタマテリアルの研究を行っています。これにより、回折限界のために原理的に不可能と思われていた超微細かつ低消費電力のフォトニックデバイスの実現を目指しています。また、メタサーフェス完全吸収体を熱輻射フィラメントに応用し、黒体輻射を制御した高効率エコ電球のプロトタイプを実現しました。
先駆的な光操作・光計測技術群を駆使し、新奇な物質・生命機能を探求しています。
❶レーザーによる秩序構造形成の自在制御:レーザーの物理的作用(熱・電場など)により分子や原子の集合・配列を自在制御し、従来法では得られない構造・形状・サイズ・機能を有する革新的材料(エレクトロニクス素子、医薬品、人工細胞など)の創製を目指しています。
❷ソフトマターの特異な構造・機能の解明:系の引力・斥力バランスを乱さない非侵襲な光計測技術を駆使し、膜、ゲル、細胞組織(オルガノイド)などの柔らかい物質群に特異な構造や機能を調べています。
先端物性工学領域(小野研究室)では、X線・中性子線などの量子ビームとインフォマティクス技術を組み合わせた先端計測・解析技術開発を行っています。材料の構造や物性をマルチスケールで解明するためのX線顕微鏡観察、機械学習を用いたデータ解析、ロボットによる実験の自動化、AIによる計測の最適化などに取り組んでいます。
透過型電子顕微鏡(TEM)を中心に新しい計測技術の開発、ならびに新しい概念に基づく先導的機器開発を行い、バイオから無機材料に至る様々な材料の局所領域の構造、組成、電子状態の解析、ならびに表面・界面における反応素過程や新しい機能発現のメカニズムを原子・分子スケールで明らかにする研究と教育を行っています。
人類は、資源・エネルギー、食料と人口、気候変動・自然災害、都市化と貧困などの地球規模の課題に直面しています。それらを乗り越えて持続可能な社会を築くためには、人と人の絆、そして人と自然との共生を大切し、問題解決に希望をつなぐテクノロジーの発展が求められています。サステナブル社会の実現と価値ある未来のために、私たちは材料そのものの設計から、異種材料の組み合わせや新構造の採用によって、革新的な機能を発現するデバイスの創製を目指し、幅広い見地から次世代のグリーンナノエレクトロニクスを支える研究開発を進めています。
半導体光触媒は、有機物に対する高い分解機能や光励起親水化機能などの
セルフクリーニング機能を有し、様々な環境浄化に重要な役割を担う。しかし、その反応機構については未解明な部分が多く残されている。原子間力顕微鏡を
駆使して、光誘起表面キャリアの挙動や光触媒プロセスなどの解明を進めている。このような研究は、従来の触媒にはない、新しい機能を持った触媒設計の開発や新しい物性を持った新奇材料の発見に結びつくものと考えています。
ナノテクノロジーとバイオロジー、さらにフォトニクスを融合したナノ・バイオフォトニクスと呼ばれる研究分野の開拓を行っています。金属ナノ粒子、金属ナノクラスター、半導体量子ドットなどのナノマテリアルに代表されるナノテクノロジー、赤外分光やラマン分光など分子を分析・識別する振動分光法、超短パルス光を用いる非線形フォトニクスを駆使し、細胞や生体分子を超高感度・高分解能でセンシングする技術の研究・開発を行っています。
私たちの身の回りには力を加えて変形させたり、温度や電場といった外部環境を変化させたりすることで、その機能が顕著に変化する材料が存在します。私たちはこのような材料に注目して、力学と機能の関係を利用した新たなガス/分子センサの開発、独自開発した技術を駆使した機能性ナノ材料の創出、力学特性の詳細計測に基づく固体材料の相転移現象の解明などに取り組んでいます。
材料力学・固体力学を基礎とした理論応用力学の研究を行なっています。物体を形作る「形態」と物体が発揮する「機能」は相互に密接に関連しています。物体の形態・機能が時間経過と共に変化していく様子を記述するのが動力学です。これらの変化は物体を構成する要素間の非線形相互作用や、外界との相互作用を駆動力として分岐や協調的なダイナミクスとして出現します。私たちの研究室は、多層的な構造とそれらの間の相互作用のモデルの構築およびその解析を行い、さらにその理論を実証することを通じ、マイクロダイナミクスの方法論の確立を目指します。
流体中に固体粒子を含む流れは、様々な工業装置中や自然界において広く見られます。その振る舞いは、粒子群が流れ中において作る構造により、大変複雑で興味深いものとなります。本グループでは、この種の流れ現象の物理の基礎的な理解促進を進めると共に、数値シミュレーションモデルの開発や、これらに基づいた応用研究を行っています。
乱流や多相流の諸現象、相変化を含む界面現象、伝熱および物質移動、流れと構造物との強い相互作用問題を扱い、流れをin silico (コンピューターの中)で限りなくin situ (自然のまま)に扱う物理法則に忠実な「数値実験」手法を確立するため、数値シミュレーションの方法、現象の解明と数式表現(モデリング)に関する研究を行っています。応用としては、高速車輌・航空機や流体機械のほか、生体系に関連する流れが含まれます。
固体材料中の弾性波・超音波の伝搬挙動解析を基礎として、新しい材料評価技術の考案、センサ技術の開発を進めています。特に,薄板状材料中を伝搬するガイド波については、新しい数値計算技術の開発からレーザ超音波や空中超音波といった先進的な非接触計測手法の提案まで行っています。
非線形(nonlinear)と非平衡(nonequilibrium)をキーワードとして、流体現象の解明とその機械工学への応用を研究しています。その中でもとくに、新しい流体力学のための新しい理論の創成を目指しています。
燃焼工学研究室では、高効率かつクリーンな燃焼技術に関する研究、新燃焼技術としてプラズマ支援燃焼技術、バイオマスの有効活用に関する研究、燃焼を用いた高付加価値物質の生成に関する研究に対して、非接触光学計測を用いた実験や素反応を考慮した数値解析による研究を遂行しています。
高エネルギー伝達技術の創成、省エネルギー、微小物質の移動現象制御へ貢献することを目的として研究を行っています。具体的には、数ナノメートルの半導体デバイスから核融合炉に至るまでの熱物質移動の原理を、原子・分子スケールのシミュレーションや実験により解明して、微視的なスケールから巨視的なスケールに至るまでの熱エネルギーの有効利用の拡大を目指しています。
設計工学領域では、優れた革新的なデザインを実現することを目指して、製品の開発や設計を価値・コスト・時間などについての様々な要因を総合的かつ系統的に考えつつ合理的に進めていくための理論や方法論、コンピュータ援用技術に関する教育と研究を行ってます。具体的には、Products、Process、Function & Structure、 System of Systems の4つの方向性を定め、研究テーマを展開しています。
本研究室は、『究極のものづくり・新しい付加価値の創造』をキーワードに、『世界最高水準の加工技術』・『世界初の加工技術』の創造・構築に取り組んでいます。具体的には、次世代デバイス基板の超高平坦研磨加工技術の開発、難削材の次世代切削加工システムの構築、ナノ-マイクロ構造からなる機能性表面を有する切削工具の開発、脳・脊椎外科手術における革新的低侵襲医療用工具の開発などを民間企業との共同研究のもと、積極的に推進しています。
21世紀に向けて“ものづくり”技術の高度化を達成するには、加工、計測、位置決めなどの全ての分野において、その技術をさらに向上させる必用があります。当研究室では、光を応用した精密加工・計測技術を基盤技術とした研究を中心に、“ものづくり”技術の新たな潮流を創出することを目指します。将来的には、ものづくりに関する研究、加工計測に関連する分野だけにとどまらず、光加工計測技術の環境分野への応用など、将来の日本の産業を支える基盤技術を生み出すための提案を行っていきます。
本研究室は、持続可能社会に相応しい人工物システムの在り方を構想し、地球環境、社会、経済の側面から人工物ライフサイクル、製品サービスシステムの設計方法論を体系化していきます。ベースになる学問は、設計工学、ライフサイクル工学、環境学です。
当研究室では、加齢や疾病などで心身機能に困難のある人たちの日常生活やリハビリテーションを支援するQOL(Quality of Life)テクノロジーとその周辺領域の基礎研究と応用研究に取り組んでいます。福祉分野では食事・移動・コミュニケーションの支援技術、健康分野ではフレイル予防や生活習慣病の早期発見、さらに人間拡張のためのソフトアクチュエータや感覚代行デバイスなどに関する研究開発を異分野融合で総合的に進めています。
本研究室では、制御理論、ロボティクス・メカトロニクス,学習理論,力学系理論,生物学などを駆使して、徹底的に「動くもの」を探究します。最近ではロボットと生物のロコモーション,光によるナビゲーション,量子化制御系の設計,制御工学と機械学習の融合,建設機械の自動化研究などに注力しています.本研究室では数理的な思考と実験的研究の両方を重視し,バランスのとれた研究スタイルを指向しています.
