工学研究科 > マテリアル生産科学専攻 > 材料エネルギー理工学講座

2050年カーボンニュートラルの達成には、『CO2資源化技術』や『水素の利用技術』がその中核を担っている。このような『エネルギー資源革命』の達成には、目的の反応に応じて原子分子レベルで精密設計した『ナノ構造触媒』の開発が必要不可欠である。我々は既存の概念にとらわれず、『触媒設計学』、『金属材料学』、『先端構造解析技術』、『理論計算』を駆使してエネルギーの創成や、環境問題の解決に貢献するための超高活性かつ実用的な機能性触媒の創製に取り組んでいます。

持続可能社会の実現へ向け、鉄鋼や非鉄金属材料の製精錬プロセスの低炭素化や、省エネルギー技術を支える半導体材料やセラミックス材料のプロセス開発を目指し、熱力学・高温融体物性・速度論等冶金学を駆使したプロセス設計・評価と、先端の可視化技術を用いた各種反応プロセスの見える化に取り組んでいます。

望みの機能を発現する材料の設計とその生産プロセスの開発は、常にモノづくりの基盤となります。持続可能社会確立が課題である現代では、省エネルギー、CO2排出削減、資源循環等の環境負荷低減も、材料設計とプロセス開発における重要な要素です。一方、3Dプリンターに象徴されるモノづくりのデジタル化は、材料設計とプロセス開発に新たな可能性と課題の両方をもたらしており、その中には既存の科学では予測や説明ができない現象も含まれます。私達は、コンピュータシミュレーション等の計算手法とプロセスモニタリング等の実験的手法を融合した新しい材料設計とプロセスの開発に役立つ計算手法やデータ解析手法等の学術的基盤技術の構築を通じて、新材料創製による生活革新と資源循環による持続可能社会確立に貢献するとともに、その基礎となる科学的知見を新時代の冶金学として開拓・体系化して継承することを目指します。

第一原理計算による機能性材料のデザインと、その実証実験を行う研究グループです。電子の励起状態が関わる様々な物理現象(有限温度磁性、外場によるエントロピー変化、電気・熱・スピンの伝導現象など)を、色々な理論的方法を組み合わせて表現する量子シミュレーション手法の開発を行います。開発した方法を用いて、高効率エネルギー変換材料や省エネルギー材料のデザインを行い、実証実験を行います。シミュレーションおよび実験結果の統計的学習により、材料探索のためのガイドラインを提供します。

研究テーマ
 第一原理量子シミュレーション手法の開発
 太陽電池材料、発光材料、熱電材料、磁気冷凍材料など、高効率エネルギー変換材料のデザインとその実証実験
 スピントロニクス材料、高耐熱・高強度材料、超伝導材料など、省エネルギー関連材料のデザインとその実証実験
 多元合金の物理特性の予測モデル構築と材料探索への応用

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