ある存在物が知的に行動するとはどういうことでしょうか?私たちは、この問に対して「制御の視座」で「知の秘密」の本質を見定めようとします。そうすると、その「知の源」は「脳」のみならず、「身体」と「場」の相互作用にこそ埋め込まれていると思えるようになります。本研究室では、このような態度で「知の不思議」に対して納得のゆく理解を探求しています。
機械と対象との相互作用に着目し、知能や情報の観点から新たな機械システムを創出することを目指します。具体的には、マニピュレーションを中心としたロボティクス・メカトロニクスに関する新奇技術の開発に挑戦し、基礎理論と数値シミュレーション技術の構築、実機による検証を行います。また、医歯学、食品学との学際的研究にも積極的に取り組み、ヒトの行動メカニズムの理解と機械システムによる再現に関する研究も行います。
バイオアクチュエータ・MEMS・ラボオンチップ・マイクロナノメカトロニクス・再生医療・創発化学をキーワードに、多くの革新的な生命機械システムを発表してきました。機械とバイオと化学を融合した、全く新しい発想の柔らかい生命機械融合ウェットロボティクス、ソフトマシン、自律機械システムを世界に先駆けて発信することを目標に、教育と研究を行っています。
宇宙機の軌道運動や姿勢運動、気球の飛翔運動の力学解析を基にした運動の安定性や制御手法の研究を行っています。燃料補給が困難な宇宙機を軌道力学を利用して効率的に軌道制御する手法の開発や、コントロールモーメントジャイロのような角運動量を有するアクチュエータを用いる場合の高速な姿勢制御方法の開発、観測用気球の3次元運動のダイナミクス解析と姿勢制御方法の開発などを、理論、実験、実機開発を通して行っています。
極微構造と材料物性との関連性を、ナノメートルの空間スケールならびにナノ秒の時間スケールにて解析して得られる情報に基づいて究明しています。最新透過電子顕微鏡法・電子回折法と電子・X線分光法を活用して、結晶格子欠陥に代表される物質の不均一性、0~2次元の低次元物質、電子励起により創成した準安定構造などを対象として解明し、これらの成果に立脚してマテリアルデザインを進めています。材料科学の根幹に迫る普遍的な共通原理の解明に向けた教育と研究を行っています。
電子の反物質である陽電子(ポジトロン)を利用することにより、材料の内部構造を原子サイズオーダで観察することができます。量子機能材料設計分野では水素吸蔵合金、自動車用アルミニウム合金などの金属材料から、強特電体として利用されるペロブスカイト型酸化物などのセラミックス材料において、優れた特性が発現する機構を、主として陽電子を用いた実験およびコンピュータ・シミュレーションにより解明し、新しい材料を設計するための研究を行っています。
光触媒・界面光機能材料・環境触媒・ナノ触媒などのエコマテリアルの材料設計を中心として、クリーンエネルギーの開発、省エネプロセスでの環境浄化・快適生活空間の実現に向けての基礎・応用研究を展開している。たとえば、太陽光の高効率利用を可能にする酸化チタン光触媒やナノサイズ空間を利用する光機能材料をイオン工学手法やケミカル手法により開発している。そのため、超微粒子・クラスター・薄膜・多孔質などの特殊形状を有する酸化物・半導体・金属・炭素材料を、放射光による構造解析や量子化学計算などの支援により、原子・分子レベルからデザインしている。
持続可能社会の実現へ向け、鉄鋼や非鉄金属材料の製精錬プロセスの低炭素化や、省エネルギー技術を支える半導体材料やセラミックス材料のプロセス開発を目指し、熱力学・高温融体物性・速度論等冶金学を駆使したプロセス設計・評価と、先端の可視化技術を用いた各種反応プロセスの見える化に取り組んでいます。
望みの機能を発現する材料の設計とその生産プロセスの開発は、常にモノづくりの基盤となります。持続可能社会確立が課題である現代では、省エネルギー、CO2排出削減、資源循環等の環境負荷低減も、材料設計とプロセス開発における重要な要素です。一方、3Dプリンターに象徴されるモノづくりのデジタル化は、材料設計とプロセス開発に新たな可能性と課題の両方をもたらしており、その中には既存の科学では予測や説明ができない現象も含まれます。私達は、コンピュータシミュレーション等の計算手法とプロセスモニタリング等の実験的手法を融合した新しい材料設計とプロセスの開発に役立つ計算手法やデータ解析手法等の学術的基盤技術の構築を通じて、新材料創製による生活革新と資源循環による持続可能社会確立に貢献するとともに、その基礎となる科学的知見を新時代の冶金学として開拓・体系化して継承することを目指します。
第一原理計算による機能性材料のデザインと、その実証実験を行う研究グループです。電子の励起状態が関わる様々な物理現象(有限温度磁性、外場によるエントロピー変化、電気・熱・スピンの伝導現象など)を、色々な理論的方法を組み合わせて表現する量子シミュレーション手法の開発を行います。開発した方法を用いて、高効率エネルギー変換材料や省エネルギー材料のデザインを行い、実証実験を行います。シミュレーションおよび実験結果の統計的学習により、材料探索のためのガイドラインを提供します。
研究テーマ
第一原理量子シミュレーション手法の開発
太陽電池材料、発光材料、熱電材料、磁気冷凍材料など、高効率エネルギー変換材料のデザインとその実証実験
スピントロニクス材料、高耐熱・高強度材料、超伝導材料など、省エネルギー関連材料のデザインとその実証実験
多元合金の物理特性の予測モデル構築と材料探索への応用
環境に優しい大規模情報化社会の実現を視野に入れた新規量子機能材料の創製を目的として、半導体の物性・機能をミクロな構造の作製・制御により効果的に発現し、自然界に存在しない新しい量子機能材料を創り出す「ボトムアップ型機能制御」に取り組んでいます。たとえば、原子レベルで制御された薄膜結晶成長技術により量子サイズ効果を効果的に発現させることができ、様々な色のレーザ・発光ダイオードや超高速なトランジスタを作ることができます。また、それ自体が機能を有する機能性不純物を半導体の中で操ることにより、その機能を極限まで高めることができます。
材料工学の立場から原子レベルで生命現象を捉えることで、疾患や外傷で失われた生体機能を回復させるための新しい材料設計・開発に取り組んでいます。とりわけ、遺伝子やタンパク質などのナノ生体分子から、細胞、組織、臓器にいたるまでの多階層3次元生体組織材料を工学的に操作し、個体レベルで生体機能を制御するための新しい材料開発や最先端計測に基づくバイオ工学融合研究を展開しています。金属3Dプリンティングや材料先端加工を駆使した細胞・生体制御と、材料/生体界面での機能発現メカニズム解明を両輪として取り組み、材料工学の観点から世界の医療技術革新を実現するための最先端研究を進めています。
多種多様な姿を示すプラズマを⾃在に用いることにより、医療・環境・エネルギー等、⼈類の抱える重要課題の解決をもたらすべく、プラズマの基礎研究から、物理と化学との融合が必要とされる各種応⽤研究までの研究を行っています。例えば、気相、液相、超臨界流体相雰囲気における新規プロセス用プラズマ源の開発・理解・制御や、新表面機能材料創成、機能性ナノ構造物質合成、バイオ・環境プロセス応用等の研究に取り組んでいます。
環境の多様化・過酷化に伴って、材料の劣化や損傷が社会問題となっています。水溶液および高温環境での金属材料の腐食・酸化過程とこれらの環境に耐える材料の開発に関する教育・研究を行っております。電気化学、表面分析機器や計算科学などを駆使して、材料表面機能を電子構造、光物性、生体適合性などからアプローチしています。一方、電気化学プロセスを用いた材料と環境の相互作用の制御による構造を規制した材料表面の創製とその応用に取り組んでおります。
グリーン/ライフイノベーションの実現に向けて、結晶学や結晶塑性学などの材料科学で培われた評価・解析・制御法により、生体組織の物性・機能解明とともに、それに基づく革新的な生体材料と航空宇宙材料の創製を目指した教育と研究に取り組んでいます。生体組織の特徴的な階層ごとの異方性配列・構造に学びつつ、金属3Dプリンタ(Additive Manufacturing: AM)と計算機シミュレーション技術を駆使することで、生体や超高温を含む極限環境下でさえも高機能発現を可能とする材料を創製するための“異方性材料科学”ともいうべき新たなジャンルの学問体系を築くことを目的としています。
新たな素形材(高加工性材料、高強度材料、軽量材料、高エネルギー吸収材料など)を創製するための新たな加工プロセスを開発する研究と、加工プロセスにおける組織・物性の発現機構や変形・負荷特性およびトライボロジー現象を解明・予測する研究を行っています。
金属薄膜・多層膜・人工格子・ナノ磁性材料の高機能化を目指し、電子物性、特に磁気特性・電子輸送現象・トンネル物性に着目して、その基礎物性と応用について、表界面物性という観点から教育と研究を行っています。
レーザやプラズマを用いた材料加工プロセスに対して高度計測技術と数値シミュレーション技術を融合・駆使し、プロセスの物理に基づいて現象を解明・予測・コントロールするための研究を推進しています。得られた知見を活かし、これまでにない普遍の真理に基づくまったく新しいプロセス開発を目指します。
ナノスケールからの材料構造設計をメガスケール生産での実現を念頭に、マルチスケールで生じる多様な界面を制御して、実社会の要請に応えうる材料開発を目指します。特に”プラズマ材料工学”を駆使することで、高品質化と高機能化、低コストと環境負荷低減など半ば相反する特性も両立しうる次世代材料、次世代プロセスの提案に挑みます。主要な応用研究分野は、高容量と高サイクル安定性が求められる次世代全固体電池向けナノ材料の創製、高速高品質の両立を可能とするメゾプラズマ高速エピタキシャルAD技術開発、次世代エレクトロニクス実装に不可欠な低温焼結型ナノ接合技術の開発とその高機能界面設計、マルチマテリアル化の社会実装加速化を支える異種材料接合技術開発を対象として研究を推進しています。
溶接・接合材料科学研究の高度化・先進化として、(1)統合的可視化理解や原子論的アプローチを指向したマルチスケール連成材料挙動の解明、(2)新材料・新プロセス対応の材料科学研究を指向した界面接合研究の新規展開、(3)材料と力学・プロセスとの接点を生じる溶接・接合現象の理解と予測を目指した材料・力学・プロセスの連携研究の推進を行っています。 これにより、材料挙動の高度予測、プロセス最適化、メカニズム探求、健全性・信頼性検証を実現し、”プロセシングメタラジー”の体系化を図ることが目標です。
溶接・接合における材料科学研究の高度化のため、溶接・接合プロセス工学領域と連携し、(1) 溶接・接合プロセスにおけるメタラジーの解明、(2) モデル化による予測ならびに制御技術の探索、および(3) これらに基づく溶接・接合部の性能向上に関する研究を推進しています。これらの取り組みを通じて、溶接・接合プロセスメタラジーの体系化と溶接・接合部の信頼性向上に資する技術確立を目標としています。
当研究室では、革新的な半導体超微細加工技術やバイオ材料プロセス技術の開発を目指して、プラズマ物理学、プラズマ化学、プラズマ物質相互作用に関連する学術分野において、実験およびモデリング・数値シミュレーション研究を行っています。医学部等他の学術分野の研究機関や企業との連携・共同研究も多く、国際的な研究ネットワークを構築しています。
低炭素未来社会のため、人類と自然が積み上げてきた「工学知」と「生物知」を紡ぐ生物規範の材料・生産プロセスを開拓します。データサイエンスによる省・創エネルギーを実現するナノ材料の開発とその応用、全く性質の異なる材料同士を「つなぐ・はずす」マルチマテリアル技術、エレクトロニクス材料の微細接合や先端半導体実装などを研究しています。原子・分子の結合からマルチマテリアル化までの生産プロセス理論・実験・シミュレーションを駆使し、将来のものづくりに変革をもたらすハイブリッド・マテリアル&プロセス技術を進化させます。
ものづくりに必要な溶接・接合、切断、切削などの加工プロセスは、残留応力や変形などの力学的な影響をもたらし、製品や構造物の性能や信頼性にも関わります。「プロセスメカニックス」は、このような加工プロセスにともなう力学現象を、材料科学・プロセス物理・力学設計の相互作用を考慮して明らかにする新たな学問分野です。加工プロセスシミュレーションモデルの開発とそれによる加工部特性予測や設計・構造健全性評価への展開を目指した教育と研究を行っています。
構造物や工業製品の機能・性能向上のための材料設計、さらに材料特性からみた新たな構造設計に展開するための「材料ミクロ構造」−「材料・溶接部特性」−「構造性能」を直結するマルチ階層相互評価/デザインシステムを構築するための研究を行っている。延性/脆性/疲労/環境破壊のメカニズムの解明を目的とした実験・観察に始まり、微視的な損傷・破壊モデルの構築、構造部材としての性能を評価するコンピュータシミューション手法の開発研究などを通じて、次世代の材料、接合技術の開発、ならびに斬新な構造設計への展開を目指している。
ものづくりの現場では様々な加工がなされますが、不可避かつ様々な外乱の結果、意図せず欠陥が発生することがあります。溶接・接合においては、外からは見えない内部欠陥が発生し、これは継手性能を低下させるため、検査が必須です。しかし、欠陥発見後に後戻り工程が生じ生産効率が低下することや、検査そのものが難しく欠陥が発見できない対象があることなどが問題になっています。従来、施工後に行われている内部欠陥等検査を、インプロセスで計測しその場で品質保証ができれば生産技術の革新が期待できます。計測・検査工学領域では、レーザ超音波法による動的・非接触なその場超音波探傷や溶融池モニタリングとAIを組み合わせた溶込み推定といった、インプロセスに適用できる先進的な高度計測法を研究・開発しています。
素材や構造物の設計での強度・安全性基準を考慮し、高信頼性発現に向けた先端材料設計や安全性評価のために信頼性工学に基づくシミュレーション及び新技術開発を目指し教育や研究指導を行っています。医工学、エネルギー・環境、エレクロトニクス、防災・リスク、工学教育など多岐の分野のものづくりを異分野連携・産学連携により推進しています。
高度情報化時代における安全・安心な社会構築のためには微細システムの創製が必要である。本領域では、ナノ-マイクロ異材接合プロセスの開発、異材界面の設計、電子デバイス用材料開発さらにはロボットAI検査や信頼性に至るまで電子デバイスの統合プロセス設計の視点から物理・化学現象に基づいた教育と研究を行っています。
当研究室では、ものづくりにおいて人間が行っている創造的な活動を、計算機を用いて知的に支援するための方法論の構築を目指しています。概念設計段階における製品使用時の不具合発生の予測、最小学習データによる機械部品の近似応力解析手法の構築、シミュレーションに基づいた柔軟構造物の設計およびハンドリング計画、全体最適な生産システムの構築と運用のための人工知能による支援等、創造性を要する作業を、経験の浅い作業者でも的確に行えるような計算機支援手法の開発を進めています。
我々は、電子顕微鏡を用いて、生体高分子複合体などの高分解能構造を決定することで、その生体高分子などの機能を分子・原子レベルで理解し、その応用につなげることを目指して研究しています。そして、電子顕微鏡による構造解析をより多くの研究者に利用してもらえるよう、高分解能構造解析のための超高圧や低温電子顕微鏡を用いた構造解析法の開発・改良を行っています。
現実の多くの制御システムは、対象物理(フィジカル)システムとコントローラである情報(サイバー)システムが通信ネットワークを介して情報のやり取りを行うサイバーフィジカルシステムとみなせます。本領域では、システム制御理論・計算機科学・機械学習(AI) に基づいた、サイバーフィジカルシステムの設計・制御・最適化手法、ならびにそれらの成果の広範なシステムへの応用に関する研究と教育を行っています。
本研究室では、電力変換における回路動作での損失や、スイッチング動作に伴い発生する電磁雑音、損失により生じる温度上昇を評価・モデル化し、詳細に模擬した解析をベースに電力変換システムの省エネルギー化、小型軽量化、高性能化を目指しています。このためシステムで用いられているスイッチングデバイスや受動素子、実装方式等のシステムを構成する個々の要素を評価し、システムのモデル構築へとつなげています。
現在、人類社会は、温暖化を始めとする地球規模で生ずる地球環境問題に直面している。この中で、地球環境に関する様々な変数を計測するリモートセンシング技術は基盤技術であり、精確な計測や情報の抽出そして伝達は、安心安全な社会を構築する上で最も重要な課題の一つとなっている。本領域では、リモートセンシングシステムの研究開発を立脚点として、新たな計測手法の研究を通じ、基礎から応用まで、そしてハードからソフトまで幅広く研究を展開する。
また、「物事の合理的な決定」を数学的に取り扱う研究として、システム工学、数理・知能情報学、ソフトコンピューティングなどの境界領域の研究も進めており、最適化、 パターン識別、 カオス理論、 群知能技法などの開発・応用を研究している。
極限状態下のプラズマ現象を理解し、それをもとにした独自の応用展開を導くことで、宇宙物理学やプラズマ物理学を含めたプラズマ科学の分野を発展させるとともに、それをベースにした産業イノベーションにつながる研究を行っています。レーザー実験やナノ構造体の大量合成技術の開発を行うと共に、スーパーコンピューターを用いたシミュレーションを利用して現象の解明を目指します。幅広く米国、英国、フランス、ドイツ、中国、台湾、インドや核融合研、量研、レーザー研等の内外の研究機関や大学とも活発に共同研究を展開しています。
核融合エネルギーにおいて、安全かつ持続的にエネルギーを取り出すカギは適切な材料の選択とその制御法の開発にあります。我々は、多種のイオンが同時に入射し、また間欠的な熱負荷が加わる、非常に複雑な核融合プラ ズマと炉材料の現象の解明を科学的かつ工学的な視野から進めています。また、これらの知見を活かして、高気圧プラズマやヘリコンプラズマなどを用いた新たなプラズマ応用工学分野への展開も進めています。
本研究室では、「パワーレーザー技術を用いた極限状態の科学(高エネルギー密度科学)」に関する研究を行っています。高エネルギー密度科学は、レーザー加工など科学技術イノベーション創出から宇宙で起こる現象の解明などに役立つ学術研究として、世界中で注目されています。日本でも、2020年6月16日に、日本学術会議より「パワーレーザー技術と高エネルギー密度科学の量子的飛躍と産業創成」という提言が出されています。このような中で、本研究室は、レーザーによる高エネルギー密度科学の研究を通じて、持続可能な豊かな社会に貢献する研究や未知の世界を解明し未来の可能性を切り開く研究を行っています。これら研究を推進するために国内外(米、仏、独、英、伊など)機関との連携や国内外の最先瑞大型レーザー(XFELを含む)を利用した国際共同研究を行っています。
電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源プラズマは多価イオン収量が高いため、高エネルギー加速器などに利用されています。原子核物理などの理学分野、重粒子線がん治療などの生物・医学分野、更に、イオン注入、宇宙推進、バイオ・ナノ材料などの工学分野で幅広く利用されています。ECRプラズマの基礎並びに応用研究を推進するとともに、次世代を担う新しいビーム源開発に取り組んでいます。
本マテリアルイノベーション領域では、将来の環境問題と高度情報化社会の課題を解決するために鍵を握る新機能材料におけるイノベーション創出を目指し、特に新能波長変換光学結晶、窒化物半導体結晶に関する教育と研究を行っています。私たちの研究室では、基礎研究から産学連携・ベンチャー創生による実用化までを実践することで、研究者の養成と機能性材料の研究開発による社会貢献を目指しています。
本領域では、高度情報化社会をハード面から支えるため、ナノエレクトロニクス材料の表面界面物性の解明と機能探索、ならびに次世代ナノエレクトロニクス材料として有力視されている、カーボンナノチューブ・グラフェンや他のグラフェン類似層状物質等の低次元新材料をベースとして、センシングデバイスを中心としたデバイス創製に関する研究をおこなっている。
私たちは、ワイドバンドギャップ半導体を中心とした光材料に軸足を置き、新奇な(これまでにない)物性の探索、デバイス構造やシステムの提案・創出を目指して研究を行っています。具体的には、6G向けギガビット級深紫外LED光無線通信システムや、新しい分光分析技術(ODPL分光法)の独自開発などが挙げられます。私たちは、研究開発プロセス(基礎研究から応用・製品化)を一気通貫にて実施し、革新的技術を創出し続けています。
本領域では、高齢化社会における「健康長寿を支える未来医療イノベーション」を目指し、バイオマテリアル(骨、尿路結石など)に関する教育と医工連携研究を行っています。生体内では、骨や尿路結石などは、細胞・タンパク質が活躍する舞台です。私たちは、このマテリアルに主眼を置き、レーザー技術、超音波、光計測などエレクトロニクス技術を駆使して、生体化合物結晶化のメカニズムを解明し、骨の欠損・尿路結石・血管石灰化の新規治療法や予防法の開発を進めます。さらに、生物の結晶化戦略を応用した、新しい結晶材料合成技術の開発を目指します。
本領域では、有機分子・高分子系の材料を中心として、その電子・光物性を明らかにすると共に、エレクトロニクス、フォトニクスへの応用の可能性を探求しています。具体的には、自己組織的に分子が並んで機能を示す「液晶」と、π電子が電界・磁界・光と効率的に相互作用して高い機能を示す「π共役系分子・高分子」の研究をしています。
本領域では、超小型・省エネルギーな未踏波長域の光源の実現による低炭素社会への貢献や、量子並列超高速情報処理システムによるビッグデータ解析や人工知能といった次世代技術の発展を目指し、種々の量子光電子デバイスとシステムの開発を行っています。半導体レーザと非線形光学素子の集積、ワイドギャップ半導体量子構造を用いた量子光源の開発、巨大光学非線形性材料の探索に加えて、これらを集約した新規システムを開拓しています。
バーコードリーダー等の光源として身近にある半導体レーザは、理論上、サイズが小さいほど高性能になる。近藤研究室では、直径が約1ミクロンの円形共振器を研究開発している。左図は作製した共振器の電子顕微鏡写真、右図は共振器内部の光分布を示す。半導体内部に閉じ込められた光が回転しながら増幅する円形共振器をフォトニック結晶によってつくりだし、その近傍に光を取り出す光導波路を設置することで、エネルギーロスのない半導体レーザをつくりだそうというアイデアだ。完成すれば通信容量を一気に今の約100倍にできてしまう夢のデバイスなのだ。
新材料・新構造・新原理を用いたデバイス・集積システムの実現に向けて、計算物理をベースとした理論的な研究を行なっています。量子デバイスにおいて原子レベルで発現する物理現象の解明から、集積システムの高性能化に至る、広い階層をまたぐ研究を行なっています。
次世代IoT社会を支える半導体集積回路(LSI)の高性能化を目指し、超低消費電力回路設計技術、環境エネルギー利用システム開拓、生体・物理センシングインタフェース技術に関する研究を行っています。 LSIチップ、デバイスの設計、試作、評価を通じて、新規LSIアプリケーションの創出を目指して研究を推進しています。
生物の脳神経系は、現在用いられているデジタル計算機とは全く異なるアルゴリズム・アーキテクチャによって、感覚情報の知的処理を実現しています。本研究室では、中でも視覚神経システムが持つ計算原理・メカニズムを神経科学の様々な研究手法により調べ、その知見を元に生体模倣型の電子デバイスシステムを開発しています。また近年では、人工視覚補綴などの医用応用を目指した神経系とのインターフェイスデバイスの基礎開発研究にも注力しています。
本研究室では、光ファイバ伝送技術と光スイッチング技術を利用して、増加の一途をたどるインターネット上を流通する情報を、より大量に、より高速に、より効率的に、より安全に伝送できる次世代ファイバネットワークの実現を目指して、デバイスレベルからネットワークレベルまでの幅広い研究開発に取り組んでいます。
本領域では、超高速ワイヤレス通信の根幹を支える伝送技術の研究を行っています。大容量多値符号化変調技術、大規模MIMO信号検出技術、超多数IoTデバイス接続技術、広帯域・低消費電力無線伝送技術、低演算誤り訂正符号化・復号技術、統計的信号処理および機械学習の無線通信システムへの応用、などについて研究しています。
近年、車や家電製品などが IoT 機器として多様・大量の情報をインターネットへ発信しており、このビッグデータの解析・利活用が次世代産業創生の鍵となりますが、その普及・発展のためには機器利用者のプライバシ保護が重要な課題となります。本研究室はビッグデータ解析・利活用でのプライバシ保護技術をはじめとするサイバーセキュリティと暗号理論の最前線を研究しています。
光通信はインターネットに代表される現在の情報社会の根幹を支える技術です。本研究室では光通信システムのさらなる大容量化・高機能化に向けた研究を行っています。具体的には、一本のファイバ伝送路で大量の情報を伝達する多重伝送技術、長距離伝送を可能とする光信号再生技術や誤り訂正技術、量子力学の原理を利用して絶対に安全な通信を提供する量子暗号通信技術、などに取り組んでいます。
環境容量を念頭におき、超長期に渡って、環境と産業活動に折り合いをつけることが求められています。そのためには、採掘・生産・消費・廃棄といった都市の代謝活動の支配断面からの排出物の動態特性を把握し、備える必要があります。そこで、サプライチェインとライフラインが交錯する課題として、大量の化学物質のリスク評価加速化のための手法開発や、自然災害によって流出した化学物質が環境や波及して与える影響のシミュレーション、ならびにヒト健康・生態系・社会へのリスク評価が課題となります。多様で進化を続けるリスクを飼いならすために内在する産業技術、電気自動車普及などに伴うレアメタル等の資源循環が環境に与える影響評価(ライフサイクルアセスメント/LCA)など、分野横断的研究を行っています。
地球規模から建築内空間に及ぶ広範なスケールを対象に、大気・水・熱エネルギーの環境循環や、環境媒体内・媒体間における環境負荷物質の動態を予測しています。そして、人間活動が人々の生活環境および自然生態系に及ぼす影響の評価や、環境を保全・回復・創造するための環境共生技術の探求を目指して、Monitoring・Modeling・Managementの3つの手法を柱とした研究を行っています。
人間と環境、自然との関係を洞察しつつ、都市空間・都市環境のしくみを解明し、その計画・デザイン手法を探ることにより、自然環境と人間社会が共生する持続可能な都市づくりを目指しています。
環境を構成する人間・人工物・自然などの関係を総合的に設計する環境デザインに先進的な情報通信技術(ICT)を応用した環境デザインシステムの開発および環境そのものにICTを埋め込んだ新しい環境の創造に関する研究と教育を行っています。
微生物や植物など生物の力を利用した環境保全・浄化技術や資源・エネルギーの回収・リサイクル技術の開発を行っています。生物技術は、生来、経済性や省エネルギー・省資源性、環境適合性に優れ、環境技術として理想的な選択肢の一つです。生物体はバイオマスという再生型資源でもあり、環境保全・浄化に寄与しながら、同時に資源生産を行うことも夢ではありません。研究室では、訪問者に「環境技術のスーパーマーケット」と紹介しているほど、極めて多様な技術の開発に取り組んでいます。
都市エネルギーシステムとは都市へのエネルギーの流入とその転換、最終需要端を含むシステム、加えて、それらのプロセスを通して生じる環境影響の総体を意味します。システムをその構成要素である人、機器、建物、電力システム等に分解して個々の要素の実態とシステムにもたらす影響を把握するとともに、都市・都市圏・国家という「面」でエネルギーの需要をとらえ、最適化を行い、持続可能な都市エネルギーシステムのあり方を追求することを目的としています。
私たちの研究室では、環境と調和する持続可能社会の実現とエネルギー問題の克服を目指し、サーマルマネージメントのための機能性材料の研究開発をしています。熱を電気に変換する熱電変換、熱を作る量子エネルギー、熱を再利用する蓄熱の3つの分野を研究の対象としており、様々な材料の性質を最大限に引き出すことで、地球温暖化問題やエネルギー枯渇問題の解決をはかり、社会に貢献していきたいと考えています。
エネルギー需要と供給の両面から、カーボンニュートラル実現に向けた技術開発、およびその実用的貢献を目指した研究に取り組んでいます。 太陽光発電や電気自動車等の分散型エネルギー資源の大量導入を実現するスマートグリッドの構築、電力品質維持や配電網の脱炭素化に向けたエネルギーマネジメントシステムの開発を軸として、持続可能な社会の構築を目指しています。
放射線技術,磁場技術,生体計測技術の3つの基盤技術をもとに,エネルギー分野,環境分野,および福祉分野の問題解決に貢献することを目指しています。具体的には,
・放射線が材料,生体,周囲環境に与える影響の評価
・磁気力制御による環境浄化,資源回収,低侵襲治療
・生体計測を用いた人の生活の質(QOL)向上に関する研究 を行っています。
生体組織光学・光生物学・レーザー工学・放射線生物学を基礎として、光・レーザーを用いた診断・治療や先端バイオ分析技術への応用、放射線生体影響に関する研究を行っています。赤外レーザーによる低侵襲治療、がんの光線力学治療、生体組織の光学特性値、レーザーイオン化質量分析、放射線生体影響の数理モデルなどが主なテーマです。基礎原理・装置開発・橋渡し研究に至る一貫した医工融合研究を通して、工学と医学の両分野を高度に理解する人材、放射線影響を数理的に理解する人材の育成、を行っています。
本領域では、原子力エネルギーの安全性や新概念についての研究と教育を進めています。現在は伝熱流動を基本とした液体金属流や高熱負荷を受ける物質挙動に関する研究に取り組むことで、中性子源や核融合発電等の新たなシステムの開発に資する研究を進めています。また、電磁流体の伝熱流動に関する研究も勧めており、そこから生まれる新たな安全システムや熱交換機器の概念を構築することを目指しています。
安全なエネルギーシステムの創生を目指し、燃材料の処理・処分に関する化学研究を行っています。具体的には液体系でのレアメタル、レアアース、およびアクチノイドの溶存状態の解析と化学分離を行い、バックエンド化学の高度化を目指しています。
当研究室では、医療、工学及び産業分野への放射線応用研究、そして、核融合エネルギーの研究を行っています。具体的には、大阪大学強力14MeV中性子工学実験装置オクタビアンを利用した核融合中性子工学研究と、新しいがん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の工学的研究を行っています。
本領域では船舶の自動運航や海上における安全性確保、海棲哺乳類に対する船舶水中放射音影響に関する研究を行っています。船舶の自動運航実現、並びに深刻な海洋汚染や大量の人命喪失に繋がる海難事故防止を目標とし、人工知能技術、自由航走模型実験、非線形力学系理論、最適制御理論、確率過程理論などを用いて、船舶の操縦性・復原性の研究に取り組んでいます。船舶水中放射音に関しては、その評価法および低減法に注目した研究を行っています。これにより、船舶の自動制御技術確立、並びに、転覆事故を防ぐための復原性基準、船舶からの水中放射音推定法などグローバルスタンダード策定を通して、船舶設計・運航に貢献することを目指しています。
当領域では船体ならびに海洋構造物の構造強度に関する様々な研究を手がけています。最近の研究の例を挙げると、「船体桁の崩壊に関する流力弾塑性問題」、「船体の縦強度と横強度の連成問題」、「洋上風力発電の支持構造の波・風複合荷重下の応答」、「一点係留方式の浮体構造物の開発」、「大深度ライザー管およびドリルパイプの応答と疲労強度評価」、「魚網の挙動解析」、「大型浮体の強度評価」などがあります。スタッフ・学生を含めて25名にもなる大所帯で日々新しい成果を生み出しています。
船舶海洋流体工学領域では、理論流体力学(TFD)・実験流体力学(EFD)・数値流体力学(CFD)の手法を用いて、 船体や水中探査機、あるいは、水中探査機システム、再生可能エネルギー生成システム、海底掘削システムなどに関連する、さまざまな流体力学諸問題に関する教育・研究を行っています。
最近の研究としては、水中や水面を移動する移動体について、その流体力学性能評価・改良、水中でのテザーケーブルを含む水中探査機の挙動推定法の開発、大深度ライザー管の自励振動抑制装置の開発、ドリルパイプの潮流中挙動推定法の開発、洋上風力発電システム、潮流発電システム、波浪発電システムの開発・性能評価などに関するものがあります。
船舶海洋構造物の資産保全管理に関連する材料関連技術(疲労・腐食防食)、氷海中の船舶・海洋構船舶海洋構造物の資産保全管理に関連する材料関連技術(疲労・腐食防食・摩耗)、氷海中の船舶・海洋構造物の耐氷設計(氷海性能、耐氷構造設計)、大型鋼構造物建造法(曲面成形、ひずみ矯正、品質管理)に関する教育・研究を行っています。
水波と浮体の相互作用を研究の柱とし、実海域での船舶の推進・運動性能に関する研究を理論・数値計算・水槽実験・オンボードデータ解析によって行っており、「船舶の波浪中推進性能解析システム」の開発では、解析ツールの統合によって産学連携に貢献しています。また海洋エネルギー・海洋空間利用に関連して、超大型浮体の性能に関する流体・構造連成応答の研究や、海洋再生可能エネルギーの利用に関する研究、洋上風力発電プラットフォームの開発研究も行っています。
社会基盤施設の長寿命化を図る上では、既存構造物の維持管理の高度化や新設構造物への高耐久材料の適用が求められています。 当領域では、構造物の点検に用いる非破壊診断や、繊維系材料による部材の補修・補強設計など、社会基盤構造物の設計および維持管理の合理化に資する最新技術に関する高度で先進的な教育・研究を行っています。
構造工学領域は、主として土木構造物を代表する橋梁を対象に研究を進めています。これまで、構造解析法の開発や精密な実験の実施により、構造物の破壊現象の解明、構造設計に有用な強度評価法を数多く提案し、その成果は設計規準や長大橋梁等の設計・建設に反映されています。さらに、構造物の長寿命化を目指した既設橋梁、接合部の健全度評価、熱加工技術を応用した補修補強法の提案、高性能鋼材を活用した設計法の開発など、構造物の性能向上にも取り組んでいます。
地盤は、社会・生活の基盤、水循環や動植物の生育の場、廃棄物の受け入れの場、エネルギー資源供給の場といった様々な重要な役割を担っています。本領域では、「地盤」の効果的かつ持続可能な活用を目的とし、様々な循環資材を用いた地盤の造成、廃棄物処分や土壌地下水汚染に対する地盤環境の保全、エネルギー生成後の副産物の地下貯留及び地熱資源の回収に向けた深部地盤環境の解明、といった地表面から地下深部までを対象とした様々なテーマに関する調査・研究、技術開発を行います。
国土開発保全工学領域は、通称「海岸工学研究室」と呼ばれています。開発と保全の調和をめざして、特に沿岸域に関する諸問題に取り組んでいます。たとえば、近年全国的に問題になっている海岸侵食、大きな災害をもたらす津波や高潮、日本の産業活動を担う港湾の施設、沿岸域の環境保全のために重要となる干潟や河口砂州などを研究対象とし、現地観測、水理模型実験、数値計算などを用いて、望ましい沿岸域の姿を実現する方法について考えています。
健全な水環境の創造と持続可能な水システムの構築を目指した研究を進めています。具体的には、都市河川の流動水質解析や人工的な水循環系を活用した栄養塩管理手法の提案など、流域圏の水環境健全化に向けた研究を行っています。また、沿岸域や汽水湖における流動水質モデルの高度化技術の開発や水・物質循環の定量的評価など、閉鎖性水域の水環境問題にも取り組んでいます。
当研究室では、SDGsに即した持続可能かつ包摂的な交通システムやまちづくりのあり方について研究を行っています。
1.社会の血流となる交通ネットワークの構築を目指し,地域公共交通システムの存続,統合交通の実現のためのMaaSアプリケーションの開発,シームレスな交通結節点の整備に関する研究を行っています.
2.賑わいのあるコンパクトな拠点づくりやStreet for allの実現を目指し,ひとの移動・回遊・滞留行動を分析し,歩行者・自転車・クルマ・緑が調和した移動空間デザインに関する研究を進めています.
3.高速道路などで発生する交通渋滞や事故の解決を目指し,ドライビングシミュレーターを用いた室内実験を通じて,運転者と道路の関係を分析しています。
社会インフラが集中的に整備された高度経済成長期からおよそ半世紀が経過した今日,国内では社会インフラの老朽化や,自然災害リスクへの備えといった課題が顕在化しています.本領域では,これらの課題解決のために,既存の社会インフラをどのように管理・運営していくかというマネジメント問題に取り組んでいます.大きな研究テーマは2つです.1つは社会インフラの劣化予測という工学的課題です.もう1つは制約下における予算の最適配分という経済学的課題です.前者に関しては,数理統計学や人工知能科学をはじめとするデータサイエンスを駆使して予測モデルを開発します.後者に関しては,計量経済学を援用して最適問題の解法に取り組んでいます.さらに近年では分野横断的にデータを統合させて意思決定の高度化を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)技術や,科学的根拠に基づいてマネジメント施策を形成するためのEBPM(Evidence Based Policy Making)など,より俯瞰的な研究課題にも着手しています.
地震の揺れに対する建物の耐震性向上を目指して、震源から建物まで幅広い事象を研究しています。具体的には、巨大地震の震源のモデル化、強震動評価、地形の入力地震動への影響評価、免震・制震構造、杭基礎構造、複合改良地盤、基礎と地盤の相互作用についての研究を行っています。
コンクリートを用いた各種構造形式:鉄筋コンクリート、プレストレストコンクリート及びCLTコンクリート合成構造などの諸部材のひびわれ発生から、 破壊までの基礎的な耐震性能やそれらを用いた中高層、超高層建築架構の耐震的・力学的性状の研究を行っています。
建築構造物の中で鋼構造、鋼・コンクリート合成構造を主な対象として力学的な研究をおこなっています。その目的は、地震、 台風、雪などの荷重に対して安全で快適な建築空間を構成するための理論・手法を開発することです。具体的にはコンピューターによる数値解析や理論を確認するための実験を行っています。
当研究室は人間と空間との関わりを深く考察し、人・社会・コミュニティが過去から未来へとより良く、より豊かになるための、建築・都市・地域空間の計画・デザインに関する研究と実践に取り組んでいます。人間と環境とは本来は「一体」でありともに進化し発展するという「人間・環境系」の視点を持ち、さらに私たちが直接体験する空間は、目に見えない社会組織、イメージ構造、経済的構造、地形・地盤によって支えられているという「地域コンテクスト」の観点から、研究・デザイン・まちづくりを展開しています。
建築あるいは都市空間における「空間構造・社会システム」と「人間の行動・心理」との相互関係を解明することにより、建築や都市の空間構成、防災計画、地域施設、住宅・住宅地の整備手法等に関する研究を行っています。
本領域は、快適で健康的な居住空間、自然エネルギーを利用した環境調和建築、省エネルギー建築の実現のため、建築や都市における熱・空気・光・音などの諸環境を対象として「ひと」から「建築」に至る以下の分野での幅広い研究を行っている。
・環境心理生理:物理刺激と人間の心理生理反応との関係
・建築環境工学:建築環境の解析手法及び評価手法
・建築設備工学:設備システムの設計手法及び評価手法
建築・都市形態工学領域は、建築や都市を形態に関わる課題として捉え、その形態構成のデジタル化に関する研究、サイバーコミュニティの構築に関する研究、群集行動シミュレーションの開発、建築設計におけるデザインとBIM化に関する研究、図学と図形情報処理に関する研究などを行う。
私たちは、安全で安心な現代生活を支える技術、”レーザー”を研究の対象としています。特に、パワーレーザーの開発およびその超精密制御と応用研究を統合し、「パワーフォトニクス」分野を構築することを目指しています。パワーレーザーシステムの開発としては、超短パルス・超高強度レーザー、GHz繰り返しレーザーなどを含んでいます。また、時空間領域での光構造の超高精度制御技術の開発も行っています。これらの技術を活用し、ナノマテリアルの創出、プラズモニクスの応用、高効率エコ加工など、多岐にわたる研究を進めています。
様々な非線形電磁現象をともなう高密度プラズマの電磁工学を大型コンピユーターによるシミュレーションと理論及び実験により開拓、特に高出力レーザーと固体ターゲットとの相互作用で発生する高エネルギー密度プラズマの流体・粒子運動、X線放射、粒子加速等の研究をしています。具体的には、超高強度・超短パルスレーザーとナノチューブとの相互作用によるプロトンビーム生成、相対論的プラズマの膨張、レーザー核融合のターゲット設計、宇宙流体プラズマ研究等をおこなっています。
本領域では深紫外コヒーレント光を発生する高品質非線形光学結晶を開発し、Society5.0で求められている革新的なレーザー加工技術の実現を目指して産学連携研究を進めています。また、未踏電磁波のテラヘルツ波とメタマテリアル技術を組み合わせ、新しいテラヘルツデバイスの開発や物性測定、超高速分光の研究にも取り組んでいます。 (1)深紫外光発生用非線形光学結晶の開発 (2)革新的な深紫外レーザー光源の開発とその応用展開 (3)テラヘルツ工学の推進 -デバイス開発・メタマテリアルの応用- (4)テラヘルツ波パルスを用いた物性測定・超高速分光
ネットワークやセンシングで得られる膨大なデータには、役に立たない情報もたくさん混じっています。しかし、有用情報の抽出には何も道具を使わない人手による解析はあまりにも非力です。そこで私たちは、コンピュータが膨大なデータから知識を読み取ったり、発見したりできるようにするための新しい推論方法や技術を研究しています。このような技術を機械学習、データマイニング(データからの知識発掘)または知識発見といいます。そして、これらを科学、情報ネットワーク、品質・リスク管理、医療、セキュリティー、マーケティング、エネルギー、金融など、様々な分野のデータ解析に役立てる研究もしています。
コンピュータやロボットが人間にとって身近な存在となるには、音声を使って人と対話する機能が必須です。本研究室では、音声認識技術を用いて人間と対話するシステムの研究をしています。音声信号処理や自然言語処理、機械学習などの技術を基礎として、対話を通じた知識獲得やマルチモーダル対話システムなど、機械が人と話すことやことばの理解に関して様々な研究を進めています。
量子システム創成研究分野では、電子スピンや光子の量子力学的性質を利用した量子情報処理や、新しい光・電子・スピン材料の創製と融合に基づいたスピントロニクスの研究を行っています。高品質材料の創製から評価、そして精密な量子輸送測定まで一貫して行い、光、電子、スピンの自由度を自由に操る量子ナノ構造がもたらす新しい現象の発見を目指しています。
ミクロン・ナノ・原子スケールの目に見えない微細な世界を可視化する装置が電子顕微鏡である。本講座では、電子顕微鏡計測の最先端を切り開く様々な手法・技術の開発に取り組んでいる。世界最高加速電圧を誇る300万ボルト超高圧電子顕微鏡をはじめとする種々の最先端電子顕微鏡群を駆使し、極微物質の精密三次元計測手法の開発、レンズを用いない新しいナノイメージング手法の確立、レンズの不完全性を補った収差補正技術によるデバイス材料計測への応用、などに精力的に取り組んでいる。
研究概要
本領域は、ビヨンド5Gでの利用が期待されるテラヘルツ波工学の創成に貢献し、ナノ材料などの新規テラヘルツ機能の開拓やテラヘルツフォトニックデバイスの開発、および新規テラヘルツ計測システム技術開発を行っています。また、テラヘルツバイオセンシングの分野開拓も進めており、常に新しい課題に取り組むとともに、独自に開発したテラヘルツ計測システムを利用して、基礎科学から産業応用まで幅広い研究と独創性にあふれた研究者の育成を行い、これら研究・開発・教育成果による社会的貢献を目指しています。
主な研究テーマ
【1】テラヘルツバイオセンシングイメージング研究開発
【2】ナノ材料・ワイドギャップ半導体の超高速光・テラヘルツ波機能の探索
【3】AI・機械学習を用いたミリ波3Dイメージングシステムの開発と応用
【4】新規分析機器開発とその産業応用
産業用の3Dプリンタを駆使して、鉄鋼製錬後のスラグや海産物加工後の貝殻など(遺存資源)を利用し、環境親和性を示す漁礁や雰囲気調整機能を有する景観石など(地球インプラント)の開発研究を進めています。
ものつくりにおいて、有害物質フリー・エコマテリアル等への材料代替、接合プロセスにおける環境低負荷物質の使用・省エネルギー化、微細高密度実装部の信頼性向上などに資する要素技術の研究開発を推進しています。
エネルギー問題の解決を目指し、エネルギーを「貯蔵する」「変換する」「利用する」ための材料・デバイスの開発を行っています。新材料・新反応の探索から、反応機構の解析、新理論の確立、新型デバイスの開発までを一貫して行っています。
数理解析学分野では、溶接・接合科学における、熱源・材料・プロセス・力学が連成した諸現象の数学的モデル化と、Information Technologyを用いた数値シミュレーションの工学問題への展開に関する教育および研究を行う。また、溶接・接合技術を用いて作製される製品における、溶接変形・残留応力などの影響、および異種材料で作製される不均質構造体の強度についても研究を行う。
信頼性設計学領域では、設計、溶接・接合などの加工や施工といった構造物の設計・施工プロセスから、試験・供用、補修補強・維持管理に至る構造物のライフサイクルを通した時間軸を「スループロセス」、材料の組織から溶接・接合部材、構造物といったミクロからマクロにわたる空間軸を「トランススケール」という二つの軸で捉え、これらの各ステージやスケールにおける各種構造物の性能や信頼性の評価に関する教育と研究を行います。特に、溶接・接合部材や構造物の性能に及ぼす、残留応力や変形に代表される熱加工の影響を微視的および巨視的な観点から考慮して、詳細かつ合理的に評価する手法の開発に取り組んでいます。溶接・接合を用いた構造化プロセスの高度化によって、信頼性の高い構造物の設計に貢献できる学術的基盤の構築を目指します。
医工学、エネルギー・環境、エレクトロニクス、防災・リスクなど多岐に亘る分野のものづくりについて、異分野連携をキーワードに新たなテクノロジー創成のためのシミュレーション構築ならびに新技術開発を行っています。最近の研究テーマとして、先進繊維強化複合材料の力学的特性評価手法,先進繊維強化複合材料を用いた人工股関節関連製品の力学的特性評価手法や大都市大震災の災害・減災予測手法の開発に取り組んでいます。
「価値づくり」における従来の「大量生産・大量消費」から、今後の「多様化」という時代の流れに順応可能な、次世代のリーダーを育成すべく、教育研究を通して「スキル」だけでなく、多面的な「視点」を持ってリーダシップを発揮できる能力を涵養することを目標としています。 これからの社会ニーズを展望して技術課題を先取りし、材料開発から実装技術などの製品化技術、更にはその技術・製品のマネジメント、ビジネスモデルに至るまでの、課題解決・イノベーションに取り組みます。
近年では、事が起こってから計画づくりを開始するのではなく、むしろ「まちづくり」の基本として、日常的に身近な環境の将来のあり方を検討しておく「持続的まちづくり」の必要性が強まっています。 加賀研究室では、このような認識の下に、下記の研究を進めています。 – 街に人びとを誘い、街の活性化を目指すまちづくり – 市民参加型でデザイン・マネジメントするまちづくり – 地域の現状や問題点を学習・発見し、将来の課題に取り組むまちづくり
本研究室では、未来の社会に貢献する技術の開発を目指して
・貴金属ナノ粒子の合成と燃料電池、抗菌材料への応用
・交流磁場を使った低侵襲な癌の治療法の開発
・極低温冷凍機用の磁性材料の開発
・磁性ナノ粒子による高度な診断・治療法の実現
・磁気と歪みの相互作用の振動発電への応用
・歪みを制御したフェライト磁石の高性能化
の研究を行っております。
ロボット、自動車、家電をはじめ、あらゆる科学・産業にはアクチュエータ・センサ技術が欠かせません。本研究室では、1つのアクチュエータで多自由度の動作を実現できる多自由度アクチュエータや、人間の筋肉を模擬して構成したリニアアクチュエータ、非接触で動力の伝達を行う新しい磁気式伝達機構、磁性流体や超磁歪素子、感温磁性材料、ナノイオンデバイスなど新素材・新原理に注目した次世代アクチュエータ・センサデバイスの研究と教育を行っています。これらのデバイスの研究にあたり、複雑系物理現象メカニズムを解明するため、有限要素法や粒子法を用いて、電磁場を軸に応力場や温度場、流体場との連成解析手法の開発を行っています。更に、解析結果をもとに最適化設計を行い、創出した試作機をベースに最適な制御方法の検討を進めています。新しいデバイスの企画・提案から解析手法の開発、最適化設計、試作、制御手法の確立まで一貫して行うことができるのが我々の研究室の特徴です。
ナノ構造・ナノデバイスの生成プロセスや機能発現中(動作中)の評価は極めて重要です。当研究分野では、気体中のナノ構造を原子スケールで観察できる高分解能・環境制御型透過電子顕微鏡(ETEM)を開発してきました。このETEMを利用して、自分たちで新規なナノ材料の創製に取り組み、さらに創製したナノ材料の構造と物性を、実際に使用される環境(実環境)で原子スケールで観測・解析しています。世の中に役立つナノ材料工学を推進しています。
セラミックスや金属などを中心とした材料のナノからマクロまでの構造設計・制御および融合技術をキーテクノロジーとして、多様な機能を獲得した機能共生型バルク材料やナノ材料の創製、構造や基礎物性・特性評価およびその機構解明を通じて、新規な構造特性や機能特性を有する先端機能性構造材料の研究開発を行っています。これらを通し、今日の社会が抱える重要な課題解決に資する次世代型基盤材料創出とその応用を指向しています。
本研究分野は、接合・溶接界面における諸現象を解析することで、種々の接合・溶接プロセスにおける界面の形成機構を明らかにすることで、新規界面制御技術を確立することを目的としています。 摩擦接合法(摩擦攪拌接合、摩擦圧接、線形摩擦接合、線形摩擦攪拌接合)や溶融溶接法を主軸とし、次世代接合&改質プロセス技術を創出し、新たな学術基盤を体系化するとともに我が国の産業競争力向上による成長の一助となることを目指しています。
「生命とは何か?」この素朴で、しかし深遠なテーマに迫るために、私たちの研究室はバイオイメージングという生きた細胞の中で起こる分子レベルの現象を見て理解する研究を行っています。具体的には、光を放つ生きものから発光タンパク質の遺伝子を単離し、生命の理解に役立つバイオセンサーやイメージング法の開発を行っています。このような研究は、生命現象の根源的な理解はもとより、医療や創薬にも大きく貢献します。さらに、光るタンパク質の遺伝子を植物に組み込み、最終的には電力を必要としない照明システムなど、未来社会を変革する技術の開発も進めています。
産学官共創領域では、研究力の高度化に加えて、共同研究講座/協働研究所等と協力し、学内での産学共同研究活動(インターンシップ・オン・キャンパス: IoC)を取り入れています。従来の学理の基盤を構築する研究力に加えて、市場・顧客・ロードマップといった事業展開を培う俯瞰力、共同研究を運営する連携力、IoCによる研究活動を通じた学内企業体験により実践力の育成を行います。
資源エネルギー問題、社会インフラの維持管理、産業技術イノベーション創出になどの複雑かつ長期的な課題に対処し、将来世代につながる持続可能社会を導くための社会の仕組みのデザインと社会技術について研究しています。また、これらの仕組みや方法論を、政策や社会・技術システムのデザインに応用し、公的機関や産業界など多様なステークホルダーとの共創を通じて、課題解決および持続可能社会の形成に関わる研究活動や実践を進めています。
材料加工プロセスにおける加工エネルギー源(プラズマ、粒子ビーム)と材料との相互作用機序ならびにエネルギー変換付与機構を基軸に据えて、材料表界面の高機能化と高度制御に向けた基礎学理を追求するとともに、先進的な加工エネルギー源ならびにプロセス制御法の創成と診断評価を通じて、接合科学の高度化に資する基礎研究および応用技術開発を行っている。
特に、独自のプラズマ生成制御技術を活用して、メートル級の超大面積プラズマ源の開発ならびに機能性材料の低温かつ低ダメージでの高品位プロセスの実現に資する先進的な表界面制御プロセスの開発に関する研究を展開している。
本研究室では、多様性に富む、有機材料の分子構造、電子状態、物性を高度に制御し、フレキシブルエレクトロニクス、フォトニクスへと昇華させていくための基礎科学と先端技術の融合科学を研究しています。数学や物理学などの基礎科学に根ざした学術から実社会に貢献するシステムまでを学ぶことをモットーにしています。
本領域では世界最高の平均出力を発揮するパワーレーザーの研究開発を中心に、新しいレーザー材料の開発や新規レーザー発振・増幅手法、ビーム制御技術の研究を行っている。世界初のモジュール化によるオンデマンド設計可能な多目的システムを「スマートパワーレーザー」として世界に発信し、レーザー加工、蛍光分析から、レーザー加速による複合量子ビーム源(X線・イオン・中性子)あるいはレーザー核融合など、幅広い応用を目指した研究を行っている。
(1)高平均出力パワーレーザーモジュールの研究開発
(2)新規レーザー材料、レーザー発振・増幅手法、コヒーレントビーム結合技術の研究
(3)高繰返しレーザーによる加工および高性能光計測への応用研究
(4)スマートパワーレーザーによるサイバーフィジカルシステムの創出
レーザー核融合とその応用についての研究開発を行っています。レーザー核融合による発電を実現するため、レーザー照射によって効率よく高温・高密度(高圧力)の状態を生成するための研究、発電へ向けた材料評価研究をすすめています。大規模レーザー装置による実験のほか、多次元シミュレーションによる解析をツールとして研究を展開しています。核融合で得られるような高温・高密度の状態は、宇宙でみられる惑星や恒星の内部状態に匹敵するため、これらの性質や起源に迫ることができます。また、高強度レーザーによる加工などの産業応用分野にも大きな期待がもたれており、レーザー核融合とともに、このような分野へ広く貢献することを目指しています。
溶融溶接、液相/ 固相接合、および固相接合された接合構造体が有する機能および力学的特性の支配機構を、材料科学的な視点による微細組織観察・構造解析に加え,観察・解析結果に基づくモデリングとシミュレーションを通じて明らかにする。これらを通して、欠陥がなくかつ優れた機能を有する接合界面を得るための材料設計の基礎の確立と、新しい接合法の開発、および接合構造体の特性評価へとつなげることを目指す。これら目的達成のため、接合・界面微細組織のX 線回折法を用いた構成相および組織の配向などの同定、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡および付属機器による接合・界面構造のナノ微細組織観察、元素分析、結晶方位同定、数値シミュレーションなど種々の手法を用いて、その形成過程および接合構造体が有する機能および力学的特性との関連について材料科学的な視点で検討を加えていく。
高密度エネルギー源の特性と、その高度制御およびエネルギー輸送の最適化、さらには高密度エネルギー源と材料との相互作用について基礎的研究を行うことにより、高精度・高機能材料加工のための新しい高密度エネルギー源を探求する。特に、溶接、切断、加熱、高温反応、表面被覆、物質合成、複合微粒子創製などにおいて代表的な高密度エネルギー源として幅広く応用され、新しく熱プラズマによる材料プロセスという概念を生み出しつつあるアークプラズマの発生、制御および熱輸送現象に関して物理的化学的検討を加える。
エレクトロニクス実装分野での新規接合材料の開発から先進的な接合プロセスの構築・機構解明まで広く微細接合に関する研究に取り組む。特に、優れた機能と高い信頼性を有する機能性接合材料の創出、各種エネルギー源を利用した新たな先進微細接合プロセスの構築、さらにはナノ・マイクロスケールでの界面現象解明、界面構造・機能制御による微細接合部の高信頼性化などに関する研究を推進しながら、関連する基礎学理の構築と実用化に向けた応用技術開発を行う。
材料の特性や機能を最大限に活用するため、材料科学的な観点から、溶接・接合部の特性の高精度な評価,支配因子の解明ならびにその制御・予測技術を構築することを目指した教育・研究を行っています。
特に、材料の凝固・変態挙動の理解、材料科学に立脚した溶接・接合部の組織形成機構の解明や、溶接・接合部の耐食性や機械的特性等の信頼性や寿命の評価・予測を目指し、実験とシミュレーションを用いた研究を推進し、社会に還元できる新たな溶接・接合技術の創出を目指しています。
本研究分野では、レーザ科学と生産技術との高度な融合を目指し、レーザを活用した接合、切断、表面改質、分離・除去等の材料加工法に関する基礎研究を実施しています。レーザの効率的な熱的な利用だけでなく、光と物質との相互作用に基づく物理化学的な作用を活用し、レーザクラッディングや金属積層造形の革新的な新プロセス創出やその実用化に取り組んでいます。
安全・安心・快適な生活基盤の維持・発展に向けて、環境・生命への負荷を軽減できる材料・プロセス、ならびに廃棄物の再資源化・エネルギー再生など、21世紀の地球環境技術の基盤構築と実用化に関して、材料科学の観点から原子~ナノ~マイクロの階層的マルチスケール設計による材料の高機能化・多機能化に関する基礎学理の構築と企業との連携による実用化研究を行っています。
我々は、蛋白質結晶学とクライオ電子顕微鏡の手法で複合体蛋白質の立体構造を解析し、立体構造に基づいて生命機能を理解しようという研究室です。蛋白質の構造を解析することだけで、全ての生命現象を理解できるとは思いませんが、生命が持つ基本的なシステム、例えば「呼吸」「光合成」「生体運動」などに限って考えた場合、その働きは複合体蛋白質の結晶構造を基に理解することができます。研究対象は主として蛋白質の複合体と膜蛋白質であり、「光合成生物」「分子モーター」「生体超分子」をキーワードに構造研究を進めています。
先進レーザーの基盤となる情報フォトニクス用レーザー材料や非線形光学結晶、蛍光体開発などの透光性セラミックスを含め多岐にわたる研究を行っている。また、レーザー照明(先進ヘッドライト、IoT照明ステーション)、ロボットや自動運転用LiDAR、レーザーの害虫駆除(農業応用)など幅広い応用研究も行っている。
(1)光機能材料の研究 ~透光性セラミック、レーザー結晶、波長変換など~
(2)可視光半導体レーザー応用に関する研究~レーザー照明・表示、計測、給電、照射など~